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続・広美の思惑1-1
Bad Guys4 続ひろみの思惑
プロローグ
「ここ?」
「そう、ここ」
「ここでするの?」
「そう、ここでするの。雨だもの…」
静子が、一瞬、目を閉じて顔を伏せた。
(えっ・・・・・うそ・・・まさか・・・・)
雨で足元は濡れているので、よく見ないと分からないが、静子の足を、雨とは思えない勢いで液体が伝って流れている。
「静子さん・・・・」
広美は、続ける言葉がなかった。
「あなたは・・・どうする?」
静子が訊いた。
(どうするって…。歩道よ。…しかも立ってするなんて、それも下着をつけたまま…)
静子が、楽しそうな表情で広美を見る。
“するに決まっている”という表情だ。
今、目の前で、静子はやった。
誰も気づかなかった。
(できなくない…)
できないことではないかもしれないが、立ってしたことはなかったし、ましてや、下着をつけたまま、自分の意志でお漏らしをしたことなどあるはずもない。
しようと思ってもなかなかできることではない。
出そうだが…でない。
「ふぅー」
緊張に耐え切れなくなって広美が溜息をつくと、静子が広美の下腹部をぎゅっとわしづかみにした。
「あっ・・・」
広美は、思わずこえをあげた。
(出る・・・・出ちゃう・・・・)
尿意はじゅうぶんにあった。
わずかな刺激で、それはほとばしる。
じわーっと、生温かいものが、股間全体に広がり、お尻の上のほうまで浸透し、太ももを伝って流れた。
それは、太ももの内側ですぐに冷たくなって、足を伝う。
我慢から解放された安堵。
人前だという背徳と羞恥、そして太ももで感じる冷たさ、不快感。
広美は、首が折れるほどうつむいた。
1.痴漢
広美は、毎朝、同じ電車の同じ車両に乗る。
あまり背の高くない広美は、周囲をぐるっと人に囲まれるのが嫌いだ。だから、ドアが開くと、反対側の扉まで真っ直ぐ進んで、反対側の扉に張り付くように立つ。
広美は、その日もお尻に、何かが押しつけられているのを感じていた。
押しつけられたものはすでに硬く大きくなっている。
最初は偶然だったのかもしれない。広美の豊かで柔らかい尻肉に当たって、不覚にも大きくなってしまった自分のものを男は、手で押さえていた。
ただ、次の日も男は、広美の後ろに立った。
やがて、その手が動き始め、手の甲だったものが、掌に変わるのにそう時間はかからなかった。
すぐに広美のお尻には、最初から固くなっているものが当たるようになった。
ここ数日、毎日、男は、広美のお尻をずっと弄り続けている。
広美は、車両を変ろうかと思い始めていた。
朝の苦手な広美は、早い電車に乗るのは、無理な話だ。
できるのはせいぜい車両を変ることくらい。
それも、できればしたくなかった。この位置が、乗るにも降りるにも、最も効率がいいのだ。
それに、知らない男に、触られることは、広美には、それほど嫌なことではなかった。
広美は、恥かしい姿を、見ず知らずの人に見られるのが、・・・はっきり言うと、好きだ。
映画館や図書館、時にはファミレスでもオナニーをすることがある。
自分でもその感情を理解できないのだが、とにかく、どきどきしたいのだ。
そしてできれば、自分には、害のない形でその恥かしい行為を見られたいと思った。
その意味では、痴漢は、広美にはいやなことではない。
むしろ、もっと激しい行為を望んでいたが、電車を降りて、後をつけられたりしたら・・・といった不安もなくはない。
この日も、少しずつだが、大胆になっていく男の行為に多少の不安を感じていた。
男の手が、スカートの裾から中に入ってきた。
パンスト越しであるが、スカートの上からとは比べ物にならない直接的な感触が伝わる。
広美は周りを見回した。誰も気づいていないようだ。
広美は、お尻の位置をずらし、一応の抵抗は見せたが、結局男の行為を拒まなかった。
広美が無抵抗なので男は、さらに大胆になっていく。
手を太ももの内側に入れ、撫で上げるように這いあがり、広美の秘部の上で前後に動かし始めた。
指の力が弱い。
中途半端だ。
(どうせ触るなら、もう少し、強くこすってよ)
広美は足を、少し開けた。
男の行為は、依然としてまだるっこしいものだったが、それでも、広美は、徐々に濡れていくのを感じていた。
(あぁ、もっと強く、ぐいっと押し付けて・・・)
ショーツ、パンスト越しのゆるい刺激がもどかしかった。
(なんてこと考えてるんだろう、まるで、痴女だわ、わたし)
そう思うと、ますます気持ちが昂ぶる。
電車が止まり、反対側のドアが開き、またどっと人が乗ってきた。
この駅はいつもそうだ。
広美は背後の男ともども、さらに強く扉に押し付けられた。
男は、ぎゅっと押されるその瞬間を待っていたかのように広美のスカートを大きくたくし上げ、広美のお尻を完全に露出させ、そこにぴったりと自分のものを押し当てて来た。
(えっ・・・まさか・・・・)
男のものが、直接当たっているような気がした。
気になって、広美は、後ろに手を回し、男のものと自分のお尻との間に割り込ませた。
その広美の手に、生の男のものがあたった。
(うそ・・・何・・・どういうこと?)
男が露出させた肉棒を、広美のお尻にぴったりとくっ付けて上下にこすり始める。
(やだ・・・嘘でしょ)
広美が逃れようとすると、男は、広美の腰を両腕で押さえ、自分の方にぐいっと引き寄せる。
広美は、足が宙に浮くほど持ち上げあげられたが、満員の電車の中では、そういうこともたやすくできる。
男のものが、ちょうどお尻に当たり、まるで、バックから挿入されているような格好だ。
(だめ・・・お願い・・・出さないで・・・お願い・・・)
朝の通勤快速電車は、まだ3駅通過する。時間にして8分。
(早く着いて・・・・早く・・・・)
男は、露骨に腰を動かして、お尻にこすり付けるわけではないが、電車の揺れに応じて、微妙に上下する。
(こんな動きじゃ・・・だいじょうぶ・・・いったりしないわ。びっくりさせないでよ。全く・・・・)
多少の不安は、あったが、次の駅を告げるアナウンスが車内に流れて、広美は少なからずほっとした。
しかし、安心するのは早すぎた。
男は広美の降りる駅を知っている。
動きが、急に早くなった。
(うそ・・・だめよ・・・だめ・・・やめて・・・)
広美の願いは虚しく、男は、まくったスカートの内側で肉棒をつかんでお尻にこすりつけるように出した。
電車がホームに入る。
男は、すばやく、広美のスカートで拭いて、自分のものをしまった。
扉が開くと、広美も男も外に押し出され、男も人ごみにまぎれて立ち去った。
(きっと・・・出された)
肌に直接かかったわけではないので、実感はなかったが、広美は、急いで、駅のトイレに向った。
続・広美の思惑1-2
2.見てたわ
(やだ・・・いっぱい)
その日の駅のトイレは混んでいて、トイレの外で2人ほど待っていた。
染みてきたのか、お尻の辺りが冷たく感じる。
(さいてーだわ・・・・今度は、痴漢って叫んでやる・・・)
「見てたわよ」
不意に後ろで声がして、広美は、慌てて振り返ると、そこに、30歳くらいの女性が立っていた。
「ごめんなさい。電車の中で…見てたの。わたし…」
(見られてた・・・・・)
広美は、どう答えていいのかわからず、ただ、じっと立ち尽くしている。
「ここ、混んでるし…付いて来て…」
その女性は、広美の腕を取って、改札へと向った。
「あっ・・・・あのう・・・どこへ?」
改札を出て、ようやく、広美は、その女性に話しかけた。
「ここの駅ビルに歯医者があるの。わたし、そこで働いてるんだけど、中にトイレも更衣室もあるわ」
「え?・・・でも、・・・」
「いいの。今日は、わたしが早出の日で、他には誰もいないわ。それに、ストッキングくらいならあるわよ」
「えぇ・・・でも、それじゃ・・・・」
「そんなこといってる場合じゃないわよ。スカート、染みになってるのよ。どうにかしないと・・・それで外を歩くのはどうかと思うわ」
(そうなのか・・・・。やだ・・・ほんとに、どうしよう)
「ここよ」
デンタルクリニック“SAKURA”
ドアには、そう書かれてある。
こんなところに歯医者があるのを広美は、初めて知った。
「わたし、矢野静子。あなたは?」
ドアを開けながら、静子が、訊いた。
「高橋広美」
「広美さん・・・さぁ、入って」
静子は、すぐに広美を更衣室に連れて行った。
ライトブルーのスカートは、その部分だけ染みて色が濃くなっている。
「とりあえず、脱げば」
静子に言われ、広美は、スカートもパンストも脱いだ。静子も着替えている。
「それも・・・染みてるんじゃない?」
静子は、ショーツだけになっている広美の背中に回った。
「だいじょうぶみたいね」
広美は、今日はかなりのビキニショーツで、男のものは、上を向いて、広美の腰の下くらいの位置だったため、ショーツにはかかっていなかった。
「これ使って・・・」
白衣に着替えた静子は、新しいストッキングを広美に渡した。
「いいんですか?すいません・・・・後で買って返します」
「いいのよ、気にしないで・・・・ただパンストじゃないから・・・」
(ほんとだ・・・ストッキングだ・・・・しかもレースがついて・・・高そう)
広美は、スカートを脱いで白衣に着替えている静子を見た。
(うわぁ・・・・ガーターだ・・・・)
静子は、ストッキングをガーターで吊っている。
実際にそういう下着をつけている人を広美は初めて見た。
よく見ると、静子は、小柄ではあるが、胸もお尻も豊かに張って、けっこう美人でもあった。
「ねぇ・・・これ使う?」
着替え終わった静子は、自分の穿いていたタイトミニのスカートを広美に見せた。
広美も小柄ではあるが、静子と似たような体型だ。
「たぶん・・・合うと思うわ」
「で・・・でもぉ・・・それじゃ・・・静子さんが困るでしょ」
「あら、困らないわ。ここじゃ、ずっとこの格好だから・・・」
「でも、帰りは?」
「あなた、仕事、何時に終わるの?」
「5時半か6時には、帰れますけど・・・・」
「じゃぁ・・・帰りによってくれればいいわ。わたしは、6時までいるから」
「ありがとうございます。助かります」
広美は、静子のスカートを穿いた。サイズは申し分ない。ぴったりだった。
「あのぉ、静子さん、歯医者さん…ですか?」
「ううん。わたしは事務をしてるだけ…」
「そうですか?」
「これ・・・わたしの携帯の番号」
静子は広美にメモを渡した。
続・広美の思惑1-3
3.お仲間
広美はコンピュータ関係の仕事で、制服ではない。
広美には珍しいタイトミニ、ストッキングの切れ目から、むっちりした太ももが見え隠れして、注目を浴びてしまった。
昼休みにスカートを買っては来たが、午前と午後でスカートを履き替えるというのも変な話しで、結局、一日、静子のスカートで過ごした。
仕事を終えると、広美は、すぐさま静子のところに向ったが、携帯が鳴った。
「広美さん?静子です」
「はい」
「今、いい?仕事終わった?」
「はい、今日はどうもありがとうございました。今、そっちに向かってます。もうすぐ着きます」
「あっそう、じゃぁ、前にいて。わたしもすぐ出るから」
「えっ?・・・・スカート・・・いいんですか?」
「だいじょうぶ。雨でしょ?」
「はい・・・少し降ってます」
「レインコート持ってるから・・・」
「はぁ・・・」
広美には、静子の言っていることがわからない。
「いいの。とにかく前にいて・・・」
「はい」
広美が、ついてすぐに静子も出てきた。
静子は、ハーフのレインコートを着ていた。
(まさか・・・・スカートを穿いてない?・・・・そんなこと・・・・)
「お待ちどう」
静子が先に声をかけた。
「今日は、どうもありがとうございました」
「いやだ・・・あらたまって・・・」
「本当に助かりました」
「そう、よかった」
「あっ・・・これ、お借りしたスカートですけど・・・どうしましょ。大丈夫なら、クリーニングしてお返ししますけど・・・」
「そんな・・・いいわよ」
静子は,紙袋にはいったスカートを広美から受け取った。
「あのぉ・・・」
「何?」
「もしかして・・・その下、スカート穿いてないとか・・・ですか?」
「さぁ・・・どうかしら。それより・・・どう、食事でも?」
広美に断る理由はない。
店に入ると
「ちょっと、トイレに・・・」
静子は、紙袋を持ってトイレに向った。
(やっぱり・・・穿いてなかったんだ・・・)
広美は、コートだけ・・・スカートなし・・・そういう自分を想像してみた。
(いやだ・・・どきどきしてる・・・すごいわ、静子さん・・・)
「お待たせ」
静子は、レインコートを手に持って帰ってきた。もちろん、タイトミニを穿いている。
「あのぉ、やっぱり・・・穿いてなかったんですか?」
「ええ。・・・けっこうどきどきするわね」
静子は、メニューを広げながら、さらっと話した。
(そんな・・・しれっと、簡単に・・・わたしなんか、想像しただけでまだ、どきどきしてるのに・・・)
「何にするか・・・・もう決めた?」
広美はうなずいた。
「呼ぶわよ・・・いい?」
静子は、店員を呼んで、注文した。
「広美は?」
「あっ・・・ああ、カルボナーラで・・・」
店員は注文を繰り返して、帰って行った。
「わたしも、いつもあの電車に乗るの。あなた・・・今日がはじめてじゃないでしょ。」
静子の指摘に、広美は慌てた。
(えっ・・・・見られてたの・・・・)
「・・・・」
「見てたのよ。ここんとこ、毎日、痴漢されてたでしょ」
広美は、恥ずかしさがこみあげてきた。悪いことをとがめられている子供のように顔を伏せたまま黙っている。
「好きなの、ああいうの?」
好きか嫌いかと言われれば・・・好きではあるが、そう言うわけにも行かない。
広美は、顔を上げて、静子をチラッと見た。
微笑んでいた。
「ううん、別に変な意味でいってるんじゃないの。わたしはね、こういう趣味」
静子は、ブラウスのボタンをはずして、広美に乳房を見せた。
(ノーブラ・・・・・)
「ねぇ、驚いた?」
静子は、長年の友達のように親しげに話しかける。広美はとまどった。
「ごめんなさい。気を悪くしないでね。ちょっと、お仲間かと思ったもんだから・・・・」
「いえ。気を悪くなんて・・・とんでもない」
ようやく、広美は応えた。
「よくわからないですけど・・・お仲間かも・・・たぶん・・・」
最後は消え入るような小さな声で、広美は少し頭を下げた。
続・広美の思惑1-4
4.防犯カメラ露出
食事が運ばれてきて、なんとなく、二人とも会話がしにくくなって、黙って食べた。
「ねぇ・・・」
静子が話しかけてきた。
静子は、少し身体を斜めにして、通路側に背中を向けると、また、ブラウスのボタンを外した。
さっきは、ほんの一瞬、広美に見せただけだが・・・今度は・・・
静子が奥の席に座っている。
広美は店内に背中を向けているので、店の中の様子が分からない。
(静子さん・・・誰かに、見られたら・・・・)
広美は、周りが気になったが、きょろきょろして、人目を引いてもいけない。
見ている広美のほうが、どきどきした。
(心臓が・・・すごい・・・鼓動が聞こえる)
「静子さん・・・・」
とうとう、こらえきれなくなって、広美は小さな声で静子を呼んだ。
「びっくりした?・・・・・こんどは、あなた・・・」
「えっ・・・・・わ・・た・・し?」
「そう、誰もいないわよ・・・だいじょうぶ」
「だいじょうぶって・・・・」
店の中に向っている静子が、今、目の前でやったことだ。
しかも、広美は、奥の壁に向っている。
目の前には誰もいない。
(できなくはない・・・かもしれない)
「さぁ・・・・やってみて・・・・興奮するわよ」
静子の行為を見ているだけで・・・・興奮は・・・・もう、している。
(やってみたい・・・・おっぱいを・・・出してみたい・・・)
「トイレにいって、ブラを外してくれば・・・・」
「やって・・・・みようか・・・・」
広美は、トイレに立った。
トイレでブラを外しながら、広美は昂ぶる気持ちを抑えられない。
つい先ほどの静子の行為を自分に置き換えて想像しただけで、濡れてきた。
(やだ・・・変態・・・・、ああ、わたし、やっぱり・・・お仲間だ)
乳首は、固く尖っている。
シャツのボタンを止めると、シャツの生地が直接乳首をこする。
広美は、2、3歩、歩いただけでもう、息が上がってしまった。
(ああ、擦れる・・・・痛いくらい)
広美は、身体を揺らさないように、少し前屈みになって、席に戻った。
静子が、じっと見ている。
座った広美は、おずおずとシャツのボタンに手をかけた。
1つ・・・2つ
静子がしたのと同じように通路に少しだけ背中を向けて、シャツの前を開けて乳房を出した。
見ている静子が、ゆっくり首を横に振った。
(だめ?・・・もっと、出すの?)
もう一個、ボタンを外した。
静子の表情は変わらない。
(まだ?・・・・だって、もう・・・・)
広美は、4つめのボタンも外したが・・・前を開けられない。
黙って、じっと静子が見ている。
(ああ、静子さん・・・・だめよ、できない・・・・)
「ふーっ」
広美は、大きく息を吐くと・・・さっと、前を開いた。
広美の形のいい乳房がこぼれる。
静子が微笑んだ。
心臓が口から飛び出しそうだ。
広美の後ろで不意に足音が聞こえ、広美は慌てて前を隠し、さりげなくボタンを留めた。
店員が、広美たちのテーブルの横の席に客を案内して来たのだ。
「広美・・・・どう?」
静子が、何を訊いているのか、広美には分かっている。
「心臓が・・・・止まりそう・・・」
「あら、大変・・・・」
静子は笑っている。
「じゃ、行きましょうか?」
静子は、あっさりと席を立った。
広美も、慌てて立つと、静子は、にっこり微笑んで、天井の隅に視線を移す。
何かあるのかと広美もそちらを見た。
(あ・・・あああああ)
防犯カメラ
「知ってた・・・でしょ?」
広美は、先に立った静子に並ぶと静子の腕を取って、大急ぎでレジに引っ張って行く。
「ううん。立った時に気づいたの。だって、わたしの後ろにあるのよ。気づくわけないでしょ」
もう、どちらでもいい。広美は、とにかく一刻も早く、ここを出たかった。
外は、雨だったが、広美は店から離れたい一心で、急いで歩いた。
駅の近くのアーケード街に入ったところで静子が声をかけた。
「待ってよ・・・広美、もう、平気よ」
ようやく広美は、足を止めて、傘を畳んだ。
足元が濡れて冷たい。
「ねぇ、広美・・・お酒飲める?」
静子が、そう言うと、広美は、うなずいた。
お酒は、強くはないが好きだ。
「駅の近くに新しい居酒屋さんが出来たんだけど・・・知ってる?」
「知ってます。そこ・・・行きたいって思ってたんです」
「そう・・・じゃぁ、行こうか?」
静子は、広美の腕を取った。
続・広美の思惑1-5
5.トイレは外
女性をターゲットにした居酒屋。
料理もしっかりしてて、お酒の肴という感じではない。
ただ、サラダバーはどうかと思うが…。
ここでは何があるのかとある意味期待した広美だったが、別段変わったことはなく、静子は意外にあっさりとこの店を切り上げた。
ファミレスで心臓が口から飛び出しそうな羞恥を覚えた広美は、なにもなくこのまま帰ってしまうのが何かもの足りない。
「うちに来ない」
もうすぐ広美の降りる駅というところで、静子が、広美を家に誘った。
「えっ・・・静子さんとこ・・・ですか?」
「明日は、お休みでしょ?」
「え・・・ええ、はい」
「うちは、○○駅なの」
広美のところから、2つ先の駅だ。
「で・・・でも・・・・」
静子は、広美の腕をとって、自分の胸の谷間にその腕を挟むように両手で広美の腕を抱えた。
(あん・・・)
柔らかい感触が広美の二の腕に伝わってくる。
静子は、ブラはしていない。
それは広美も同じだ。
静子の手が、広美の乳房をつかんだ。
広美は、周りを見回す。
(だいじょうぶ・・・見えないはず・・・)
「いいんですか?行っても・・・」
「あら、わたしが誘ったのよ」
「じゃぁ・・・お願いします」
何をお願いするのか?
広美は変な挨拶をした。
改札の手前で、
「あ、静子さん・・・わたし、ちょっと・・・トイレ」
そう言って、トイレに行こうとする広美の腕を静子がつかんだ。
「だめ・・・外にあるわ」
「はぁ・・・?」
なにがだめなのか、要領を得なかったが、とにかく静子に腕を引かれて広美は改札を出たが、静子は、傘をさすと、すぐに通りに出てしまった。
広美は、慌てて、後を追った。
「静子さん・・・・」
「何?」
「トイレ・・・・」
「ああ、もう少し先よ」
(どういうこと?)
広美は、わけもわからず、ただ、静子について歩いた。
5分や10分の我慢ができないほど切迫しているわけでもなかった。
雨は、激しさを増して、足元はもちろんスカートまでも濡れ始めた。
「もうすぐよ・・・」
そう言うと静子は自分の傘をたたみ、広美の傘の中に入ってきた。
「静子さんのうち?」
「うちもすぐだけど・・・・トイレ」
「トイレ?」
(うちがすぐなのに・・・どうしてトイレ?)
「ここよ」
静子は、バス停で立ち止まって、さしていた広美の傘をたたんだ。
わずかだが、乗る人のために、幅1m、長さ2mくらいの雨避けがある。雨避けといっても、屋根があるだけなので、足元は濡れる。
「ここ?」
もちろん、そこはトイレではない。
「そう、ここ」
「ここ?」
まったく、静子が何を言っているのか理解できない広美は、ただ鸚鵡返しに訊くだけだ。
「ここでするの」
「ここでするって…おしっこを…ですか?」
「そう。だいじょうぶよ…雨だもの」
(雨だもの?・・・・どういうこと?)
静子の眉間に一瞬しわが寄った。
(えっ?…うそ?…まさか…)
雨で足元は濡れているので、よく見ないと分からないが、静子の足を、液体が伝って流れている。
「静子さん・・・・」
広美は、続ける言葉がなかった。
「あなたは・・・どうする?」
静子が訊いた。
(どうするって・・・・・。歩道よ。・・・・しかも立ってするなんて、下着をつけたまま・・・・)
静子は、楽しそうな表情で広美を見ていた。
“するに決まっている”という表情だ。
今、目の前で、静子がやったことだ。
それに誰も気づかなかった。
(できなくないわ・・・・)
確かに、見たとおり、できないことではないかもしれないが、広美は、立ってしたことはなかったし、ましてや、下着をつけたまま、自分の意志でお漏らしをするなんて当然ながら初めてだ。
しようと思ってもなかなかできることではない。
出そうだが・・・でない。
「ふぅー」
緊張に耐え切れなくなって広美が溜息をつくと、静子が広美の下腹部をぎゅっとわしづかみにした。
「あっ・・・」
広美が、思わずこえをあげる。
(出る・・・・出ちゃう・・・・)
尿意はじゅうぶんにあった。わずかな刺激で、それはほとばしった。
じわーっと、生温かいものが、股間全体に広がり、お尻の上のほうまで浸透し、太ももを伝って流れる。
それは、太ももの内側ですぐに冷たくなって、足を伝う。
我慢から解放された安堵。人前だという背徳と羞恥、そして太ももで感じる冷たさ、不快感。
広美は、首が折れるほどうつむいた。