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情けは人のためならず1-1
情けは人のためならず
第1章
「おい、こっち来な」
加恋は、沙耶に腕を引っ張られて、駐車場に連れ込まれた。
大きなワゴン車とブロック塀との間。
いつもの場所だった。
ここに連れ込まれるときは、ひどい目にあう。
「遅ぇよ、全く」
男が声をかけてきた。
同じ学年の新見健太
加恋の身がこわばった。
「そんな遅れてねぇだろ」
玲奈が軽く健太の胸をこづいた。
「しかし、ブスだな」
「顔は隠してあげるから」
沙耶に腕を取られた。
(やめて、お願い)
何をされるかはわかっていた。
でも何もできない。
この前、逃げようとして殴られた。
タバコの火を太ももに押し付けられた。
沙耶は、この前と同じように、タバコを咥えている。
沙耶が加恋のスカートを持ち上げる。
「しゃがみな」
玲奈に肩を押し付けられた。
加恋は、しゃがんだ。
持ち上げられたスカートは、加恋の上半身をすっぽりと覆う。
沙耶が、加恋の頭の上でスカートの裾を束ねて、持っていたひもで縛った。
「これで顔は見えないだろ」
加恋は、沙耶と玲奈に立たされた。
上半身は、まるでゴミ袋のように濃紺のスカートに覆われ、そこから白いショーツ一枚の下半身が丸出しだ。
同級生の前。
17歳の加恋には、耐えられないほどの羞恥、屈辱。
スカートのカーテンの中で加恋は泣き続けた。
「おまんこ見る?」
(いやーっ)
加恋のショーツに指がかかった。
思わず、腰を引く加恋の上半身を玲奈が上から脇に抱え込んだ。
後ろに突き出した加恋のお尻から、沙耶がショーツをはぎ取る。
(やめて、お願い、放して)
「触っていいか?」
「いいよ」
答えたのは沙耶だ。
健太にお尻をなでられた。
ぞっとする感触。
(やめて、さわらないで)
「早く、撮っちゃってよ」
沙耶が促す。
(いやーっ)
加恋の願いは届かない。
コンクリートの地面に膝をつかされ、無理やりお尻を持ち上げられた。
四つんばいにされ、次はお尻をつけて足を広げられた。
そのつど、シャッター音がする。
「で、いくらなの?」
「5万って話だけど、こいつじゃなぁ」
「何だよ、バージンならいいんだろ?」
「まぁ、そうは言ってたけど」
「今みたいに顔隠しゃいいじゃん」
「だよな、なんか、あれ、けっこういいなぁ」
健太は、もう一度カメラを加恋に向けた。
「変態」
「うっせぇ」
「なぁ、もういいだろ」
通りのほうを見ていた玲奈が、じれたようにつばを吐いた。
ひもがほどかれて、加恋は置き去りにされた。
絶望的な会話だった。
自分が売られる。
(痛い)
膝に小石が食い込んでいた。
脱がされたパンツが見当たらない。
悔しさがこみ上げてきた。
さらに涙があふれた。
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