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弥生の旅立
Bad Guys Ⅰ
ビギニング/弥生の旅立
プロローグ
(あーあ、遅くなっちゃった。前もって言っといてよ)
義男の誕生日を弥生の新しく引っ越したアパートで祝おうと言ったのは弥生自身だったのだが、まさか、新人の歓迎会が行われるとは思ってもいなかった。
正式の歓迎会は先週あった。
今日のは、上司を呼ばないうちわのものだ。
自分達新人の歓迎会に出ないわけにも行かない。
が、なんとか途中で抜け出し弥生は急いでアパートに帰った。
1DKのアパート。
「義男」
思いもかけない光景だった。
上半身裸で、まくり上げられたセーターで頭と腕をくるまれ、それをブラジャーで縛られた女性と下半身だけ裸でその女性のお尻を後ろから抱え込んでいる義男
義男と目があった。
「なに?誰?」
女性のスカートがまくられ、真っ白なお尻が露わだ。
「弥生…」
義男は、突然のことにそう言ったきり声が出なかった。
「何してるの。…仁美?…仁美なの」
女は、捲り上げられたセーターで顔が見えないが、仁美に違いない。
「弥生…」
まさしく仁美の声だ。
「義男、やめて。離れて」
弥生が駆け寄ってきたが、それでも義男は仁美から離れない。
「弥生。…そこで見てな」
義男は何か覚悟を決めたように、ハッキリした口調で弥生に言った。
「何言ってるの?」
「動くな。そこで見てろ…いきそうなんだ。このまま仁美の中に出すぞ」
「いやーっ。だめ、中はダメ」
仁美が声をあげた。
「中に?…何…ばか、やめて」
「黙れ。そこで見てろ」
そう言いながら、義男の動きが速くなる。
「ああ…あああ…だめ…だめ…中に出さないで」
仁美がさらに大きな声をあげた。
「お願い。やめて…義男」
弥生は、横に座って、義男の目線に合わせて言った。
激しく動きながら義男が言う。
「脱げ。弥生」
「えっ」
「脱ぐんだよ。裸になるんだ。早く、出すぞ…出すぞ」
「いやーっ」
仁美が泣き声で絶叫した。
「わかったわ。だから、離れて」
「早く!」
義男の声も大きくなった。
弥生は慌ててブラウスとスカートを脱ぎ、そこで躊躇した。
「全部脱ぐんだよ」
義男がたたみかけた。
せかされ、ブラをはずすと、ショーツも脱いで、弥生は全裸になった。
「脱いだわ。もういいでしょ」
「ここに来て、仁美をまたいで俺の前に立て…早く!」
弥生は、義男の激しい口調に押され、言われた通り、仁美のお尻をまたぎ、義男の前に豊かな丸い双丘を晒した。
「四つん這いになれ…もっと尻を突き出せ…出すぞ」
「だめぇー…お願い。中はダメ、外に…外に出して」
仁美の涙声に急かされるように、弥生は義男の命令に従って、仁美の上で四つんばいになって、義男の顔の前にお尻を突き出した。
不意に義男の舌が弥生の股間を這った。
弥生が、思わず、腰を引くと義男の手に押さえられた。
義男の舌が、股間を這う。
「弥生、お前に入れようか?」
「だめ、弥生にはだめ」
仁美が、答えた。
「仁美…」
「うう…もういきそうだ」
「だめ、早くどいて、仁美からどいて」
「弥生、こっちへ来い。仁美のお尻の上に顔を載せろ」
弥生は、言われた通り、仁美のお尻の横に座り、そのお尻を腰のほうから抱え、お尻の上で顔を横にした。
義男の動きは、さらに激しくなった。
「う…出すぞ…出すぞ」
「だめ…中は…中は…だめ…だめ…だめぇー」
仁美の絶叫にあわせて、義男は直前で仁美を離れ、仁美のお尻の上の弥生の顔を両手で押さえると、弥生の口の中に無理やり肉棒を押し込み、弥生の口の中に放出した。
「飲め…弥生」
義男は、ゆっくりと弥生の口の中に根元まで差し込んで、それから抜いた。
弥生の旅立1-1
1.仁美
弥生は、金曜の夕方、手早くメークを直し、大学時代の友人の仁美との待ち合わせ場所に急いだ。
早瀬弥生、28歳、大手広告代理店に勤めている。
仁美に会うのは久しぶりだ。
弥生は、4年前に同じ会社の営業部の稔と結婚した。
仁美も2年前、結婚したが、彼女はわずか1年で離婚して今は、元の独り暮らしに戻っている。
久しぶりに仁美に会った弥生は、仁美がスリムになっているのに驚いた。
「仁美、少しやせてない?ダイエットしたの?」
「えへっ、わかる?ダイエットはしてないけど、まぁ、なんというか、生活にはりができたというか…」
「それって、いい人ができたっていうこと?」
「まぁね」
「ひさしぶりに電話よこしたと思ったら、そういう話か、ふーん、で…?」
「すんごい背が高くて、かっこいいのよ。で、その上、けっこう優しくて…。で、この前、お酒に誘われて…」
「また、お酒?」
仁美は、お酒に弱く、ちょっと飲んだだけですぐに酔ってしまう。
しかも、酔うとハイになって、今までもそれでけっこうひどい目にあってきているのだが、懲りないらしい。
「そんなに飲んでないよ。これからって時に明日も仕事だから送るって…」
「会社の人?」
「へへ、まぁそんなとこ」
「それで?」
「彼はホテルに泊まるっていうから…」
「うそっ!まさか、ついてったの?」
「まぁ、誠実な感じの人だし…」
「それって…上司?」
仁美はうなずいた。
「不倫じゃないでしょうね」
「ばついち」
「ふーん」
「でね、もう40は越えてると思うんだけど、すごいの」
「すごいって…あれ?」
「そう。…いっちゃった。3回、4回かな、よくわかんないけど…そのくらい」
「えっ、…」
弥生は少なからず驚いた。
弥生も仁美もセックスが嫌いではないが、同じような不満を持っていた。
今まで、セックスで”いった”ことがないのだ。
仁美は、それが原因で離婚したようなものだ。
「エッチしている最中に本だって読めるよ」と言ってたくらいだ。
その彼女の口から、「いった」と聞かされるとは思ってもいなかった。
弥生の夫、稔は弥生より4歳年上で同じ会社に勤めてはいるが、今は子会社に出向していて、弥生とは勤務場所が違う。
会社での精力的なイメージとかけはなれてセックスは淡白で、それでも結婚当初は週に2回か3回は求めてきたのだが、半年後にはそれが週に1回になった。
それも単調でさっさと済ますといった感じのもので、弥生のほうから求めることもなく、いつのまにか関係がなくなってしまった。
ただ、同じ会社に勤めているため、仁美のようにそう簡単に離婚というわけにもいかない。
弥生は、次第に、欲求を自分で満たすようになっていた。
オナニー自体はもともと嫌いではなかった、というか、好きだった。
それが「セックスでいけない」原因のひとつだったのかもしれないと思うこともある。
休みの日など1日に何回もすることがある。
オナニー好きではあるが、誰か男の人にいかせてもらいたいと思う気持ちが、ないわけではない。
そんな弥生の驚きを知ってか知らずか、仁美は、事細かに話し出した。
「この前、ラブホでお風呂に一緒に入ったのね、エアーマット置いてあったんだけど、うつ伏せに寝かされて、洗ってくれるのよ。体で…」
「それって、逆じゃないの」
「そう、逆。男の人がああいうとこ行きたがる気持ち、わかるなぁ。気持ちいいのよ、マッサージもしてくれて…。その手が、また、いやらしいの」
「何よ、それ?」
「おっぱいとか、お尻とか、あそこもね、ゆっくりひだにそって指を上下させるの、クリちゃんにもあたるんだけど、少しいじるだけですぐに他に行っちゃうの、“もっとーっ”て思うんだけど、そうすると戻ってくるのよ、ちゃっかり…。そのタイミングが絶妙なの」
「仁美、声大きいよ」
ことさら声が大きいわけでもなかったが、まわりには聞こえると具合の悪い内容でもあり、弥生は注意した。
正直なところ、楽しそうな仁美の話し方がちょっと、気に障ってもいた。
仁美は、ちょっと、驚いたようだったが、今度は小声で
「もう、いれてーって思うころにしっかり入ってきて…、初めて、あんな感じ。でも、もっとーって時に抜かれちゃって、 そしたら、今度はお尻に指入れてきたの…」
「お尻?」
「最初は、痛かったんだけど…なんか、だんだん変な気持ちになっちゃって。お尻もけっこう、ありかなって思ったら、お尻に入れるよって…」
「うそ?お尻に?」
「そう、けっこうすんなり入っちゃった」
「痛くなかった?」
「うん、痛かったよ、でも、入るときは痛かったんだけど、しばらくじっとしててくれて、そしたら痛みがなくなったの」
「ふーん、そうなの?で、感じた?」
「変な気持ち、すっごくいいってわけじゃないんだけど…。なんかじわじわくるのよ、でも、それがまたいい感じで…。ちょっと、病み付きになりそう」
「やだ、へんたーい、で、お尻でいっちゃったの?3回も4回も…」
「な、わけないでしょ。それは、その後…」
そこで仁美はなぜか話をやめた。
弥生の旅立1-2
「どうしたの?」
「あのさ、これは絶対に内緒なんだけど…」
「何、急に?」
「わたし、トイレでオナニーするの」
「わたしもしたことあるわよ」
弥生は、どうって事ないという口調で話した。
そう多くは無いが、たまにトイレでオナニーをすることもある。
「ううん、じゃなくって、駅のトイレとかデパートとか会社とか」
「えっ!」
弥生は言葉が無かった。
「で、ラブホでトイレに入ったら、彼が横の洗面所で髭を剃りだしたの」
「まさか、そこで?」
「うん。なんだか、したくなっちゃって…」
「で?」
「便座に片足乗せて、オナッて、わざとちょっとだけ声だしたの」
「まさか…ほんとに?」
「でね、ドアの鍵を開けたの。カチャって音がして…」
「来たの?彼」
弥生は、固唾を呑んで仁美の言葉を待った。
仁美は、うなずいた。
「ドアが開いて、彼も裸で…」
「そこでしたの?」
「ううん。そこでは口だけ。彼がわたしの頭をこう持って、ぐいぐいって…」
仁美は、お腹の前でボールでも持つような格好をした。
「おしゃぶりしながら、オナニー」
「もういいわよ、わかったから…」
弥生は仁美の話をさえぎった。
自分の顔が真っ赤に火照っているがわかった。
家に帰り、ちょっと熱めのシャワーを浴びながら弥生は、体の火照りを感じていた。
仁美のせいだ。
仁美の話があまりにショッキングだったからだ。
「もう…」
弥生は、そうつぶやいて、大きくため息をついた。
弥生は、仁美との会話を思い出し、股間がジュンと潤ってくるのを感じた。
(あ・・・・・・いやだ・・・・・・)
手が勝手に動いた。
つんとたった乳首を左手の人差し指と中指ではさみ、くるくるとこねる右手は自然と股間に伸びた。
最初は中指で丸く円を描くようにクリトリスをやさしく刺激し、だんだん強くこね回すように、押し付けるようにしていく。
これが、いつもやりなれた、弥生のオナニーのパターンだ。
いつもなら、これで満足する弥生だったが、今日は違った。
体の奥のほうから、もっともっとと突き上げてくるような欲求があった。
弥生は、クリトリスを強く押し付けるのをやめ、人差し指と中指を広げ、ひだの外側を上下させてみた。それでも刺激が足りなかった。
あまりのものたりなさに弥生は2本の指をできるだけ奥深くへと差し込んだ。
そしてゆっくりかき回し、ゆっくりひいた。2回、3回、だんだんそれが早くなった。
息が荒くなった。
が、弥生はまた手を止めた。
(お尻、って言ってたわね)
弥生は念入りにお尻を洗い、指とアナルに石鹸をつけて、中指1本だけを恐る恐る挿入してみた。
痛い、けど思ったほどでもない。
不思議な感覚。
いままでの”感じる”というのとはぜんぜん違うものだった。
それが快感なのかどうか、弥生にはよくわからなかった。
「ムッ・・・・・・あぁ・・・・・・」
(私、お尻に指を入れてる)
自分が今、排泄器官に指を入れていやらしいことをしていると思うと、その背徳的な感情に興奮がいっきに高まってきた。
左手の中指を何度も何度もアナルに押し入れ、右手でクリトリスをこね回す。
(あぁ、もう我慢できない!)
右手の中指に溢れ出た恥ずかしい滴を掬い取り、その指を少し前へ持っていき、クリトリスにまぶすように塗りつける。
「あぁ!・・・・・・ウゥッ!」
お風呂から上がり、寝室に入っても興奮はおさまりそうになかった。
夫は、今日も帰ってこない。
指は自然にまた股間へと伸びていた。
「トイレでオナニーか?」
仁美の話しの情景が思い浮かんだ。
“やってみたい”
本気でそう思った。
(変態だわ、わたし。今日は、本当にどうかしている)
そのまま、いつのまにか深い眠りに落ちていった。
弥生の旅立1-3
次の日、別に買い物があるわけでもないのに弥生の足は、デパートに向った。
トイレの案内板が目に入る。
それだけでもう胸がどきどきし始めた。
“やってみよう”
トイレに近づいていく。
弥生は思わずまわりを見回した。
“やだ、わたし…”
別に悪いことをするわけではない。
それにトイレの中なんだから、誰に見られるわけでもない。
どきどきしている自分自身がおかしかった。
トイレでショーツの中に手を入れてみた。
どうということもなかった。
ちょっと、期待はずれだ。
いつものようにクリトリスの周囲を右手の中指でなぞり始めたが、どうも集中できず、なかなか気持ちが入っていかない。
ショーツをおろし、下半身をすべてあらわにし、左手でブラをずらし、乳首をいじった。
ようやく気持ちが昂ぶり始めた時、そこに人が入ってきた。
その瞬間だった。
いっきに弥生の気持ちが昂ぶり、快感が押し寄せてきた。
(近くに人がいる。そこで私はオナニーしている。)
弥生は声が出そうなのを、必死でこらえ、音を立てないように続けた。
波はすぐに押し寄せてきた。
今まで感じたことが無いほどの波。
終わったが、すぐには動けない。
外に人がいた。
人が出て行くのを待ったが、なかなか人が途切れない。
弥生は、思い切って、トイレを出た。
別に思い切るほどのことでもないのだが、そのとき、弥生は、そこで人に会うのが恥ずかしかった。
恐る恐るドアを開けると、外には、誰もいない。
ちょっとほっとして、なぜか、よくわからないがさらに気持ちが昂ぶった。
弥生は、新たな刺激にとりつかれた。
駅のトイレ、会社のトイレ、身近なところでもやってみた。
会社のトイレでの緊張感は、言いようがなかった。
(もし、こんなことを知られたら?)
トイレに行く前に、それを想像しただけで、すでに股間にむずむずした掻痒感を感じる。
席を立って、トイレまで歩くあいだにも、心臓の鼓動はどんどん早くなる。
トイレには誰もいない。
弥生は、入るとすぐにショーツをおろし、下半身をすべてあらわにした。
指を当てると、じっとりとしたぬめりが伝わってくる。
いっきにいってしまいたかった。
ドアの外で物音がして、隣のトイレに人が入った。
(うっ・・・・)
こぼれかけた声を弥生は必死にこらえた。シャーっとおしっこをする音がする。
と、同時に、弥生はがくっと膝が折れて達した。
隣の人が誰かはわからないが、顔を合わせたくない弥生は、いそいで股間を拭き、それを流してトイレを出た。
ドアを開けると、同僚の麻子がいた。
(えっ・・・)
隣の人に気を取られ、外の音に気が回らなかった。
弥生は、顔を伏せて、すれ違った。
(どうしよう・・・臭わないかな?)
心配したところでどうしようもない。
弥生は、急いで自分の席に戻ったが、麻子が戻ってきて、普通に仕事につくまで、ずっと心臓はどきどきしっぱなしだった。
弥生の旅立1-4
水曜日は残業をしない日。
夫の稔は、昨日から出張なのだが、結婚している弥生には、仲間の誘いはあまりかからない。
定時に会社を出て、弥生は、一人映画館に向った。
まだ、4月だというのに、夏のように暑い。
弥生は薄いシャツの上にジャケットと丈の短いプリーツスカートという格好だ。
心のどこかで、映画館でこっそりオナニーする自分を想定していた。
タイトなスカートでは都合が悪い。
丈の長いスカートも具合が悪い。
(ストッキングもだめだけど…これは、映画館で脱げばいいか)
夕方の電車は、朝ほどではないが、そこそこ混んでいた。
やはり電車に冷房はきいてない。
まだ4月だ。
弥生はジャケットを脱いで左手で抱えた。
156cmと小柄だが、スリーサイズは86cm、61cm、88cm。
薄いブラウスは弥生の下着をあらわにしていたが、弥生はそれに気づかない。
映画館に行くと決めたときから、弥生の気持ちは、すでに別のところにあった。
電車に揺られながら、弥生は映画館の中でオナニーしている自分を想像していた。
触れてもいないのに下腹部がジーンと熱くなってきているのがわかった。
弥生は、体の前に抱えたジャケットで右手を隠して、そっとその手を股間に当てた。
スカートの上から指を押し付けただけだ。
どきっと心臓が震える。
(あっ…)
映画館に行くまでもない。
これでも十分だ。
弥生は人差し指と中指に力を入れて、股間にくいっと食い込ませた。
右手はジャケットで隠れているし、腕を動かしているわけじゃない。
気づかれるはずはない。
次の駅で乗客がどっと増え、弥生は扉に押し付けられた。
前には誰もいない。
(わかりっこない)
弥生は、少し足を開き、プリーツスカートの裾をたくし上げて指を押し付けた。
パンスト越しだが、スカートの上からよりは遥に刺激的だ。
(ああ、わたし、電車の中で…変態だ)
指を動かす。
最初は指だけだった。
やがてその指で股間をこすり始める。
わずかな動きではあったが、こするたびに右手の肘が、隣に立っている男のお腹に当たっていることに弥生は気づいていない。
(えっ…)
突然、隣に立っている男の手が股間にある弥生の右手の上にかぶせられた。
驚きで心臓が止りそうだ。
「手伝ってやるよ」
男が弥生の耳元で囁いた。
(見られてた?)
恥ずかしさで顔が真っ赤になっていくのがわかった。
男は、弥生の人差し指と中指の上にわざわざ自分の指をかぶせて、弥生の指を使って股間に押し付けてきた。
弥生は思わず自分の手を引っ込めたが、男の手はそのままそこに居座った。
「俺が代わってやるよ」
男がまた、弥生の耳元で囁く。
男の指は、ためらうこともなく、弥生の股間に分け入ったきた。
(あっ…)
抗いようがない。
今、同じことを自分でやっていたのだ。
弥生の右側にいたその男は、弥生をぐっと自分にひきつけて、弥生の右足を自分の両足で挟み込み、前だけでなく、スカートをめくって後ろからも手を入れてくる。
弥生が右手で男を押しのけようとすると、男はその右手をつかんで自分の股間へと導いた。
「俺のも握ってくれよ」
弥生の耳に男の唇が触れるほど近い。
男は弥生のスカートを完全にまくりあげ、両手で弥生のお尻をぐるぐると円を描くように撫でまわす。
目的の駅では、弥生の前の扉が開くが、それまではずっと反対側の扉が開く。
目的の駅はまだ5つも先だ。
パンスト越しであるが、スカートの上からとは比べ物にならない直接的な感触が伝わってくる。
弥生は周りを見回した。
自分でもその感情を理解できないが、他の人に見られてないか確認したのだ。
そして、誰も気づいていないことに安心したのだった。
男の行為は、さらに大胆になっていく。
今度は太ももを撫で上げるように這い昇り、弥生の秘部の上をゆっくりと上下する。
(ああ、だめ)
弥生のそこは妄想で、すでにグッショリ濡れてしまっている。
それを男に知られるのが恥ずかしかったが、逆にその恥ずかしさを求めてもいた。
正直なところ、ショーツ、パンスト越しのゆるい刺激がもどかしかった。
(なんてこと考えてるんだろう、まるで、痴女だわ、わたし)
そう思うと、ますます気持ちが昂ぶってくる。
弥生の降りる駅までは後2つ、反対側のドアが開き、またどっと人が乗ってきた。
この駅はいつもそうだ。
弥生は背後の男ともども、扉に押し付けられた。
(えっ、うそ)
男は、ぎゅっと押されるその瞬間を待っていたかのように弥生のスカートを大きくたくし上げ、両手を強引に弥生の太股の間に差し入れ、パンストのその部分を破ったのだ。
裂け目から指をいれショーツの脇から直接、指を弥生の秘部に迫ってきた。
これには、弥生も驚いた。
あわてて、何とか逃れようとしたが、体の前で、脱いだジャケットとバッグをかかえたまま両手を電車の扉に強く押し付けられ、動かすことができない。
お尻をひねるようにしてみたが、混んでいてそれも思うように果たせない。
男の指が侵入してきて、一瞬止った。
(あぁ、だめ、わかっちゃう)
そこがグッショリ濡れていることを知られたに違いない。
(この女、感じてやがる…痴漢にいじられて感じる破廉恥な女だ…きっと、そう思われてる)
弥生は恥ずかしさで赤くなった顔を上げていられずに、下を向いて唇を噛み締めた。
口を開けば自らの妄想に淫らな声を上げてしまいそうだ。
男は、侵入しているのとは別の指で、今度はクリトリスの付近を撫で始める。
今の状態でそんなところを触られたら、絶対に耐えられない。
弥生は反射的に腰を前に突き出すようにして、男の手から逃れようとするが、思うように身動きさえ出来ず、ついに男の指がクリトリスを刺激し始めた。
(あぁ、だめぇー…おねがい…しないでぇ…)
心の中で懇願するが、男はそのまま秘肉とクリトリスを刺激し続ける。
もう弥生の頭の中は真っ白になっていた。
こんな大勢いる中で、それも痴漢されて感じてしまう被虐的な官能に、今まで味わったことのないほどの興奮を覚えて、ついに弥生は絶頂を迎えてしまった。
「うぐっ」
必死で声を殺した。
それがそのとき弥生にできたせいいっぱいのことだった。
と、同時に弥生の前の扉が開いた。
後ろから押されるように弥生は、ホームにはき出された。
ホームの柱に寄りかかり、なんとか呼吸を整えてから、ようやく弥生は歩き出した。
ふと後が気になって振り返ったが、それらしい男はいない。
男は、ついてきたりはしなかったようだ。弥生は少しほっとして改札口に向かった。