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ハウスメイド
ハウスメイド
「こんにちは」
裕幸がドアを開けると、女性が立っていた。
「松永さん?」
「ええ」
「クラブから来ました」
クラブ、人妻クラブのことだ。
さすがに、玄関先で人妻クラブとは名乗れない。
「ああ、どうぞ」
渡辺亜矢31歳。
結婚して3年になるが子供はいない。
夫は、金融関係の仕事で、残業、休日出勤は当たり前、転勤もしょっちゅうだ。
わずか3年の間に2度引っ越した。
3度目の転勤には亜矢はついていくのをやめた。
子供を作ることもあきらめた。
離婚してもいい、そう思っている。
人妻クラブは、表向きは家政婦紹介所だが、名前からしてそうでないことは見当がつく。
「着替えていいかしら」
亜矢は、部屋の片隅で、服を脱いだ。
裕幸が、ベッドに座って、そんな亜矢をじっと見ている。
なにしろ、8畳の居間の他にはキッチンとバスルームしかないのだ。
下着だけになった亜矢が、裕幸のほうを振り返る。
「このままでいいかしら?」
もちろん、裕幸に異論はない。
亜矢は、下着の上にエプロンだけ身につけた。
「掃除機、使っていいですか?」
「ああ、どうぞ」
亜矢は、掃除機を持つと、裕幸のいる居間の掃除を始めた。
掃除など、10分もすれば終わってしまう。
部屋が狭いのもそうだが、たいていはお客のほうで先に掃除を済ませてくれている。
今日もそうだ。
部屋はきれいに片付いている。
亜矢は、隅々まで丁寧に掃除機をかけ、すぐに拭き掃除に移る。
プロ用の専門道具を使うわけではない。
ごく普通のハンディモップと雑巾。
亜矢は、わざと裕幸にお尻を向けて、家具を拭いていく。
膝を曲げずに、お尻を突き出した姿勢で、床の雑誌を拾う。
ショーツは、真っ赤なシースルーのTバック。
背後に裕幸が立っていた。
「だめよ。そういうのは…一応、規則だから…」
亜矢は、そう言って、肩にかかった裕幸の手を払った。
性的なサービスはしないという建前だ。
Tバックにエプロンという格好はどうなんだと言われるかもしれないが、1日だけの家政婦だ。
後で、あれが無くなったとかというあらぬ疑いをかけられないための方策だ。
こちらは何も隠せない格好で、依頼人立会いというのがクラブの方針だ。
もちろん下着姿と明言しているわけではないので、人によっては、レオタードだったり、全身タイツだったりすることもある。
「あなた、彼女は?」
亜矢が、裕幸に話しかけた。
たしか大学生だと依頼書には書いてあった。
裕幸が首を振った。
亜矢が視線を落とすと、むくっと膨れ上がった股間を手で隠す。
恥ずかしそうにうつむいた表情が、少しかわいい。
亜矢は、まだ、突っ立ったままの裕幸の前にしゃがんだ。
「これは、仕事じゃないのよ。私が勝手にやってること。いい?」
そう言って、裕幸の前にしゃがんで、ジッパーを下げた。
片手では、取り出せないほど大きくなっている
「舐めてあげるね」
亜矢は、裕幸のものを取り出すと、ぎゅっと握り、上目遣いに裕幸を見上げる。
裕幸は、じっと食い入るように亜矢の顔を見つめた。
「おっきくなってる」
亜矢は、にっこり笑いながら、裕幸のものの先をすっぽり咥えた。
裕幸は、少し腰を引いて、亜矢から視線をそらす。
亜矢は、裕幸のものから口をはずし、根元のほうへと舌を這わし、ちょっと横にむけて、横から咥えた。
唇に少し力を入れ、左右に口を動かす
「うっ・・・」
裕幸が少しうめいたのを聞いて亜矢は、今度はすぽっと口の中に収めると、そのままいっきに咽の奥まで差し入れた。
「ふぅっ・・・」
驚いたように裕幸が息を吹き出した。
亜矢は、そのまま何度も何度も口を上下させる。
「ああ・・・ああ・・あああ・・・亜矢さん・・・」
亜矢の肩に置いた裕幸の手に力がこもった。
「でる・・でる・・・・でるよ」
裕幸は、無意識に亜矢の頭を抱え、ぐっと、自分にひきつけると、亜矢の口にどっと放出した。
「・・・・・ごめん」
裕幸が、すまなそうな声で謝った。
「ううん。いいのよ。・・・・どう?気持ちよかった?」
「うん。ありがとう」
可愛い顔だった
亜矢は、立ち上がると、裕幸の顔を自分の胸に押し当てた。
人妻クラブは、ただの紹介窓口だ。
依頼人は、紹介料を払うだけ。
後は、紹介されてやってきた女性との直接契約になる。
安普請のアパート暮らしの大学生。
敬遠される客だが、亜矢はそれでよかった。
仕事中毒で自分のことをセックス付きの家政婦としか見ていない夫に対する反感なのだと自分でもわかっている。
継続して契約できる相手ではなかったが、それでいい。
そう思った。
1週間が経った。
亜矢の携帯が鳴った。
電話は裕幸からだ。
一応、連絡先を渡してきた。
月に2回来て欲しいと言う。
「いいの?」
3時間、1万6千円と言ってある。
「だいじょうぶです。バイトで家庭教師やってるし、奨学金もあるんで…」
(正直な子)
「わかった。いつがいいの?」
「いつでもいいんですけど…」
「ねぇ」
「はい?」
「わたしのほうから曜日と時間を決めさせてもらっていい?そしたら、同じ料金で月に4回行ったげる」
「いいんですか?」
「いいわ。だってわたしの都合をきいてもらうんですもの」
「そうですか。なんか申し訳ないです」
「いいのよ。で、今日はどう?」
「今日ですか?」
「時間はいつでもいいの。夜でもいいわ」
「そうですか。じゃぁ8時でいいですか?」
「いいわ」
裕幸の部屋に入るなり、亜矢は裕幸に抱きついた。
突然のことにとまどいながらも裕幸は亜矢をぎゅっと強く抱きしめた。
男は、そうするものだ。
しばらく裕幸の胸に顔を埋めていた亜矢が、ゆっくりと顔を上げた。
裕幸は、亜矢の唇にそっと唇を重ねる。
亜矢が少し唇を開いたので、裕幸は強く唇を押し当て、亜矢の中に唇を入れた。
男は、そうするものだ。
腰に回された裕幸の腕を、亜矢がそっと、下に押し下げた。
裕幸は、思い出したように亜矢のお尻をなで、おもむろに、スカートの下に手を差し入れる。
亜矢のショーツの合間から指を差し入れようとしたが、窮屈だ。
亜矢は、裕幸から離れ、裕幸の前で服を脱ぎ、全裸になると、あいかわらず、つっ立ったままの裕幸の前に膝まづいて裕幸のズボンを脱がした。
亜矢が、立ち上がると、今度は、裕幸が亜矢を裸にする。
裕幸は亜矢を抱き上げると、ベッドに仰向けに寝かせた。
「どうかしたんですか?」
ようやく、裕幸が訊いた。
「ううん。こういうのいや?」
「いえ。とんでもない」
「ねぇ」
「はい?」
「月に2回はちゃんとお掃除もするけど、後の2回は、わたしの好きにしていい?」
「掃除もいいです。僕、けっこう掃除はきらいじゃないから」
「だめよ。仕事は仕事、お掃除はちゃんとするから。ただ、今日は、後でするわ。それでいい?」
亜矢は、裕幸の上に乗って向きを変えた。
すでに大きくなっている裕幸のものにぴったりと乳房を押し当てて前後にこするようにしながら、じわじわと股間を裕幸の顔のほうに近づけていく。
裕幸は、こんなに間近で生の女性の性器を見たことはない。
乳房の柔らかな刺激が、口に変わった。
雅之は、顔の前まで競りあがってきた亜矢の股間に舌を這わせるが、自分の下半身のほうが急を告げている。
まさか、いきなりこんなことになるとも思っていなかったし、ペニスに乳房をこすり付けられたのも初めてだ。
「ああ、亜矢さん。だめだ。出ちゃう」
「いいの。出して。また飲んだげる」
亜矢は、さらに強く裕幸のものを吸った。
「ああああ」
どくっどくっとあふれ出してきた。
裕幸のそれは大量だ。
この前もそうだった。
すぐに亜矢の口いっぱいにまであふれ出したものを亜矢はごくっと音を立てて飲み込んだ。
帰り際、亜矢は裕幸に告げた。
「今度は外で会ってもいい?」
「外で?」
「だめ?」
「いいですけど…」
「そう、じゃぁまた連絡するね」
1週間後、亜矢は裕幸を誘って、食事をして、お酒を飲んだ。
「亜矢さん、僕も出しますから…」
払おうとする裕幸を制してすべて亜矢が支払った。
「いいのよ。わたしの好きにしていいって言ったでしょ」
「いや、たしかにそうですけど…」
「今日は、ホテルでいい?」
亜矢は、裕幸の言うことを無視して裕幸の手を引いた。
部屋に入ると、裕幸が、亜矢を背後からぎゅっと抱きしめた。
「あら、もう?」
亜矢は、後ろ手に裕幸の股間のふくらみに手を当てた。
「いっしょに風呂に入る?」
「はい」
裕幸は、亜矢から離れて服を脱ごうとしたが、少しふらついた。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと、酔ってるかも」
「だいじょうぶ?」
そういいながら、亜矢は、裕幸の額をぺろっと舐めた。
「何?」
「おまじない」
「おまじない?」
「頭がしっかりするおまじない」
「へぇ」
亜矢は、今度は裕幸の頭をそっと乳房に押し付けるように抱えた。
「これも、おまじない?」
「そうよ。酔いをさましたくなるでしょ」
「もう、さめたみたい」
「そう、よかった」
亜矢は、先にバスルームに向った。
「洗ってあげるわ。座って」
座った裕幸の背中を亜矢は自分の乳房をこすり付けるようにして洗う。
腕を股間に挟んで洗う。
雅之をひと通り洗い終えると、亜矢は、バスタブに手を突いてお尻を突き出した。
亜矢のお尻が、つんと上を向く。
裕幸は、立ち上がり、ゆっくり深くいれ、腰を回すように引きながらまた激しく突いてきた。
(あら?)
単調だった裕幸と今日はちょっと違う。
裕幸は、ときどきタイミングをずらし、遅くしたり、早くしたりした。
今日の裕幸は、全くの“破調”で、タイミングがとれない。
その破調が亜矢をじりじりと責め上げる。
(ああ、もっと…来て、もっともっと奥まで来て…)
「ああ・・あああ・・あああ・・・ああ・」
ようやく酔いがさめたのか、裕幸がだんだんリズミカルに奥へ奥へと突いてくるようになった。
小柄な亜矢は、激しくされるとすぐに息の上がってしまう。
立ったままで最後までいられたことがない。
今にもくずれそうだった。
「お願い、ねぇ、後はベッドで…ね」
ベッドに移ると雅之は、今度は、最初から激しく突いてきた。
つぎつぎと奥に当たる。
この感触が亜矢は好きだ。
たちまち、呼吸が出来なくなった。
頭がボーっとし始めた。
「ああ・・ああ・あああ・あ・あ・・あ・あ・あ・・・」
亜矢が、ずっと叫びっぱなしになった。
(亜矢さん)
裕幸は、女性がこんなに乱れるところ初めて見た。
自分がそうさせていることが嬉しかった。
(いったのか?)
亜矢がいった。
裕幸はそれが嬉しくてたまらない。
(僕も…)
「出すよ」
「出して、いって…いって…あああああ」
裕幸は、亜矢のお腹に放出した。
亜矢は、起き上がると、今、放出したばかりの裕幸のものを口に含みねっとりと舌を絡ませ、残っているものをきれいに舐め取った。
「ありがとう」
裕幸が律儀に礼を言う。
「お掃除はちゃんとするって言ったでしょ」
亜矢はにっこり微笑んだ。
END
双子のエステシャン
双子のエステシャン
「ちょっと早かったかしら」
「ちょっとね」
ドアを開けて中に迎え入れた隼人が亜矢に微笑みながら答えた。
加藤隼人、27歳。
いわゆるいけ面の華奢な男の子。
3LDKのごく普通のマンションだが、隼人はここで女性専門のエステを開業している。
看板があるわけでも、広告を出すわけでもないが、けっこう人気の店だ。
彼の他にもう一人いる。
加藤拳人、27歳。
双子だ。
若い、いけ面の双子のエステシャン。
人気の秘密はそれだけではない。
エステと名乗ってはいるが、客の要望を可能な限りかなえてくれる。
看板を出さない理由もそこにある。
「亜矢さん、じゃぁ、先にシャワー浴びててもらえますか?」
亜矢は、シャワーを浴びて、バスローブだけの格好で待った。
普通のエステでないことは誰もが知っている。
そのため客同士が顔を合わさないように、待合室は個室だ。
そとで女性の声がした。
終わって帰るのだろう。
扉が開いて、隼人が入ってきた。
「亜矢さん、どうぞ」
亜矢は、常連の部類だ。
隼人と拳人との区別もつく。
亜矢は、奥の部屋でバスローブを脱いでマッサージ台の上に、全裸で仰向けに寝た。
2人の男性が、無言でマッサージを始める。
亜矢は何も言わない。
亜矢の要望はいつも同じだ。
隼人の手が亜矢の顔、首、肩、そして乳房へと手のひらでさするように降りていく。
拳人は、亜矢の片足を高く上げて自分の肩に乗せ、もう一方の足の上に乗って、太ももを下から上へと揉み上げていく。
時おり、太ももの付け根まで揉み上げた拳人の指が亜矢の股間に触れた。
彼らの指は、微妙な動きで亜矢を刺激する。
彼らの手で丹念に塗りこめられたオイルのせいで、体が熱くなってくる。
乳首やクリトリスといった感じやすいところはなおさら熱くなる。
隼人は亜矢の顔を挟んで正座して、膝で亜矢の両肩をマットに押し付ける。
拳人は、肩にかけていた亜矢の左足をゆっくり右に倒し始める。
身体をねじって伸ばすストレッチだが、拳人は、交差させた亜矢の太ももで巧みに亜矢のクリトリスを擦り合わせるように刺激する。
隼人が、亜矢の乳房を脇から中央へと絞り上げて、最後に乳首を強くつまむ。
「顔を擦って…」
亜矢は、隼人を見上げながらそう言った。
これもいつものことだ
隼人は、ズボンを脱いで、下半身裸になると、亜矢を万歳させて、亜矢の顔と両腕をいっしょに両足の間に挟んだ。
ちょうど亜矢の顔の上に隼人のペニスが乗った。
ふにゃっとしたペニスに頬を擦られるのは気持ちがいい。
ここのマッサージ台は、亜矢の腰から下の位置に病院のベッドのように落下防止の柵がついている。
拳人は、亜矢の両足を90度植えに持ち上げ、それを徐々に徐々に開いていった。
亜矢はもうずいぶんと体が柔らかくなり、180度近く開くことができるようになっていた。
その亜矢の足が両脇の柵に乗ったところで、拳人は亜矢の足を柵に固定した。
ここからは、マッサージではない。
ブーンとモーター音を立てる器具の先端が亜矢のクリトリスの周辺を這う。
亜矢の顔の上に乗った隼人が、ぴったりと亜矢に覆いかぶさり、亜矢の乳首を口に含む。
亜矢が、口を開け、大きくなった隼人のペニスを舐めと、隼人はそれを亜矢の口の中に挿入した。
「ふぐわぁっ…」
拳人は、前にもアナルにも器具を挿入した。
「ふぁあぁぁぁ」
亜矢の背中がのけぞった。
「亜矢さん」
隼人が、亜矢の顔の上から降りて話しかける。
「な…何?」
「今日は、できますけど…」
「そう。じゃぁお願い」
後に、そういった客の予約は入っていないのだろう。
「どうします?前と後ろにしますか、それとも口?」
「前と後ろがいいわ」
亜矢がそう言って、マットから降りると、代わって隼人が仰向けに寝る。
亜矢は、仰向けの隼人にまたがると天井に向って伸びている隼人のペニスを握って、その上に腰を下ろす。
「あっ…あ・・あああ」
「いいですか?」
亜矢の背中で拳人の声がする。
「いいわ」
拳人が、亜矢のアナルに挿入してきた。
END
秘密 1
秘密 1
亜矢に指名が入った。
人妻クラブは通称で、正式には、西崎家政婦紹介所という。
表向きは単なる家政婦紹介所で、別に性的なサービスをうたってはいない。
もちろんデリヘルではないので、指名という制度はないが、まれに口コミの情報で“だれそれ”と個人を指名してくる客がある。
客の名は、里中俊彦。
48歳、会社役員、支払いは、クレジットカード希望とあった。
きっと誰かから亜矢の事を聞いたのだろう、亜矢には、名前に覚えがなかった。
「こんにちは」
ドアが開いて顔を出したのは、驚いたことに高校生ぐらいの少年だった。
「里中さん?」
「はい」
「クラブから来ました」
「ああ、どうぞ」
亜矢は、とりあえず、部屋の中に入ったが、この少年しかいないようだ。
基本は家政婦なのだから、立会いの相手が高校生でもかまわないのだが、依頼者と明らかに違っている。
「あのぉ、里中俊彦さんからの依頼で来た家政婦ですけど…」
「はい」
「俊彦さんは?」
「ああ。父は外出って言うか…、いないんです」
「いない?」
「転勤で、ここには住んでません」
「じゃぁ、もしかしてクラブに電話したのは、あなた?」
「いいえ。それは父です。僕が一人暮らしなんで…」
「ああ、そういうこと」
一人暮らしの息子のことを思って父親が家政婦を頼んだのだろうと亜矢は考えたが、ちょっとおかしい。
亜矢は指名されたのだ。
家政婦を頼むのなら、普通の家政婦紹介所に頼むのが普通だ。
もし、クラブのことを知らずに単なる家政婦紹介所だと勘違いしたのだとしたら、そんな人が亜矢のことを知っているはずがない。
亜矢のことを知っていて、高校生の息子のところに来させたというのだろうか?
だとしたら、どんなサービスをすればいいのか?
亜矢は迷った。
「お父さん、わたしのことをどこかで聞いたのかしら?」
とりあえず、亜矢は目の前の少年に訊いてみた。
「えっ…」
少年は困ったように顔を伏せた。
「本当にお父さんが電話したの?」
「本当です。ただ…」
「ただ…何なの?」
「僕が紹介所の電話番号とあなたの名前を父に言って、かけてもらったんです」
「あなたが?」
「はい」
「でも、どうしてあなた、わたしのことを?」
「裕幸さんから、聞いたって…」
「ええ」
「ヒロユキ…って、えーっと…松永さんから、聞きました」
「松永って、松永裕幸さん?」
「はい」
松永裕幸。
先日、亜矢が訪問した大学生だ。
どうやら彼から亜矢のことを聞いたらしい。
「裕幸さんとは、とは、どんなお知り合い?」
「同じとこでバイトしてるので…」
「バイトしてるの?」
「はい」
亜矢は困った。
裕幸から何を聞いたかは知らないが、高校生を相手に裕幸にしたようなことができるわけではない。
オーダーしてきた父親だって、亜矢を家政婦だと思っているに違いない。
「ごめんなさい。裕幸さんと同じようにはできないわよ」
亜矢は、はっきりとそう言った。
「できないんですか?」
少年はあきらかにがっかりした表情を浮かべた。
亜矢は、少し気の毒に思えた。
「掃除とか、洗濯とか、食事の準備とかはできるけど…」
少年が不思議そうな顔をする。
「それでもいいかしら?」
「それでもって…それでいいんですけど」
(はぁ?)
「それじゃ、だめなんですか?」
逆に聞き返された。
「裕幸さん、わたしのことをどんなふうに言ってたの?」
「優しい人だって…」
(優しい人?えっ…、それだけ?)
「お願いがあるんです。だめならだめでいいんです。無理にっていうことじゃないんで…」
「何?」
「僕、料理、教わりたいんです」
「料理?」
「そんな難しい料理じゃなくていいんです。ご飯の炊き方とか、チャーハンとかカレーとか。僕、何もできないから…。教えてくれなくてもいいんです。作ってくれてるところを見させてくれれば、それでもいいです」
(そんなこと?)
「裕幸さん、わたしが料理を教えてくれるって言ったの?」
少年は首を振った。
「ごめんなさい。本当は、直接聞いたんじゃないんです。松永さんが、他の人と話してるのが聞こえて…」
(そういうことだったのね)
「あなた、名前は?」
「直人、里中直人です」
「高校生?」
「はい、2年です」
「そう。立ち入ったことを聞くけど、お母さんもお父さんといっしょに行ったの?」
「母は、僕が小さい頃に亡くなりました」
「そうなの。ごめんなさい」
「いいです。全然記憶も無いですから…」
「わかったわ。木曜日なら4時半から7時半に来れるわ。それでいい?」
表向きは、家政婦紹介所だ。
家政婦としての料金設定もある。
「はい。かまわないです」
「わたしも、そんなに料理はうまくないけど、教えてあげるわ」
「本当ですか?」
直人の表情が打って変わって明るくなった。
(かわいい子)
亜矢は、玄関で直人に言った。
「じゃぁ、今度の木曜日」
「はい。あっ、これ、鍵です」
直人が亜矢に部屋の鍵を渡そうとする。
「だめよ。誰もいないところには入れないわ。そういう規則なの」
「そうなんだ」
「そうよ。…それと、そんな簡単に鍵をわたしちゃだめよ」
「すいません」
「それから、わたしがここに来ることを誰にも言わないでね」
「はい」
「裕幸さんにも言っちゃだめよ」
「秘密なんですね」
裕幸から、人妻クラブのサービスを聞かれるのは具合が悪いので亜矢はそう言ったのだが、直人の言葉に、胸がどきっとした。
続きを読む⇒ (2) (3) (4) (5) (6)
秘密 2
あやのエッチな毎日☆
秘密 2
一応、ハウスメイドなので、掃除、洗濯、料理は基本のコースだが、亜矢の場合、そういったものに割いている時間はない。
普段は食事のしたくは、予め用意してきたものをレンジで温めるだけだ。
亜矢は、直人の部屋に入るとすぐにエプロンをした。
高校生が相手では、裸にエプロンという格好はまずい。
亜矢が、そう広くもないキッチンで食事の仕度にとりかかると、後ろから直人が覗いている。
「料理って、わたしも簡単なものしかできないけど…」
亜矢の背中越しに直人に話しかける。
「簡単なのがいいんです。僕もそんな時間かけたくないから、早くできておいしければ最高」
「じゃぁ、今日はまずご飯の炊き方からね」
亜矢は、おそらく一度も使われたことのない炊飯器の内釜を取り出した。
「計量カップってあるの?」
「えぇーっと、たぶん、これかな?」
おそらく炊飯器についていたものだろう小さな計量カップを直人が取り出した。
「ねぇ、普段どのくらい食べるの?」
「どのくらいって…?」
亜矢は、手じかにあったちょっと大きめのお椀を持つと、
「これで2杯くらい食べる?」
「うん。まぁ、そのくらいは食べるかな」
「じゃぁね、このカップにいっぱいのお米を3杯。それが一回分の目安よ。いい?」
亜矢なら1日で食べきれないほどの量だが、高校生の男の子なら、このくらいは一回で食べるんだろう。
亜矢の知り合いの女性の子供が、男の子で高校生で柔道をしている。
夫婦とその子の3人なのだが、毎日、一升、ご飯を炊くらしい。
そのほとんどをその子が食べるのだと聞いたことがあった。
亜矢は、お米をボールに入れて、研ぎ始める。
「まず、お米を研ぐの」
「とぐ?」
「学校で習わなかった?」
「洗うんじゃないの?」
「そうね。“洗う”でもいいけど。こうやって、ごしごしって…、水を流して洗うだけじゃダメよ」
「ふーん。それで、研ぐって言うの?」
「たぶん…」
亜矢は、料理をしているところを夫に覗かれたことはない。
と言うより、たいていそんな時間に夫はいなかった。
誰かと話をしながら食事の仕度をするのは、初めてだ。
何ということもないのだが、それでも少し楽しかった。
「じゃ、ご飯が炊けるまで、お掃除しましょうか」
亜矢は、炊飯器のスイッチを入れて、キッチンを出た。
「掃除は、いいよ。亜矢さんが来るまでちょっと時間があったんで僕がしたから…」
部屋がきれいに片付いていたのは亜矢も知っていた。
「そう?でも、一応、仕事だから…」
亜矢には、ハンディモップと雑巾を持ってリビングのテーブルや棚を拭いた。
床は、掃除機がかけられていたが、テーブルや棚の上には若干、ほこりが乗っている。
「こっちの部屋にも入るわよ」
「あっ、そこはいい。僕の部屋だから…」
「だめよ。ちゃんとしないと…」
亜矢は強引に直人の部屋に入った。
思ったとおりだ。
机の上に、いろんなものが山積みされていた。
片付けたのではなく、リビングにあったものを移し変えただけだ。
「これじゃ、勉強できないでしょ」
亜矢が、机の上に雑然と置かれた雑誌や、DVDやゲームを揃え始めると、直人が慌ててそれらをまとめてストッカーの中に収めた。。
「いいんだって、そのままで…」
直人が狼狽している理由は亜矢にはわかっている。
雑誌とDVDだ。
ちょっと人には見られたくないものに違いない。
「そう?じゃぁ、コーヒーでも飲む?」
キッチンの道具でコーヒーメーカーだけが使われていたのを亜矢は思い出した。
「コーヒーなら僕がいれるよ」
「それじゃ、わたしの仕事がなくなっちゃうわ。座ってて」
それでも直人は亜矢の後ろについてきて、亜矢がすることを見ている。
「ねぇ、亜矢さん」
直人が話しかけてきた。
「何?」
「変なこと聞くけど、いい?」
「何?変なことって」
「SかMかで分けると、亜矢さんはどっち?」
「ほんと、変なこと聞くわね。興味があるの?」
「えっ、まぁ…」
照れた表情が、そこそこかわいい。
「そうね。“足をお舐め”とかってのは、ちょっと言えないから、Sではないと思うけど…」
「ふーん。女の人ってMの人が多いのかなぁ?」
「さぁ、どうかしら。SじゃないからMってわけでもないでしょ」
「そうだけど…」
「あなたは、Sみたいね」
「どうして?」
「違うの?」
「いや、よくわからないけど…」
直人は少し黙った。
「彼女がいるんだ」
「そうなの」
「ってか、告られたんだ」
「へぇ、で、どんな子?」
「かわいい子なんだけど…」
「いいじゃない」
「それがさ、何でも僕の言うとおりにするんだ」
「いやなの?」
「いや、そうじゃなくて、なんていうか、どんどんエスカレートするっていうか。できそうにないことをさせたくなるっていうか」
だいたいの察しはついた。
「で、彼女がMなのかって?」
「それもあるけど、僕がSなのかって。今までそんなこと思ったこともなかったから…」
「彼女が何でも応じるからエスカレートしてるんでしょ?」
「うん」
「彼女が嫌がる顔が見たい?」
「ううん。最初は嫌がるんだけど、でもやってくれるから…」
「じゃぁ、彼女がMなんじゃない?」
「どうして?」
「だってあなたがSなんなら、彼女がどう思おうが、あなたがしたいことをやらせるはずでしょ。でも、あなたは、彼女に応じてエスカレートしてるんでしょ」
「そう…だね。そう言えば…」
直人は何か考え込んだ。
相手がSだろうとMだろうとたいした問題ではない。
そのことを自分が好きになれるかなれないかというそれだけの問題だ。
亜矢の夫は、無口だ。
黙って、テーブルにつき、黙って食べる。
“いただきます”も“ごちそうさま”も言わない。
亜矢にはそれが耐えられない。
亜矢が離婚してもいいと思っている理由は、これなのかもしれない。
考え込んでいる直人に何か言ってやりたかったが、どう言っていいのかわからない。
「ご飯が炊けたみたい」
亜矢は、食事の仕度にまたキッチンに向かった。
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秘密3
3
「ねぇ、ちょっと聞いていい?」
食事を終えた亜矢は、食器は自分で洗うという直人の横で話しかけた。
「何?」
「さっきの話だけど、彼女のこと聞いていい?」
高校生の言うSMというのがどのくらいのことなのか亜矢は興味がわいた。
「いいけど…」
「同級生?」
「うん」
「彼女からあなたに言ってきたの?」
「バレンタインにチョコもらったんだ。話もしたことないのに…」
「ふーん、それで本命だって?」
「そういうわけじゃないけど、チョコもらって初めて気づいたんだけど、最近、よく帰りに見かけてて」
「どういうこと?」
「下駄箱とか校門とかで、よく見かけてて、帰り道が途中までいっしょみたいで…」
「いっしょに帰ってたの?」
「彼女は、俺を待ってたらしいんだけど、俺、歩くのが早いから、いつも通り過ぎてたらしい」
「かわいいわね。彼女」
「だから、チョコもらった日、帰りは、いっしょに帰ったんだ、彼女の速さに合わせてね」
直人が笑うのにつられて亜矢も笑った。
「それから2、3日、いっしょに帰って、そしたら、彼女がね、家に来いって言うんだ」
「行ったの?」
「ああ。誘われれば行くだろ。普通」
「そうね」
「親は両方働いてて、けっこう夜遅くまで彼女一人らしくて…」
食器の片づけが終わったので、亜矢は、直人にコーヒーを入れて、リビングに移動した。
「その日に、キスして、そのくらいかなって思ってたんだけど、ぜんぜんOKって感じだったんで、最後までいっちゃったんだけど…」
「ふーん?」
「それから、しばらくは彼女の家でセックスしてたんだけど、やっぱ不安なんで、家に呼んだんだ」
「不安?」
「親は帰りが遅いけど、帰ってくるわけだからね。家は親は100パー帰ってこないでしょ」
「そうね。で、彼女にどんなことさせてるの?」
「どんなことって?」
「そうねぇ、例えば、縛ったりとか目隠ししたりとか?」
「目隠しはした。縛ったことはないけど、そういう道具は使った」
「道具?」
「ああ」
直人が、ベッドの下から、バッグを引っ張り出した。
中には、いろんな拘束具が入っている。
「これ、買ったの?」
「うん」
「全部、使ったの?」
「うん」
アナルストッパーまであった。
「お尻でもしたの?」
「うん。お尻なら、中に出せるでしょ」
「ふーん」
亜矢は16や17歳の女子高生が、手足を拘束されてお尻に挿入されているようすを思い浮かべた。
自分で聞いておきながら、どういうコメントをしたらいいのか迷った。
「外でやったこともある」
「外って?」
「図書館の裏にある公園」
「ふーん」
「あそこいつも誰もいないから」
「どうして、わざわざ外で?」
「人に見られるところで恥ずかしい目にあわせたくて」
「そうなの?」
「植え込みの脇のベンチで舐めさせて、立ったままバックで」
「ふーん」
それしか言いようがない
「写真も撮った。見る?」
「いいの?」
直人はパソコンを立ち上げた。
ちょっと小柄だが、かわいい子だ。
いきなり裸の写真が並んだ。
あそこのアップもけっこうある。
バイブを使っている写真も、はめ撮りの写真も…
「何、これ?」
玄関のドアの向こうで裸になっている彼女がいた。
「玄関の外で脱がして、そこでした」
「外で?」
「まさか、したのは玄関の中」
精液のかかった顔。
口いっぱいの精液を見せた写真。
亜矢は次の連続写真に驚いた。
立っている直人の前でしゃがんだ彼女。
直人のペニスを握る彼女。
それを舐めながら上目遣いに直人を見る彼女。
少し直人から離れて口をあけて待つ彼女。
その彼女の口の中に直人のペニスの先からおしっこが放たれている。
直人のおしっこを口いっぱいにためた彼女。
亜矢は言葉がなかった。
(どんな子なんだろう、この子?)
亜矢は、この少女に興味がわいた。
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