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ダブル ホールズ1-1
第1章 1.災い
(・・・ああ、まただ。うざいのよね。全く・・・・)
学校から駅までは徒歩で10分間。まだ、半分しか歩いてないのに3回目のコールだ。
10回・・・・15回・・・・20回
(いいかげんにしなさいよ。携帯なんだから、出られるならすぐ出るわよ。ばか)
美希は、出る気はない。
相手は、藤田正彰。美希と同じ高校で、美希は2年。正彰は3年生だ。
ようやく鳴り止んだ。
それも束の間、また、鳴り出した。
今度は、知らない番号だ。
(・・・番号が違う・・・どうしようか)
番号が違うからといって、正彰でない保証はない。
誰か、友達の携帯でかけてきているのかもしれない。
5回でやんだ。
(あれ?早っ、・・・違ってたかも・・・・)
美希が駅に着くと、また携帯がなった。
さっきの番号だ。
(出てみようか・・・・)
「はい・・・田沢です」
相手は竹下と名乗った。
知らない名前だ。
「ちょっと、あんたどういうつもり?」
「はぁ?」
(何なのよ・・・・いきなり)
「あんた、正彰と付き合ってるんだって?」
「はぁ?・・・だれですか?」
「あのさ、正彰は、わたしの元カレなのよ」
一方的にしゃべる。
「はぁ」
「はぁ、じゃないわよ。あんた付き合ってんでしょ?」
「いえ・・・つきあってません」
「うそ・・・」
「うそじゃないです。本人に訊いてください」
「本人から聞いたんだけど・・・・」
(おい。・・・・・冗談じゃないわ。全く・・・・)
先週のことだ。
美希は、あまりに暇だったので、出会い系で適当に物色してメールで暇をつぶしていた。
ときどき暇つぶしに使うのだが、会ったことは一度もない。
ところが、その日、どこにいるの?と聞かれて、正直に駅名を答えると、たまたま偶然、その相手が同じ場所にいたのだ。
それも、すぐ近く。
慌てて周りを見回すと、自分を見ている男がいた。
会うも会わないもない。すでに会っている。
ただ、その日は、どうということもない。
彼は、友人といっしょで、3人でカラオケに行っただけだ。問題はそこからだ。
まぁ、いいかと軽い気持ちで携帯の番号を教えたら・・・
なんと、次の日、学校でその男に会ったのだ。
美希の学校はマンモス高校で、同じ学年でも知らない人は多い。まして学年が違えば、全くわからない。彼は、藤井正彰。美希と同じ学校の3年生だった。
その日の午後、突然、正彰からメールが来て、いきなり、付き合ってくれという。
彼女と別れたらしいのだが、そんなことは美希には関係ない。
ただ正彰のあまりのしつこさに負けた。
(とりあえず、一回、会って、断ろう)
待ち合わせの場所に美希が行くと、もう彼はいて、他の女の子と話をしていた。
その彼女は、ちらっと美希のほうを見ると、すぐにいなくなった。
美希が、今のは誰?と訊くと、別れた彼女だという。
たぶん、それがこの電話の相手だ。
「いや、彼がなんていったか知らないですけど・・・彼が言ってるだけで、わたしは知らないですから・・・」
「何よ、彼、彼って、なれなれしい。ばかにしてんの・・・」
「そんな・・・・」
電話の向こうにも人がいるようだ。
彼女に何か言ってる。
「あのさ、電話じゃなんだから・・・会って話そうよ」
「そんな・・・わたし関係ないですけど・・・・・」
「関係あるかないかは、こっちで決めるから・・・。とにかく来なさいよ」
「ええ・・・・でも・・・・・」
「駅にいるんだろ。見えてるよ」
(えっ・・・・)
美希は、あわてて周りを見回した。
30メートルくらい先に美希と同じ制服を着た3人組みがいる。
(まずい・・・・・)
「今、行くから、そこにいな・・・」
電話は切られた。
(どうしよう・・・・・どうしよう・・・・・)
おっそろしく短いスカートの3人組みが、美希の方に向って歩いてきた。
ダブル ホールズ1-2
2.3人組
ViViのLOVEラブひみつ日記
何もなす術もなく、美希は3人に囲まれた。
真ん中が、たぶん、電話の相手だ。見覚えがある。
やせた貧相な体つきだ。
「ちょっと・・・いっしょに来て」
やせた彼女が、美希の腕をつかんで引っ張った。反対側の腕ももうひとりにつかまれた。
行くしかない。
「あんた、2年だろ。クラスは?」
歩きながら、訊かれた。
「3組ですけど・・・・」
「2年生のくせに、どうやって正彰と知りあったん?」
「いや・・・それは・・・・」
相手がどういう人達なのかわからないので、うかつなことは答えられない。
「メールしたんだろ。男探して・・・・」
美希の腕をつかんだもうひとりが口を挟んだ。
分厚い唇をしている。
(やっぱり、知ってるじゃないか・・・・)
「いや・・・探してたんじゃなくて・・・・まぁ、ちょっと遊びで・・・・」
「出会い系で、男あさって遊んでるんだ」
分厚い唇の女が言った。
「違います。そういう遊びじゃなくて・・・・」
「だって、実際にあったんだろ。どこの誰だかわからない男に・・・・」
今度は、後ろから声がした。
もうひとり、ぽっちゃり系の丸顔の女が割り込んだ。
(何よ。みんなばらしてんじゃない。最低なやつ)
「それは・・・たまたま、同じ場所にいてメールしてたから・・・・」
「うそだね、そんな偶然、あるわけないでしょ」
「いや、本当です。本当に10mくらいしか離れてなかったんです」
「でも、あんたが場所を言わなきゃ、気づかなかったわけだろ」
「ええ、まぁ・・・・それは・・・・」
(まずい・・・・・)
向っている先は、駅の裏手、駐輪場に違いない。
空いたスペースに無理やり作った駐輪場は、いびつな形をしており、奥まった一角は、入り口からは死角になっている。美希は何度かそこで、学校の制服を着たまま男達がたむろして煙草を吸っているのを見たことがあった。
(どうしよう・・・・)
美希の予想は当たった。腕を取られ、駐輪場の奥に追いやられた。逃げようにも、3方壁だ。
とたんに恐怖がわきあがってきた。
いきなり突き飛ばされて、美希は、壁にぶつかった。
「わたしは、あんたに恥をかかされたの・・・・わかる?」
貧相な女にあごをつかまれた。
「あやまってもらおうか」
「そんなぁ・・・・わたしは何も・・・・」
びしっ
美希は、いきなり、左の頬をはられた。
「ぐたぐた言ってんじゃないよ。ほんとに腹の立つ・・・・里美押さえて」
太った女が、美希の肩を壁に押し付けた。
「優美にあやまんな」
唇の厚い女は、そう言うと、今度は美希のお腹を殴った。
「ごめんなさい・・」
美希は、うつむいたまま、小さな声で謝った。
「それであやまったつもり・・・?」
「あっ・・・・」
優美にお腹を蹴られた。
かなり応えたようで、美希は、お腹を抱えてうずくまった。
「土下座しな・・・」
美希は、コンクリートの上に膝をついて座り、頭を下げた。
「ごめんなさい・・・」
涙声だ。
・・・はっきり聞き取れない・
「何、泣いてんだよ。聞こえないよ・・・・」
頭を上から押さえつけられる。
「どうした・・・ほれ、もう一回あやまんな」
「ごめんなさい・・・・もう・・・・許して・・・・」
「もう?・・・・もう、だって・・・・何様だよ、あんた」
優美に肩を蹴られて、美希は横に転がった。
「脱がそうよ」
太った里美が倒れた美希のネクタイをひっぱる。
「いや。それは・・・やめて・・・・お願い・・・いや」
「わめくんじゃないよ。麻子脱がしちゃえ」
里美は、分厚い唇の麻子に呼びかけた。
「そうね・・・・でも、ここじゃまずいわ。パンツだけ脱がそうか」
「いいよ」
優美が、二人に間に入って、美希を立たせた。
「脱がさなくっても自分で脱ぐよ。・・・ねぇ、美希」
すぐに両脇に里美と麻子が寄ってきた。
逃げ場はなかった。
ダブル ホールズ1-3
3.友達
ちび妻りんのナイショノヒビノコト
(うそ?・・・・そんな・・・まさか・・・)
絶望的なことばだった。
美希は、うつむいたまま、どうしていいかわからず固まっている。
「ほら、早く脱ぎな」
里美に頭を小突かれた。
右に振れた美希の頭を、今度は麻子が小突く。
「お願い・・・やめて・・・ごめんなさい・・・・」
「早く脱ぐんだよ」
また、里美だ。今度は、壁に頭を打ち付けられた。
「お願い・・・・・やめて・・・」
美希の顔は、涙でぐしょぐしょだ。
「なんなら、ピアスあけてやろうか?」
里美は、美希の耳をひっぱって、美希の目の前でニードルをちらつかせた。
「あああ・・・・・いや・・・やめて・・・・お願い」
「いやだのやめてだの・・・どうすんだよ。早くしな」
「ぬ・・・脱ぎます・・・・だから・・・・」
美希は、スカートに手を入れた。
3人にじっと見られながら、美希は太ももまでショーツを降ろすと
「ぐずぐずしてんじゃないよ」
麻子に髪を引っ張られた。
「脱ぎます。だから・・・・」
美希はショーツから足を抜いた。ショーツは麻子に取られた。
「こりゃまた、かわいい子供のパンツだねぇ」
麻子は、美希の白に小さなイチゴのプリントショーツを広げてみせた。
「こんなのはいてる子供が、男あさりなんかしちゃだめでしょ」
また小突かれた。
「あっ・・・コンタクト落としちゃった。美希、悪いけど探してくれない?」
それまで黙っていた優美が、白々しいセリフを吐いた。
「そりゃ、大変。美希探してやって、見つけたら優美も許してくれるよ。きっと・・・」
何を言ってるのか、美希にはわからない。
ただ、黙ってうつむいたままだ。
「早く探しなよ」
里美に無理やり頭を押さえつけられた。
「美希、このへんよ」
「四つんばいで探すんだよ。早く・・・・」
ようやく、わかった。
言われたとおり、美希は、四つんばいで優美の足元まで這っていった。
里美が後ろで美希のスカートをまくる。
美希は、もう逆らわなかった。
お尻を晒したまま、美希は這った。
「美希、こっちだわ」
右に左に、コンクリートの上を何度も何度も・・・・
手を踏まれた。
お尻を蹴られた。
優美に髪を引っ張られて立たされ、また壁に押し付けられた。
「美希、許してやるよ。これからは友達だから・・・。仲良くしようね」
里美と麻子に両腕を取られた。
ばしっ
優美にまた、頬を張られた。
「電話には必ずでな。いいね、でないと・・・・・ひどいことになるから・・・・」
ようやく美希は解放された。
3人組みの足音が聞こえなくなっても、美希は、じっと動かなかった。
入り口のほうで、覗き見ていたやつらが、美希に好奇の目を向けている。
涙でぐしょぐしょになった顔。
美希は、泣きながらハンカチで拭った。
(なんでこんなめにあわなきゃなんないの・・・・わたしが何をしたっていうの・・・)
振られた腹いせなのだ。理由なんていらない。そういう連中だ。
膝が痛い。
あちこちから血が出ているが、その血を拭きたくなかった。
脱がされたショーツは、見当たらない。
どうでもよかった。
電車の中で、サラリーマン風のおじさんに
足、血が出てるよと声を掛けられたが、無視した。
言われなくてもわかっている。怪我に気がつかないばかがどこにいる。
声を掛けられただけで、悔しくて、また涙が出た。
(あれですむはずがない)
「これからは友達だ」と言った優美の声が耳に残っている。
不安が、おなかの中でどんどん膨らんでいく。
体が何倍にも重く感じられた。
ダブル ホールズ1-4
4.呼び出し
赤ずきんちゃんにご用心
美希は、家に帰ったが、誰もいない。
いつものことだ。
いつも帰りの遅い父とは、休日以外に顔を合わすことはない。
母親は、最近、外出することが多くなった。
どこへ行ってるのか、美希は知らない。
どうでもいいことだった。
成績以外のことで母親と話をすることもない。
それも、したくてするのではない。
母親は、成績以外には興味がないようだ。
成績は悪くはないと思っているが、週に3回、塾に通わされている。
今日は、塾の日だ。
美希は、自分の部屋で、傷口を消毒して、メンディングテープを貼った。
着替えるつもりだったが、気が重い。
スカートを脱げば、裸だ。
ショーツを脱がされた・・・・・それが、悔しかった。
美希は、そのままベッドに横になった。
携帯が鳴っている。
優美だ。
3回・・・・4回・・・・
美希は、出た。
「美希?・・・」
「・・・はい」
「あのさ、ちょっと用があるから、出てきて・・・」
「いえ・・・今は・・・・」
「今じゃないわよ。7時に○○にいるから。そこに来て。場所はわかるわよね?」
「いえ・・・今日は、だめなんです。・・・塾なんです」
「塾?・・・あのさ、呼ばれたら来るんだよ。友達だって言っただろ・・・・」
「でも・・・・・」
「ごちゃごちゃ言ってないで、来ればいいんだよ。いいね、7時だよ」
「何だって?」
携帯をたたんだ優美に麻子が訊いた。
「塾だって・・・・」
「塾?・・・なに寝言いってんだか・・・。で?」
「来るわよ。来なきゃ、また・・・・」
優美が手を上下させ、地べたを這うまねをした。
「そうね・・・それでもいいけど・・・・」
麻子は、足を振った。お尻を蹴る真似なのだろう。
「ふーん、塾かぁ。・・・いいんじゃない」
里美が、何か思いついたように思わせぶりな言い方をする。
「なに?・・・・里美」
「塾なら、夜遅くてもいいってことよね」
「そうか・・・・そうだね。いいね。それ・・・」
優美は里美の意図を察したようだ。
「電話しとくわ」
優美は、さっそく携帯を開いた。
ダブル ホールズ2-1
第2章
人妻☆桜子のひみつ♪
1.男
いかないと・・・・どうなる?
でも行ったら・・・・
美希の胃が、さらに何倍も重くなった。
塾の日だ。
家にいるわけにはいかない。
塾をサボると、また、母親に、なんだかんだと言われる。
とにかく家を出なければならない理由が生まれた。
美希は、着替えた。
真っ白のコットンのショーツにジーンズを穿いて、いつも塾に行くときに持つバッグを提げて家を出た。
また、電話が鳴った。
また、優美からだ。
「場所変えたから、○○のコンビニで待ってるから・・・」
「ああ・・・でも・・・塾が・・・・」
「塾って、○○予備校だろ。途中じゃん。待ってるからね・・・美希ちゃん」
その通りだった。この街には、現役生を教える大手の予備校はそこだけだ。
美希の学校の生徒も大半は、そこに通っている。
駅から、塾までは、わずか3分。そのコンビニは途中にある。
口実はなくなった。
7時ぎりぎりまで、美希は駅で時間をつぶしたが、いかないわけにはいかない。
彼女らはコンビニの前にいた。
「ちょっと、来て」
優美は、美希の横に並んで美希の腕を取った。
「どこへ・・・わたし、塾に・・・」
「塾は、8時からだろ。知ってるんだから・・・」
「でも・・・」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ」
優美にお腹を殴られた。
前に麻子、後ろに太った里美が立って、見えないように隠す。
駅の反対側に連れて行かれた。
こっちは、飲み屋街だ。怪しい店も多い。
金券ショップの横の階段を上がると、麻子が汚れたスチールのドアを開けた。
「おじさん。連れて来たよ」
「おじさんじゃねぇよ」
奥から、30代前半の男が出てきた。
美希は、不安で・・・・吐きそうだった。
「この子だよ。どう?」
優美が、美希のあごをつかんで顔を男に向けた。
「どうって?・・・まぁまぁってとこかな」
「せっかく紹介してんのに・・・まぁまぁとか言うなよ」
「じゃぁ、まぁとりあえず写真撮るから、そこに立たせて」
(写真?)
男は、カメラを握っている。
美希は、麻子と里美に両腕を取られて、引っ張られる。
「いや・・・写真は・・・やめて・・・いや」
「パンツだけじゃ買ってくれないんだよ。このおじさん・・・」
里美は笑いながらそう言って、美希を壁に押し付けた。
「言われたとおり、脱ぐんだよ」
麻子は美希の首をぎゅっとつかみながら、美希の耳元で囁く。
離れ際に、里美は、さらに美希のお腹を殴った。
「おい、おい、随分手荒だなぁ・・・」
男があきれたように口を挟んだ。
「いいんだよ。こいつ、マゾなんだよ。苛められるが好きなんだ」
優美が勝手なことを言う。
美希は、うつむいて、じっと歯を食いしばっていた。
「へぇ、そうかい」
そんなはずがないことは男にもわかっているはずなのに・・・
助けてくれる人はいない。
男は、平然とカメラを構えた。
「早く脱ぎな」
また里美の声。
美希は、脱いだ。
ジーンズのベルトをはずして、下に落とす。
何回かシャッターが切られた。
「こりゃまた、味も素っ気もないパンツだな」
男が、あきれたように言う。
「こっちのほうがいいか?」
麻子が、別のショーツを広げて見せた。
駐輪場で脱がされたやつだ。
「ああ、そっちがいいな」
「美希、こっちがいいって、穿き替えな」
麻子が、美希にショーツを投げた。
「そうだな。どうせ穿き替えるなら、全部着替えるか」
男は、独り言のように呟いて、部屋を出て行った。