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監禁
監禁
トイレに行きたかった
手を伸ばし、ベッドの端を探した
ベッドから降りて、立った
立ったが…うまく歩けない
腰を落として、手探りしながら歩く
見られていると思う
声は聞こえない
物音もしない
それでも、誰かが近くにいるように思う
グローブをした手でも目隠しをずらすことはできる
でも、たぶん、しないほうがいい
不意に、後ろから抱きかかえられた。
「どこへ行く」
「・・・・トイレ・・・」
と答えた。
「こっちだ」
男に腕を引かれて、トイレに連れて行かれる
ドアが開く音
男に両脇を持たれ、便座に乗せられる
足音もドアの閉まる音もしない
「ドアを閉めてください」
「だめだ」
「お願いします」
「だめだ」
諦めた
恥ずかしいわけでもない
自分が見えないからかもしれない
ただ、…くやしい
「見ないで下さい」
「見てはいない」
終わったが、手はボクシングのグローブのままだ
トイレットペーパーを引く音がする
「立て」
・・・・便座をまたいだまま立った
男の手で股間を拭かれた。
手を引かれて、ベッドに戻された
「口を開けろ」
別の男の声がした
顔を左右から手で挟まれた
・・・・痛い
口を開けた
そこに何か押し込まれた
サンドイッチ?そしてストローの先端
食べたくは無かった
無理やり、それを飲み込んだ
すぐに、男のものを口に押し当てられた
口の中にまだ、サンドイッチが残っていた
咽に突き入れられる
むせた
ベッドの上で四つんばいにさせられた
また、口に押し当てられる
お尻をつかまれた
まだ、別の男がいた
闇の中から、つぎつぎに男達は現れる
後ろから男が入ってくる
乳首をなにかで挟まれた
悲鳴はあげられない
男のものが喉の奥まで入っていた
男のものを口で受けた
ひとり・・・ふたり・・・さんにん・・・
男達が離れた
また、静寂
男たちがいるのかいないのか
わからなくなった
でも、きっと誰かいる
誰かがわたしを見ている
わたしは、眠ってしまった
おんな
おんな
思い出そうとして思い出せないことがある。
それまで、覚えていたはずなのに、
思い出そうとした瞬間に、どんどん形が崩れていってしまう。
昔、ある男とつき合っていた。
優しい人だったという印象以外に何も思い出せない。
優しい人が好きだったのに・・・
彼は優しい人だったはずなのに・・・
何故別れたのか、どこで、何て言って別れたのか・・・
何も思い出せない。
どうして、なにも思い出せないんだろう。
ひどいめにあったわけではないのに・・・。
楽しかったはずなのに・・・・
いつだったか、誰かに
「優しいだけではね・・・・」って話したことがある。
なにを訊かれてそう答えたのかは忘れた。
わたしを、“俺の女”と呼ぶ男がいた。
わたしは・・・おんなという役割を果たす彼の持ち物だった。
おんなを求められれば、それに全て応じた。
わたしが一緒に暮らした男だ。
優しい男ではなかった。
わたしは、浮気は好きではない。
ただ、仕事で、男に抱かれることはある。
その男は、わたしを、よく他の男に与えた。
仕事でもないのに、他の男に抱かれるのはいい気持ちではない。
でも、もう慣れた。
わたしは道具だ。
おんなという道具だ。
飽きられないようにと、ただ願うだけだ。