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抑えきれない女(1)
作:慶輔
1
滑らかなシーツに脚をすべらせながら、新藤さやかはゆっくりと眼を開けた。
ああ……今日もすごく淫らで素敵な夢だったわ……
しなやかな指が身体を這い、静かにパンティの中へと入っていく。
指先が、陰毛を通り過ぎてジンジンと疼きたっている温かな秘裂に触れた。さやかは再び眼を閉じて重い吐息を吐いた。
「んふっ……」
数本の指が、大陰唇のふくらみをモミモミと柔らかく揉みあげる。切ない声が小さく漏れた。
おぼろげな夢をなんとなく思い出していくと、感情が徐々に昂ぶっていく。思い出せない部分には、思いっきり卑猥な妄想を貼り付けた。次第に、淫欲の痺れるような波が秘芯以外の性感へも蔓延しはじめてきた。さやかはもうTシャツをグイッと捲り上げ、形の良い乳房を剥き出しにしてからパンティも邪魔くさそうに脱ぎすてた。
新藤さやか、二十四歳。身長160センチにB87、W58、H85と、なんとも男が好きそうなプロポーションをしている。大手商社のOLをしており、いまの婚約者とは今年の十月に挙式予定だ。
肩まで伸びたサラサラの黒髪はどこか古きよき時代の日本女性を思わせ、若干太めの眉に、パッチリとした瞳には長い睫毛が艶やかに伸びている。目尻が垂れているせいか、気品ある顔が少し幼く見えてしまうが、それがいい。ハキハキとした明るい性格は社内でも好印象で、婚約者がいる今でもたまに交際を申し込んでくる男らがいるほどだ。
順風満帆のように思えるさやかの人生だが、実は誰にも言えぬ大きな悩みがひとつあった。
セックス依存症…アルコールや薬物依存症と同じで、心の空虚感を埋めるため為に性衝動を自分でコントロールできなくなっている状態。
まず、オナニーの回数が増えた。それから妄想癖が強くなり、さらにはゆきずりのセックスさえ行うようになった。けっしてそんなことの出来る女ではなかった。原因はわからないが、無性に性衝動に駆られてしまう。さやかは、まさにセックス依存症に陥っていたのだ。
すでに日課となっている寝起きのオナニーを終え、美脚を開いたまま余韻に浸るさやか。しばらくすると、深い溜息が口をついた。
オナニー後、必ずといっていいほど訪れる嫌悪感。そのたびに自分を軽蔑して止まない。しかし、どうしても欲情を抑制できないのだ。
「はあ……気分転換に散歩でもしてこようかな」
さやかは、気だるそうにベッドから這い上がると、軽くシャワーを浴びてから化粧をし、外着に着替えた。
ひとりで過ごす休日は、実に一年ぶりだった。
彼氏は一昨日から出張で海外に飛んでおり、帰りは二週間後だと言っていた。
とてもじゃないが、二週間も空けられたら自分が何をしてしまうのか不安でしょうがない。実際、気分転換と称して外へは出かけたものの、さやかの視線は常に街行く男性のほうにばかり向いている。頭の中では、すでに淫らな妄想が渦巻いていた。
(あっ……あの人のお尻……キュッと引き締まって逞しいわ……ああ、おもいっきり舐めてあげたい……)
ファーストフード店に入り、窓側の席でアイスコーヒーを飲みながらジッと通り行く男性を観察するさやか。ウォッシュスカートの中では、太ももの付け根あたりが熱く疼きだしていた。ムズムズと焦れるような痺れに、ときおり組んだ脚を交互に入れ替えてみる。だが、妄想が淫靡さを増すにつれ、秘芯から繰り出されてくる痒悦感が腰一体へと蔓延していく。
(ああっ……たまんない……触りたい……あ、あそこをメチャメチャに弄りまわしたい……)
さやかの指は、いつしかスカートの縦に入ったボタンを掴んでいた。
ひとつ、ふたつ、みっつ目を外したところで指が止まった。
「すみません、隣いいですか?」
「は、はい。どうぞ」
さやかは酷く緊張した面持ちで返事をした。
動きを止めていた指が、今度は慎重にボタンをかけ直していく。心臓がドキドキと高鳴った。
少し冷静になろうと、椅子に深く背をもたれながらアイスコーヒーを口に運ぶ。手が震え、あわててもう一方の手をカップに添えた。
さやかは、前かがみでガツガツとハンバーガーに貪りついている男をチラリと横目で見てみた。
坊主頭に黒縁のダサいメガネ。腫れぼったい眼に大きな鼻と口。身体は華奢に見えるが、半そでから覗いている腕はわりと筋肉質だ。
(この人……オタクなのかしら?)
オタクという言葉は知っていても、実際には見たことがないので、どんな格好の人をオタクというのかいまいち分からない。しかし、見た感じどうもオタクっぽい気がする。さやかは、できるだけ背を反り、男の斜め後ろからじっくりと観察してみた。
顔はお世辞にもハンサムとはいえず、面長にあるパーツがどれをとっても大きい。いかにも、もてない男!って感じだ。身長はおそらく自分と同じくらいで、身体つきは筋肉質の痩せ型ってところだろうか。服装はといえば、ブルーのストライプが入った半そでシャツをきっちりとチノパンの中へ入れており、なんともセンスがない感じだ。まるでタイプではない。到底セックスの対象になどなりえぬはずの男だった。
(わたし……末期症状だわ……)
そう思うのも無理はない。こんな男相手に秘芯が疼いているのだから……。
さやかの胸奥に赤色の霧が立ち込めていく。
妄想が膨らみすぎ、淫情がコントロール不可能になったときの症状だ。
さやかは、小さく咽を鳴らした。
乾いていく咽にアイスコーヒーを流し込み、声をかけようと上体を前へ倒して男のほうを見る。そんなさやかの態度に気付くこともなく、男はサッと席をたって歩き出してしまった。
さやかもあわてて席を立った。理不尽だが、微かに屈辱感が湧いていた。
そそくさと、足早にどこかへ向かっていく男。さやかもそのスピードに合わせて歩いた。
どうしてこんな男に執着しているのか、自分でも理解できぬまま男の後をつける。ノーマルなものでは物足りず、ついにアブノーマルの世界へ飛び込もうとしているのか……そんな思いさえ脳裏に浮かんだ。
男は映画館の前で足を止めた。
メガネの位置を調整しながらジッと案内板を見つめ、スッと中へ入っていく。さやかもすかさず後に続いた。
暗い館内のなか、男がキョロキョロとあたりを見回す。アニメ映画だけに、最前列には親子の姿が目立っている。男は、ガランとしている最後列の端のほうに腰をおろした。
さやかの鼓動が激しさを増した。
一体何をしようとしているのか、自分でも分からなかった。だが、淫猥な思考にまみれた脳が、躊躇なく不審な行動をとらせていく。暗い館内をゆっくりと歩き、男の傍までくると、さやかは小さく声をかけた。
「あの……すみません。隣に座ってもいいですか?」
「んっ?……えっ!?」
男が驚いたように声を上げ、背伸びしながら周りの空席を見やる。
「えっと……と、隣ですか?」
「ええ」
淑女の精悍な目差しに少しビクつきながら、男は理解出来ぬまま席を一つずらして座り直した。
なんとも不思議な光景だった。
広い館内の、ガランとした後列に見知らぬ男女が揃って座っている。どう見てもカップルには見えない、不釣合いの男と女。楽しみにしていた映画がはじまっても、男は落ち着かないようにそわそわしている。女はというと、静かだが、どこか緊張しているようにも見えた。
抑えきれない女(2)
作:慶輔
2
「面白いですね、この映画」
顔を寄せ、唐突に女が囁く。
「え、ええ、そ、そうですね。へへ、えへへ、このアニメ、だ、大好きなんですよ」
男は、真っ直ぐにスクリーンを見つめたまま言葉を返した。
「…………」
さやかの眉間に数本の皺がつくられていく。
(どうして……どうして、こんな男に欲情しているんだろ、わたし)
かたく瞳を閉じ、顔を伏せながら、懸命に理性を呼び戻そうと試みる。だが、心が無になったのは一瞬だけで、すぐに淫らな情欲が心を支配した。
「ひえっ!?」
突然、男が奇声を発しながら肩を弾ませた。
半袖のブラウスから華麗に伸びていた腕がいつのまにか男の腕に触れ、その滑らかな手がしっかりと手を握り締めてきたのだ。男の顔は、まるで幽霊でも見たかのように大きく崩れて強張った。
さやかが薄っすらと眼を開け、握り締めた男の手を自分のほうに引きながら背を倒していく。その手を太ももの上に置き、もう片方の手も添えながら両手で優しく握り締める。男の動揺ぶりは、荒い息遣いと身体の震えで瞭然だった。
(ああ……私のこと、頭のおかしな女だと思っているでしょうね……きっと)
そう思いつつも、歪んだ性欲がさらに大胆な行為を誘発させていく。さやかの思考は完全に制御不可能となり、あとは、ムラムラとした燃え疼く感情のまま痴女と化していった。
「あ、あの!」
柔らかな女の肌に、男が戸惑いながら声を出した。
「静かに……」
さやかが、あやすように小声で言う。
男は言葉を失い、ギュウッと口を摘むいで鼻から大きく息を吐いた。
誰もいない最後列の端で、誰もが羨むような美女に突然手を握られながら愉快なアニメ映画を前にする男―--
男は性交の未体験者だった。
中学の体育祭以来、女性とは手すら繋いだことがなかった。
激しい鼻息がさやかの鼓膜に張り付いてくる。次第にそれは口からも漏れ出し、呼吸困難にでも陥ったか、そう思わずにはいられぬほど激しさを増していく。しかし、そんな男の興奮がさらにさやかの淫情を昂ぶらせていくのだ。
さやかは、男の指に自身の指を悩ましく絡めた。そして、大胆にも握り締めた手をスーッと胸元まで引っ張り上げ、ブラウスの薄生地を豊かに盛り上げている膨らみにグッと押し付けた。
「ふぁ!」
未知の感触に、男の声が震えた。
さやかが、胸に押し付けた手の甲をグリグリと強く乳房に擦り付ける。さやかの呼吸も荒くなっていた。微かに開いた唇から、色っぽい吐息が切なげに漏れてくる。さやかは、男の左手を胸に当てながら、身体を寄せてもう片方の腕も掴みとった。
「あっ……な、な、なにを?」
必然的に男の上体がよじれ、さやかのほうにのめる。淫靡な恐怖にかられてはいるが、抗う気持ちはまるでないようだ。さやかは、その右手を引っ張りながら自分の膝の上に乗せた。
スカートの裾を少しだけ捲くり、剥き出しの太ももに男の手のひらをピタッと張り付かせる。男の手は、気持ち悪いほどに脂汗を滲ませていた。それでもかまわずに、ズリ、ズリ、と張り付いた手を股間のほうへずらし上げていく。透けるように白い肌は、正直に鳥肌をたてていた。
(ああ、わたし……汚い……厭らしい……変態……淫乱……)
心の中で自分を罵りながらも、汚れていく肉体に秘芯が熱く疼いて止まない。さやかは、男の体勢に無理が生じると、自ら身体を横にして腰を前へ突き出した。
濃い毛を生やした手の甲が、ゆったりとしたスピードでスカートの中へ消えていく。優美な太ももに立ち込めている鳥肌は、全身にまで広がっていった。
スッと脚を開き、スカートの中にある手をさらに上へと這わせていく。指先が無造作に股間の膨らみに触れた。
「あんっ……」
軽く触れただけだというのに、秘所から繰り出されてきた快楽の電流はとてつもなく激烈なものだった。
さやかが白い咽をのけぞらせ、細い顎をめいっぱい突き上げる。
男の手首を掴んでいるさやかの手が、さらなる刺激を求めて蠢いた。
股間の真ん中に男の手を誘導し、それをゆっくりと上下に動かしてみせる。男の指がピクピクと痙攣した。それから間もなくして、その指は自らの意思で動き出してきた。
「んっ……んふっ」
女の性器をどう扱っていいのか分からず、男はただ感情任せにそこを揉んだ。はじめて体感する女性の感触に、理性など簡単に吹っ飛んでいた。
体を女のほうに向け、乳房に押し当てられている手も自らの意思でグリグリと擦りたて、女性器の膨らみを知った手はせわしく下手なマッサージを繰り返していく。男は、このとき初めて女の顔をマジマジと見た。
「う、美しい……」
おもわず呟き、ダラーッと顔面筋を弛緩させていく。膨らみを揉む手にも力が入り、そこから伝わってくる感覚に男は狂気した。
男が大きな頭をずいぶんと近くまで寄せ、フゥ、フゥ、と荒い息をさやかに振り撒く。がさつで幼稚な愛撫だが、さやかの肉体はひどく悶えた。
(あ、ああ……か、感じる……ひ、ひどく感じるわ……)
一揉みごとに快美な電流が脳にまで突き抜け、美脚が自然と開いていく。パンティはすでにビショビショだった。それは、確実に男の手も分かっているはずだった。
「あ、あなたの身体、ずいぶんいい匂いがしますね……」
男がユラユラと胸元へ顔を寄せてくる。
「だ、駄目よ」
さやかは左手でそっと男の顔を制止した。
「わ、わたし、女性との経験ってまったくないもんですから……ど、どうしたらいいんでしょう?」
「んっ……ちょっと待って……」
さやかの手が、ブラウスの上からブラホックをはずす。窮屈なブラカップから開放された乳房が、胸元を少し膨らませながら悩ましく揺れた。いつしか互いの身体は向き合った格好となっており、男はあいかわらずパンティ越しに秘所をモミモミしている。さやかは、男の空いているほうの手を掴むと、それを下からブラウスの中にいれて直に豊乳へと触れさせた。
「いいわよ。あなたの好きなように弄って」
汗ばんだ男の手のひらが、ピタッと乳房の丸みを掴み取る。柔らかで心地よい弾力は、強力な麻薬となって男の神経を蝕んだ。
抑えきれない女(3)
作:慶輔
3
「あっ……い、いい……」
男が狂ったようにさやかの乳房を揉みたくった。
スカートの中では知らぬ間にパンティがずらされ、ごつごつした数本の指が陰唇の形状を調べるかのように蠢いている。そのうち一本の指が秘裂を割って中へ入った。おびただしい量の愛液が溢れ、侵入しようとする指をスムーズに向かい入れる。指の腹で、魅惑の膣内を触感しながらヌーッと根元まで挿入していく。その温かな場所は、まるで何か別の生き物のようにキュ、キュ、と激しく収縮運動を繰り返してきた。
男はもう夢中になっていた。
映画もそっちのけでさやかの肉体を弄りまわす。
さやかも、狂気した男の手に身体の芯から悶え震えた。
「ねえ……アソコを……もっと激しく弄りまわして頂戴」
「あああ……は、はい」
男が、指のピストンにスピードを加えていく。
どこをどうすれば女が感じるのか、そんなことは全く知らない。ただひたすら、感情のままに挿入した二本の指でゴシゴシと膣壁を擦りあげる。生乳を掴みとっている手も、力の加減とか乳首への特殊な愛撫なんてものはなく、自分の興奮を全てそこにぶつけるかのように荒々しく揉み潰していた。
「ああ……わたし……へ、変態だわ……」
呟きながら、激しく燃え上がった肉体をブルブルと震わせるさやか。頭の中を淫欲に支配され、意識がスーッと遠のいていく。目の前に広がる親子の微笑ましい光景も、ぼんやりと少しずつ視界から消え失せた。
「うううぅぅぅ……」
男が唸り、怯えたように腰を引く。さやかの手が、男の股間へと伸びていた。
「ああ……逃げないで、お願い。あなたも気持ちよくしてあげるから」
さやかの言葉に、男が恐る恐る腰を突き出す。透明感のある優美な腕が、しなやかに伸びてきた。
「ひゃうっ!」
さやかの手が、大きくテントを張った男の股間を優しく揉みあげる。男は奇声をあげて悶えた。ムズ痒い所を絶妙に刺激され、唇を痙攣させながら腰をもっと前へ突き出していく。自分では頻繁に弄っているペニスだが、そこを他人に触れられたことは一度もない。激烈な痺悦感は、瞬く間に腰全体へと広がっていった。
(ああ、駄目……どうしよう……舐めたい……おちんちんを……おちんちんを舐めたい……ヌルヌルに濡れたおちんちんを、口いっぱいに頬張りたい……)
さやかの淫情が、手から伝わってくる男の逞しい脈動に激しく誘惑されていく。いくら周りに人気がないとはいえ、このような場所で男の男根をズボンから引っ張り出してしゃぶるなど、さすがに躊躇わずにはいられない。さやかは、いきり立った肉柱を優しく手のひらで撫でながら、そっと男に呟いた。
「ねえ、ちょっと出ましょう」
「えっ!? ど、どこへ……」
「いいから……私についてきて」
強引に男の手を引き、館内を出て通路にあるトイレへと向かう。さやかは、利用頻度の高そうな女子トイレを避け、男子トイレのほうを選んだ。
男を先に入れ、誰もいないことを確認してから、さやか自身もすばやく中へ入る。オロオロする男を障害者用トイレへ押し込み、すぐに内鍵を閉めた。
まだ真新しい映画館のトイレはずいぶんと綺麗で広く、特に障害者用のトイレ内は広かった。三畳分くらいはありそうだ。
「あ、あの……」
「シッ! 黙って」
男の口を手でおさえ、けっして声を出さぬよう釘をさす。美しい瞳に厳しく睨まれ、男は無言で何度も頷いた。
さやかは、男を壁に押し付けてからスッとその場にしゃがみ込んだ。目の前にある男の股間は、あいかわず大きなテントを張っていた。
両手を男の太ももに押し当て、そこからゆっくりと上へ這わせていき、虚ろな眼でテントを揉み潰していく。男の荒い呼吸に自身も興奮しながら、カチャカチャとベルトをはずしてジッパーをおろす。ズボンは勢いよく足下へ落ちた。
トイレ内で美女にズボンを剥ぎ取られ、男がさらに鼻息を荒くする。さやかが、トランクスの裾からスーッと両手を差し込んできた。
「はうっ!」
男が思わず小さな声をあげた。白魚のような指が、鋭敏になっているペニスに悩ましく絡んできたのだ。直に触れられ、堪えきれる訳がなかった。
下からさやかに睨まれ、男があわてて自分の手で口をふさぐ。だが、肉幹に絡み付いてきた指がゆっくりと上下に動き出すと、どんなに強く手で押さえようとも、口からはくぐもった呻きが漏れてしまうのだった。
さやかは、差し込んだ片方の手で男の尻を揉み、もう片方の手で男根を扱いた。
ギュウッと手のひらで男根を包み込み、クチャクチャと厭らしい音をたてながらリズミカルに扱きたくる。毛に覆われた尻の割れ目にも指を食い込ませてやった。
男が下唇を噛みしめ、必死の形相で天井を睨みつける。
絶頂は近かった。
それを悟ったのか、さやかがズルッと染みだらけのトランクスを足元まで引き下げた。
「ああ……」
曝け出されたペニスに、さやかの眼がいっそう虚ろになっていく。
ペニスの大きさなんてどうでもよかった。とにかくペニスといえるものがあれば、それでよかった。しかし、ズボンの上から男のものに触れた瞬間、意外な手触りに期待感が込み上げていた。それは、直に触れてみて確信となった。
それをいま目の当たりにし、想像以上の凛々しさと凶暴さに秘芯がズキズキと燃え疼いていく。鋼の鎧をまとった男根は、猛々しく天を向きながら僅かに反り返り、我慢汁でネトネトになった表面は不気味に黒光りしている。長さもあるが、さやかがもっとも眼を見開いたのは異様に大きい幹まわりだった。
さやかは、躊躇なく上に反り返っている男根の根を掴み、それグッと押し下げて垂直にした。
「ああ……臭い……臭いわ……」
顔を寄せていくと、そこからは鼻を塞ぎたくなるような悪臭が漂っている。それは、単に濃厚なアンモニア臭というのではなかった。潔癖症だけに、それを口にするなど考えられない事だったが、この男に興味を持った段階ですでに感覚は狂っている。さやかは、妖しい光沢を帯びたヌメり棒にチュ、チュ、と何度もキスをし、小鼻で深く異臭を吸い込んでから唇を被せていった。
「あわわっ……あうううぅぅ」
驚愕の感触に、男がたまらず呻き声をあげる。ペニスの幹が、見る見るうちに女のふくよかな唇に飲み込まれていく。女の柔らかな粘膜は、男の腰を瞬時に麻痺させた。
「んっ……んふっ」
肉幹の半分あたりまで飲み込んだところで、さやかの頭がゆっくりと後ろへ引いていく。被せた唇の柔肉でしっかりとペニスの表面を擦り、口の中ではねっとりと舌をあてがってやる。亀頭の先端から滲み出てくる我慢汁が口腔内にたまると、さやかはそれを嚥下しながらペニスを扱きたてた。
ジュポ、ジュポ、チュバ、ジュポ、―――
抑えきれない女(4)
作:慶輔
4
小気味よく揺れるさやかの頭に合わせ、男がクイクイと腰を前後運動させる。
「あ、ああ、あ、あうううう!」
男は、唸りながら前兆なしにドバドバッと大量の汚濁液を噴射してきた。
「んっ、んんっ」
突如おびただしい量の精子を口の中へ吐き出され、さやかが眉間に深い皺を刻む。
貴族的な鼻が小さく開き、そこから苦しそうな吐息が漏れた。
「んふ、んふぅ……」
さやかは、男のペニスをゆっくりと口から吐き出し、こぼれそうになる汚濁液に自身の唾液をまぶしながらグッと咽へ流し込んだ。
「ずいぶん貯めてたのね……」
顔を上げ、虚ろな瞳でさやかが言う。その妖艶な美貌に、男は顔を引き攣らせながら笑った。
「さあ、今度は私の番よ……」
そう囁き、さやかがスッと起き上がる。そして、スカートの中からパンティーを脱ぎ取りながら男をその場に座らせた。
男がギラギラとした眼でさやかの動向を見守る。
「お願い……ここを激しく舐めて頂戴」
さやかは男に背を向け、スカートを捲くって豊満なヒップを突き出した。
美脚を大きく開き、濡れそぼった秘部を自身の指で開いて見せながら男の顔に寄せていく。男は、目の前に突き出されたヒップを両手でガバッと掴んだ。尻肉に指をきつく食い込ませ、剥き出しのアナルに鼻をこすりつける。クンクンと鼻を鳴らしてそこを匂い、グリグリと強く鼻っ柱を押し付けた。
「フウー、フウー、女の……女のアソコ……これが女のアソコ……」
とち狂ったように呟き、男がヌッと舌を伸ばす。長い舌が、後ろから火照り疼く陰唇をペロペロと撫でまわした。
「あん、んああぁぁ……」
さやかは、唇をわなつかせながら甘い吐息を吐いてすすり鳴いた。
ベチャベチャと、腹をすかせた野良犬のように舐めしゃぶっている男の舌が、徐々に割れ目の奥へと食い込んでくる。男は夢中で舐めていた。画像でしか見たことのなかった魅惑の場所を実際に見て、触れて、そして舌で味わって、精神がよく崩壊しないものだと自分で感心するほどだった。さやかもまた、この異種的な情事に燃えていた。愛撫とは言えない一方的なものでも、男がもたらす汚辱感が異常に身体の神経を昂ぶらせる。男の舌が陰唇に触れたときは、脊髄から駆け上がってくる痺悦の電流が尋常じゃなかった。その衝撃に、自分にはマゾの気があるのだと認めないわけにはいかなかった。
「ああっ、いい……いいわ……どうして……どうしてこんなに気持ちいいの……」
さやかがさらに腰を突き出し、卑猥にヒップを揺らしながらグリグリと男の顔に秘部を擦りつける。男の分厚い唇は、もう大陰唇のなかに深く減り込んでいた。
「ああ、もう駄目、たまんない」
官能の焔に包まれた肉体が、男の男根を激しく欲している。さやかは、しゃがんでいる男を無理やり起き上がらせ、再び鎌首を持ち上げようとしているペニスをパクッと咥え込んだ。
肉幹にたっぷりと唾液をまぶし、ぽってりとした唇をすぼめてキュ、キュ、と強く扱きあげていく。男のものはあっという間に元の猛々しさを取り戻した。
「すごい……あなたのって、本当にたくましいわ……。お願い、コレでわたしのアソコを思いっきり掻き回して頂戴」
潤んだ瞳で言い、さやかがスッと立ち上がって後ろを向く。
恥らう素振りをほんの僅かだけ見せながら、スカートの裾を腰まで捲くり上げて形のよいヒップを惜しげなく曝け出す。片手を壁につき、両脚を大きく開きながら双臀をプリッと丸く突き出してやる。男の眼には、ぱっくりと口を開いた濃赤の秘肉がハッキリと映っていた。しかし、さやかの右手がそれをさらに開いてみせ、未体験の男に淫猥な秘洞の入口をもっと明確にしてやった。
「こ、こ、このまま入れても?」
「いいわ。そのまま入れて。でも、出そうになったらすぐに抜くのよ」
男は、足元に落ちているズボンとトランクスをサッと抜き取り、顔を引き攣らせながらフラフラとさやかの背後に近づいた。
左手を豊満なヒップに乗せ、右手で怒張したペニスを握りしめる。切っ先を垂直にし、ヒクヒクしている秘穴に狙いをつけていく。男の心臓は、もう破裂せんばかりに荒ぶっていた。
「ハア、ハア、うっ」
「んあっ……」
秘穴にあてがわれた亀頭の先端が、鮮やかなサーモンピンクの花びらを押し分けながらヌルリと減り込んでいく。男の唇が小刻みに痙攣した。まだ先端部分しか入れていないというのに、そこには驚愕の悦楽があった。
「ううううぅぅぅ……」
下半身から身体全体へ駆け巡っていく峻烈な愉悦に合わせ、男の声が震えていく。男根をさらに押し進めていくと、豊潤な膣肉がピクピクと蠢きたって快美な収縮運動をはじめてきた。男は歯をギリギリと噛みしめながら巨棒の根元までをズッポリと淫穴に埋め込んだ。
「んはああぁぁぁ……」
さやかは、グーッと背を反りながらヒップを突き上げて喘ぎ声をあげた。
咽元で押し殺そうとしても、腹の底から愉悦とともに震え上がってくる声は止めようがなかった。
男のものは、想像通りきつくさやかの膣内を圧迫してきた。
じゅうぶんに濡れそぼった淫洞だからこそスムーズに挿入できたが、そうでなければ相当な痛みを感じていたかもしれない。だが、いまのさやかなら多少の痛み、被虐さえも愉悦に変えていただろう。それほど、いま自分が自分でない感覚にとらわれていた。
「んっ……んくっ……」
男が少し動くたびに、猛烈な愉悦が膣内に広がってくる。たくましい男根の幹がピクピクと痙攣し、それがピチッと絡みついた膣壁を悩ましく刺激しているのだ。男が遠慮がちに腰を動かしはじめると、もう疼きたった秘芯は一気に官能の焔で燃え上がっていった。
「ああ、いい、すごくいい……たまんない……もっと、もっと強く突いて」
発情したメス犬のように悩ましく腰をクネらせるさやかに、男は両手でムンズとヒップを掴むと、本格的にピストン運動を開始した。
ヌチャ、ズチャ、ヌチャ、クチャ、―――
男が、ギラついた眼を結合部分と小さな縦裂のアヌスに向ける。そこはあまりにも卑猥で、男の精神を粉々に崩壊させるだけのものがあった。特に、淫蜜にヌラついた黒いペニスが清楚で窮屈な秘洞に出たり入ったりしている様は圧巻だった。
「あ、ああぁぁ……当たってる……奥にまで当たってくる……」
子宮に突き当たってくる肉棒の切っ先に、さやかが円やかな尻朶をいっぱいに持ち上げて呟く。壁に向けられている美貌では、手入れの行き届いた眉が悲痛に歪み、虚ろな瞳は完全に閉じられていた。
不謹慎な場所での獣のようなセックス……いや、交尾といったほうが似合っているかもしれない。このシチュエーションも、さやかの情欲に拍車をかけた。
「ウッ、ウッ、ウッ、」
男が、獣の唸り声を上げながらぎこちなくピストン運動を繰り返す。動きはゆったりしているが、一突きごとの力強さはある。この男のペニスに、スピード感は必要なかった。
引かれていくペニスの先端が、次にズリュッと押し入ってくる時の摩擦感が最高にたまらない。きつく擦られる膣壁からは、淫靡な電流が津波となって肉体を打ち震えさせた。
抑えきれない女(5)
作:慶輔
5
挿入してから三分くらいで、男の唸り声にわずかな変化が生じはじめていた。
突き動かしている腰も、先ほどよりスピードを増している。つい今しがた射精したばかりだというのに、もう絶頂が近いのだろう。噛み締めていた歯も、徐々に大きく開いていく。
「あああっ……いい……すごい……あ、ああっ」
男の変化に、さやかは全く気付かなかった。
それどころか、徐々に小気味よいリズムを刻みだした男のピストンに、髪を振り乱して悶えている。
「ウッ、ウッ、ウグッ!」
ペニスをズンッと根元まで突き込んだ男の腰が、一瞬、ブルブルッと激しく震えた。
男の痙攣が、さやかのヒップに振動となって伝わっていく。さやかの、閉じられていた眼がパッと開いた。
(えっ? ま、まさか……中に出しちゃった!?)
不安を感じ、すぐに後方を伺おうとしたが、再び開始された男のピストンにそれはままならなかった。
男の痙攣を感じたとき、秘芯がカーッと燃えるような感覚に見舞われた。だが、すぐにカチカチの肉棒が動きはじめたので、射精とは違ったのだろうと安易な解釈を思考がしてしまったのだ。
「あっ、あん!」
先ほどとは打って変わり、男の腰が大胆な動きで前後運動を行っていく。結合した部分からは、膣内から溢れ出てくる分泌物以外のものも垂れている。ぬかるみに嵌ったような淫靡音も、さらに湿気を帯びた音に変わっていた。
男は確かに射精していたのだった。にもかかわらず、ペニスの強度に変化はなかった。
荒い息を断続的に鼻から吐き出しながら、スピードをつけたダイナミックな腰つきでさやかのヒップに剛棒を打ち込んでいく。大きな幹に圧迫された秘穴……小さな摩擦だけでも存分に膣内の性感を揉みぬいてくるのに、それにスピードが加わり、さやかはもう立っているのがやっとという感じで美脚を震えさせた。
見かけと違い、男はタフだった。
短時間のあいだに二度の射精を行っているにもかかわらず、ギンギンに勃起したペニスに衰えというものがいっさい見られない。しかも、今度は射精までに余裕さえある。男はじっくりと女の性器を味わうが如き動いた。
「ああ……あっ、あうっ……ダ、ダメ……こ、これ以上されたら壊れちゃう……」
小さなオルガスムスは何度もさやかの肉体を通り過ぎていた。
しかし、それは通り過ぎたのではなく、何度も何度もさやかの身体を巡回していたのだ。
ヒップから激しく犯され続けるうち、それらが集合体となって大きな愉悦のうねりを生み出そうとしている。それをさやかはなんとなく感じていた。
「イヤッ、なにか……なにか来る……んくっ……んふうううう」
弱々しい声でさやかが呟く。
男のピストンはさらに加速し、ぶつかりあう互いの腰の音がけたたましさを増してきた。
「ウッ、ウッ、ウッ」
「あっ、あん! ん、んふっ、んあっ!」
秘芯の奥でジワジワと膨らみはじめていた愉悦のかたまりが、もうそこには留まりきれないといった感覚をさやかに知らせる。
「ダメ、ダメッ、いく、いっちゃう! うっ、んはあああぁぁぁ!!」
激烈な愉悦が、バーッと怒涛のうねりで身体全体へと弾けとんでいく。同時に、膣壁が激しく収縮し、これには男も三度目の射精を余儀なくされた。
これまでに感じたことのない巨大なオルガスムスに飲み込まれ、さらにそこへ男の熱いマグマが子宮を直撃し、さやかは我を忘れて震え鳴いた。
シャアアアアア―――
まだ男と繋がったまま、さやかの尿道からおびただしい量のオシッコが弾け出ていく。男が唖然とするなか、さやかは淫夢に泥酔した顔でその場に崩れ落ちた。
翌日、さやかは風邪を理由に会社を休んだ。
昼過ぎ、フラリと家を出て昨日の映画館へと足を運ぶ。
薄暗い館内、さやかは迷わず後列の端に座った。
上映されているのは、昨日と同じ子供向けのアニメ映画だ。しばらくして、一人の男性がスッとさやかの隣に座った。昨日の男だった。
「言われたものを購入してきましたよ」
ボソッと囁き、カバンの中から小型のバイブを取り出してみせる。
「アソコに入れて……」
さやかが正面を向いたまま呟く。
男も正面を向いたまま、手だけをさやかのスカートに忍ばせて秘部を弄りはじめた。
さやかの艶めいた瞳が悩ましく垂れ、半開きの唇からは濃厚な溜息が漏れていった。
抑えきれない女・・・END
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