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由香里の日常2-1
第2章
1.目隠し
永井は、由香里が嫌がらずになんでもチャレンジしようとしている間になるべく多くのことをやらせてしまおうと、頻繁に由香里を使った。
カメラマン達の評判も悪く無い。
定例の撮影会にも由香里はしばしば呼ばれた。
「午後、縛りいい?」
お昼の休憩に入って、食事に出るときに永井にそう言われた。
「は…はい」
由香里は、事前に、そういうこともあるかもしれないと言われていたので、いまさら、いやとも言えないし、言うつもりもなかった。
(縛りかぁ…)
どんなものか、興味もあった。
茜はそれほど痛くないと言っていたが、痛い痛くないは、たぶんに主観的なものだから、茜にはそうでもなくても、自分には痛いかもしれない。
なにしろ縛られたことなど一度もない。
縛りを意識したのか、午後の衣装は、ちょっと長めの薄い紫のキャミと、同じ色のサイドが紐のショーツだ。
着たままの撮影の後、すぐに永井の声が入った。
「じゃぁ、縛り行きます」
(早っ…)
“そういうこともあるかもしれない”という事前のセリフとは違って、あきらかに、これがメインですと言わんばかりの進行だ。
永井が、正面に来て、由香里の首に縄をかけた。
手馴れた感じだ。
体の正面に垂らされた縄に、後ろから縄が通され、左右にきゅっきゅっと引かれる。
(うっ…うっ…)
注意してないと、左右に縄が引かれるたびに、由香里は声を出しそうになった。
痛くはない…が…痛いのかもしれない。
思ったほど、股間に圧迫感はなかった。
ただ、上下に絞られた乳房は、少しきつかった。
最後に腕を背中で拘束された。
今日も、工藤はいた。
茜の話では、毎回来るわけではないということだったが、由香里の撮影には、必ずいた。
そして、やっぱり、あまりシャッターを切らない。
今日も午前中の撮影では、いつも以上にシャッターを切らなかった。
他の人の半分も切っていない。
そういう人なんだと思いながらも、やはり由香里には、おもしろくなかった。
(わたしがいやなら、他の人の撮影会に行けばいいのに…)
立った姿勢から撮影に入ると、それまで、どちらかというと、他のカメラマンに場所をあけていたような工藤が、中央に出張ってきた。
工藤が動くと他のカメラマンが、工藤に場所を譲った。
(何なの…この人?)
別に、極端に近いわけでもないのに、由香里は、なぜか圧迫感を感じた。
工藤には他の素人カメラマンとは違う、圧倒的な存在感がある。
知らず知らず、由香里の目は、工藤のカメラに釘付けになったが、それに対して、目線、こっちに…と声をかけるカメラマンはいなかった。
(見られてる…)
レンズ越しに、背筋にまで達するような視線を感じる。また、あのドキドキが始まった。
立っているのが…、ただ立っているだけなのに、それが苦しくなってくる。
由香里の背筋がだんだん曲がってくるのを見て、永井がイスを運んできた。
「ここに座って…」
(ああ…足を開くんだ…)
茜がそうだったように、足を開いて、自分も肘掛に足を乗せるんだと思った。
(ああああ…どうしよう…)
いつもなら、恥かしいけれど、できないポーズではない。座って膝を立て足を開くことは何度もしてきた。今日だって…午前中には、それに近いポーズをとった。
だが、…由香里は、子宮の奥のほうに熱さを感じていた。
今はまだ、だいじょうぶだが…。
永井は、由香里の足をとると、大きく開き、肘掛にかけて、そこを縄で縛った。
裸で足を開いているわけではないが、裸で足を開いた午前中より、はるかに胸を圧迫するものがある。
(どうしよう…苦しい…息が…)
由香里の呼吸が浅く早くなっていく。
工藤が、カメラを下げて永井を見た。
「じゃぁ、裸でいきます」
永井は、そう言って、一度、縄をほどいた。
「だいじょうぶか?」
由香里の耳元で、永井が小さな声で、訊いた。
「はい」
立ち上がって、由香里の息は、普通にもどりつつあった。
由香里が、キャミを脱いで、ショーツのサイドの紐に手をかけたときに工藤が言った。
「下は、つけたままで…」
由香里は、永井を見た。
永井は、他のカメラマンの顔を見渡したが、誰も異は唱えない。
「じゃぁ、下はそのままで…」
永井は、慣れた手つきで、もう一度、由香里を縛った。
今度は、さっきよりきつかった。
「うっ…」
予想外の痛みに由香里がうめくが、永井は緩めない。
由香里も、一度、うめいただけで、後は何も言わない。
由香里が、手を後ろに回すと、永井は、その手を前に戻し、前で手首を縛ると、由香里を壁際に立たせ、壁の上の方に取り付けられた突起に由香里の手首の縄を引っ掛けた。
(だいじょうぶだわ…苦しくはない…あそこも…だいじょうぶ)
由香里は、少し気が落ち着いた。
その時、工藤が、永井に何か手渡した。
「ユッカちゃん…目隠しするから…」
永井は、工藤から渡された濃い紫の帯状の布を手にして、それを由香里の目に当てた。
紫の帯状の布…小さな風呂敷だった。
由香里の頭の後ろできゅっという音がした。
…見えない。
シャッター音が…しない。
(どうして…なんで撮らないの?…)
シャッター音だけではない。物音もしない。
(みんな…どうしちゃったの?…)
いるはずだった。
いるはずなのに…
(ああ…だめ…また…)
また、どきどきが始まった。
息が…苦しい。
まっすぐな姿勢がとれなくなる。
由香里の体が左右に揺れ始めたとき、いっせいにシャッターが切られた。
由香里が、今まで耳にした事がないくらいの音だ。
不安が、一瞬にして快感に変わった。
(すごい…すごい…)
一瞬、喜びに我を忘れた由香里は、つい、心の戒めを解いてしまった。
(あっ…だめ…)
身体は、由香里の意志とは無関係に反応し始める…止まらない。
由香里は、足をピタッと閉じた。
だが、それもよくなかった。足を開いているときは、それほど意識しなかった股間の縄が、足を閉じたことで、はっきりと意識された。
(縄が…当たってる…)
子宮がきゅーっと収縮する。
思わず、腰をくねらすと…縄が食い込んだ。
(どうしよう…)
由香里は、それが染み出してこないことを祈った。
由香里に目隠しがされても、工藤は、正面に立ったまま、動かなかった。
こういう撮影の主導権は工藤が取る。
それは、暗黙の了解で、他のカメラマンは、工藤の動きを見ていた。
工藤は待った。
そして、思ったとおり、それは来た。
工藤が、シャッターを切った瞬間、他のカメラマンも一斉にシャッターを切る。
目隠しで、表情は隠れているが、由香里の表情が変わった瞬間だった。
立っていた由香里が自分の力で立っていられなくなってぶらさがった瞬間でもあった。
由香里は、揺れた。
どうしていいのかわからずに、前後に…左右に…
そして、とうとう完全にぶらさがってしまった。
「解いて…」
工藤の声に全員が動いた。
由香里は、左右から支えられ、縄を解かれて、床に横たわった。
縄は解かれたが、手首の縄と目隠しは、誰も解かない。
目隠しをされたまま、由香里は横になった。
身体は、横向きで、自然と背中が丸まった。
意識はあったが、まだ、息が苦しい。
仰向けよりも横向きのほうがありがたかった。
床に丸まって、小さく浅い息を繰り返す由香里に、工藤がカメラを向ける。
他のカメラマンもそれにならった。
由香里の息が正常に戻るのを見計らって、工藤が、永井に目で合図を送る。
同じことを考えていたのだろう。永井は、すぐに動いた。
由香里を仰向けにして、両腕を頭の上の方に引き、今度は、足の方にまわり、膝を立て、太ももと足首を縛り、足を開かせた。
(ああ…だめ…だめ…)
それは、なまじショーツがあるばかりに余計に目立った。
シャッター音が、股間に響いた。
腕は、上にあげたが、何かに縛られているわけではない。
足も開かされたが、閉じようと思えば閉じられる。
ただ、由香里はそうはしなかった。
モデルだから…ポーズを勝手に変えられない…そうだったかもしれない。
確かに、由香里は、その後しばらく、自分自身にそう言い聞かせてはいた。
由香里の日常2-2
2.祐二
「来週の水曜日、夜、だめかなぁ?」
由香里に永井から、電話が入った。
「夜って…何時ですか?」
「夕方の6時から8時まで…だけど…」
(…だけど?…)
連絡事項は、すぱっと歯切れのいい永井にしては、変な伝え方だ。
「時間は、大丈夫ですけど…どこですか、場所?」
永井が言った場所は、由香里のマンションから30分くらいのところだ。
問題はない。
「だいじょうぶ…です」
場所も時間も大丈夫だが…。どうも、永井の歯切れの悪さが気になった。
「工藤さん、知ってる?」
「あっ…はい」
「工藤さんのリクエストなんだ」
「リクエストって…工藤さんだけなんですか?」
「そういうこと」
由香里は、黙った。
まれに、個別にリクエストが入ることがある。
由香里にも、もう2度、そういうオファーがあって、2回ともに応じている。
(工藤さんかぁ…)
あの撮影以来、工藤は来なくなった。
その後も、何度か縛りはあったが…意識が遠のいていくほどのあのときの思いは感じなかった。
慣れたのだと由香里は思い込むことにしたが、そうでないことは、由香里自身が一番よく知っていた。
(どうしよう…)
「いやなら、無理しなくていいよ」
永井が、こんなことを口にするのも初めてだ。
「いえ…あのぉ…普通の撮影ですか?」
いやではないが、いいですよとすんなり二つ返事で応じることも出来ない。
由香里は一応、念のために訊いてみた
「縛るかってこと?」
「えっ…ええ、まぁ」
「縛らないって言ってたよ」
「そうなんですか?…」
(縛らないの?…)
永井にそう言われて、断る理由がなくなってしまった。
指定された場所は、ホテルフェニックスという名前だったが、ロビーは狭く、誰もいなかった。
由香里は、直接、305号室に行くようにという指示だったので、そのまま、部屋に向った。
インターホンを押すと、すぐにドアが開いた。
由香里を出迎えたのは、工藤ではなく、由香里と同じくらいの年齢の大柄な男だった。
「ええーっと、モデルさんかな?」
180cmを越える大柄の男は、身体に似合わない人懐っこい笑顔で由香里に聞いた。
「は…はい」
由香里がとまどいながら返事をすると
「モデルさん来ましたよ」
男は、部屋の中に向って大声で伝えた。
「どうぞ」
由香里は中に案内された。
中に入ると、すぐ右手がバスルーム。
ホテルと言っても、中は、普通のマンションといった感じだが、居間に相当する空間には、家具はなかった。
壁一面が大きな布で覆われている。
何基かの照明がそっちに向っていた。
あきらかにスタジオという感じだが、ホテルの一室で、こんなことができるのだろうか?
「急に悪かったね」
由香里が挨拶をする前に、工藤のほうから話しかけてきた。
「ああ、…いえ…」
由香里は、工藤の目を見ることができず、工藤の背後の先ほどの長身の男性を目で追った。
「彼は、助手で中川君だ」
由香里は、そういうつもりではなかったのだが、工藤が、その男性を紹介した。
「中川祐二です。よろしく…」
男は、軽く頭を下げた。
「優香です。みんな、ユッカって呼びますけど…」
由香里も名乗った。
どこか、アンバランスな男だった。
背が高いだけではない。
肩の筋肉、胸の張り、何かハードなスポーツをやってるといった身体に、短く太い首の割には顔が小さかった。
おそらく、首が太すぎるせいで小さく見えるのだろう。
その小さな顔に子供ような目が光っていた。
「これに着替えて」
工藤に渡されたのは、白いミニスリップ…それだけだった。
着替える場所はないので、その部屋の隅で、着替え始めた。
(ショーツはどうするんだろう…)
「あのぉ…ショーツは…?」
由香里は、念のために訊いてみた。
「脱いで」
予想通りの答えが返ってきた。
由香里は、全裸になり、その白、厳密に言えば、ほんの少しだけピンクが入っているスリップを身につけた。
カメラや照明のチェックをしている工藤に対して、助手と紹介された祐二は、ほとんど何もしないで着替えている由香里を見ていた。
(何なんだろう、この人?)
撮影は、たんたんと進んだ。工藤だからと、身構えていた由香里も、少し緊張が緩んだ。
「ベッドのマットを運んできて…」
工藤が祐二に命じた。
工藤が、カメラを下ろし隣の部屋に行ったので、由香里も緊張を解き一息ついた。
さすが大男、ベッドのマットを簡単に運んできた。
(助手って…こういう意味の助手なのか)
由香里は、大柄な祐二が何のためにいるのか、自分勝手に理解した。
工藤が再びやって来た。
「うつ伏せに寝てみて」
由香里はうつ伏せになった。
上からシャッター音が聞こえる。
「足を開いて…」
シャッター音は、後ろの上のほうから聞こえる。
「そのまま、身体を後ろに引いて…ゆっくり…」
うつ伏せで足を開いたまま、ベッドマットに膝を食い込ませ、身体を低くしたまま後ろに引いた。
膝が曲がる…スリップは持ち上がる。由香里のお尻が徐々にあらわになっていく。
かかとの上にお尻がついた。シャター音が低い。
(きっと…丸見えだわ…露骨よ、工藤さん)
拒否してもよいポーズである。
「お尻をあげて…足をもっと開いて…」
(それじゃ…)
由香里は迷った。当然、拒否していい。
しばらくためらった由香里の足が少し開いた。
お尻が、少し高く上がった。
モデルとしてなら、当然、拒否するべきポーズだった。なぜか由香里は、応じてしまった。
そして思った通り、どきどきがやってきた。久々に感じる胸の高鳴りだった。
「座って…膝を立てて…」
工藤は、執拗に由香里の股間を狙う。
床に直接置かれたマットは、中途半端な高さだ。中腰だった工藤が、とうとううつ伏せで肘を立ててカメラを構えた。
「足を開いて…」
(そんなぁ…)
カメラを構えた工藤の横に、祐二がいる。
カメラではなく、人に向って足を開くなんて…
「足を開いて…」
同じ指示が繰り返された。
少し、由香里はほんの少しだけ足を開いた。
「もっと…」
工藤の指示は容赦ない。
(違うの…その…祐二さんを…彼を…どけて…)
「できません…」
工藤のカメラだけならできたかもしれないが、カメラマンでもない普通の男性にじっと前で覗かれては…。
「手を後ろについて、天井を見て…」
工藤の指示が変わった。由香里は、今度は言われたとおり従った。
「そのまま、もう少し、足を開いて…」
(どうして…だめだってば……)
異常な固執だった。工藤は、アマチュアではない。局部のアップに何の価値があるのか…。
それでも工藤は、由香里が足を開くのを待っている。
由香里は、困惑した。
ふーっ
大きな息をして、由香里の足が少し開いた。
(だめだって…言ったのに…できないって言ったのに…)
できない由香里の中で…ようやく応じたい由香里が動き出し始めた。
由香里の日常2-3
3.されてもいい
由香里は、胸をそらし、天井を見たまま、自分で足を開き始めた。
シャッターが切られる。
由香里は、シャッター音に驚いて足を途中で止めた。
(モデルなのに…、撮影中なのに…)
シャッター音に驚くモデルなどいない。
由香里は、モデルであるという意識が希薄になりつつあったのかもしれない。
一度止めた足を、また、広げ始めた。
(どこまで…開くの…もう…見えてるでしょ…)
90度くらい開いたところで、由香里は、顔を前に向けた。
そこには、工藤のカメラと、カメラの横でこっちを見ている祐二の目があった。
また、シャッターが切られ、さらに指示が来た。
「もっと、開いて…」
(もっとって…)
このままの姿勢で、さらに足を開くのは、きつい。
由香里は、足を開きながら、少しお尻を前にずらした。
スリップは、腰までまくれあがった。
立て続けに何回かシャッターが切られたが、…止まった。
「もう…いいですか?」
由香里が訊いた。
「だめだ。しばらく、そうしてて…」
理不尽な要求だ。
工藤はカメラを構えているが、シャッターは切らない。
つまり、写真を撮るためのポーズではないのだ。
(何なの…。撮影じゃないじゃない…。見てるだけ…ひどいわ…)
由香里はそう思いながらも、なぜか足を閉じず、そのままの姿勢を続けた。
ふぅ…ふぅ…
由香里の息が荒くなって来た。
来た、と感じた。
由香里はそれを心待ちにしていたのかもしれない。
(見られている…ずっと…。見せている…見せてるんだ、わたしが…)
むずっとした感覚が、クリの辺りから、おへその下のほうまで、内側から外に滲み出すように広がっていく。
それを快感だと感じることはできたが、同時に息苦しさが増してくる。
こっちは、あきらかに快感ではない。
空気が重く感じられる。
その重い空気が、体全体を包んで、外から内に向って、いやーな感触で染み込んでくる。
由香里の息が、どんどん浅く短くなっていく。
由香里の目が、どこをみているのかわからなくなってきた。
工藤はカメラを降ろすと、隣にいる祐二に目で合図をした。
いつのまにか、裸になっている祐二は、由香里の横に座ると、由香里の肩をつかんで、ゆっくりと仰向けに寝かせた。
由香里は、太くたくましい祐二の腕に頭を乗せて、横たわった。
祐二が、由香里を包むように自分の身体にぴったりと由香里の身体を密着させる。
それ以上、何をするでもない。
ただ、祐二はじっと由香里を抱いているだけだ。
ぼんやりとした意識のまま、由香里は、自分が祐二に抱かれていることも認識できないでいた。
ただ、重い空気に包まれていた苦しみから、徐々に解放され、外から内に押し込められていた快感が再び外に滲み出していくのが心地よかった。
不意に、祐二の腕が、由香里の腰に回って、由香里は完全に祐二の体の中に抱え込まれる形になった。
由香里の足の間に祐二の足が割って入る。
ようやく由香里の意識は、しっかりしてきたが、それでも由香里は、抵抗することなく、その祐二の足を受け入れた。
由香里の背後で、バタンとドアが閉まる音がした。
由香里は、今、祐二に抱かれていることも、たぶん工藤が部屋を出て行ったこともわかってはいるのだが、現実感がなかった。
(わたし…されちゃうんだろうか…?)
由香里は、それでもいいと思った。
いつか、そうしなければいけないのだと自分でも思っていた。
お尻にあった祐二の手が、前に回った。
由香里は、自分から足を開いた。
祐二の指が、ゆっくりと由香里の股間を上下する。
由香里は、初めて男を受け入れる気になった。
由香里の日常2-4
4.初めての…
(何をしてるんだろう、わたし…?)
由香里は、祐二の大きな胸に顔を埋めていた。
由香里のスリップは、腰まで大きくまくれ上がり、祐二の手は、ゆっくりと由香里の襞にそって、股間を上下している。
(こんなこと…あり得ない…)
カメラマンが、モデルに…。
実際には、相手は工藤ではない。
しかし、工藤の助手と紹介された男だ。
(わたしが…後で報告したら…でも、何て言うの?)
由香里は、抵抗どころか、声すら上げていない。
(どうしよう?…どうしよう…)
祐二の手が離れ、由香里のスリップを脱がそうと由香里を起した。
(ああああ…どうしよう…)
悩みながらも、由香里の手が勝手に動いた。
由香里は、起き上がると、持ち上げられたスリップから、自ら手を抜いた。
祐二の唇がかぶさった。
祐二は、軽く唇を合わせると、そのまま、舌を首筋へと移し、また、由香里をゆっくりと後ろに倒していった。
右手は再び股間に伸ばされ、左手は乳房の上に乗った。手の平で乳首を弄ぶと、唇が反対の乳首を咥えた。
(あっ…)
由香里は、背中をそらし、顎を上げた。
初めての経験だった。
私立の女子中…高校、そして女子大と由香里は、これまで男性に接することがほとんどなかった。
男性と付き合ったことがなかった。
祐二は、急がずに、ゆっくりと舌で乳首を転がす。
由香里の敏感なところには、指の腹を当てて、細かく震度させた。
由香里の硬直した手足の力が抜けるまで、祐二はそれをゆっくりと執拗に繰り返す。
由香里の力がじょじょに抜けていった。
祐二の口が、再び由香里の口に当てられる。
軽く開いたままの由香里の口に祐二の舌が入った。
自分の口の中で、今日初めて会った見ず知らずの男の舌がうごめいた。
祐二は、由香里の腕を取り、それを自分の首に回す。
由香里は腕を、太い祐二の首にしっかりと巻きつけた。
祐二の舌の動きが荒くなる。
由香里の心臓の鼓動も激しさを増した。
祐二は、由香里の腕をはずして、由香里の足元へと移動すると、由香里の足を広げ、股間に顔を埋める。
「あっ…」
由香里は、思わず声をあげ、その自分の声に慌てて、両腕を交差させて顔の上に置いた。
祐二は、襞を舌で掻きわけ、小さいが固く尖ったものの先を舌先でつつくように刺激する。
さらに、両腕を伸ばし、由香里の両方の乳首を指で挟んだ。
いくつかの点を刺激されているだけなのに、その周囲全体にじわーっと熱い刺激が感じられて、由香里は、どこをどうされているのかわからなかった。
自分を咎める気持ちも初めての不安も、とっくに消えてしまっていた。
祐二は、由香里から離れ、今度は由香里の横に由香里とは反対の向きで横向きに並ぶと、仰向けに横たわっている由香里のお尻に右腕をいれ、由香里を抱きかかえるように左腕を由香里の脇の下から背中へと回した。
(何?…どうするの?)
祐二は、由香里を軽く持ち上げ、身体を入れ替えた。
由香里を、自分の体の上に乗せると、祐二は、すぐに、由香里の足を開き、そこに自分の顔を入れる。
由香里は、祐二の顔の上に後ろ向きで跨ってしまった。お尻の穴まで丸見えだ。
(また…見られてる…わたしのあそこ…)
心臓は、さらに激しく鼓動した。色白の由香里の体が、ピンクに染まっている。
祐二の舌は、再び由香里のクリを捕らえる。
「あああ…」
由香里は、身体に力が入らない。祐二にしがみつくように前のめりになった。
目の前に祐二のものがある。
由香里は、それをつかんだ。それはすでに固く大きくなっている。
経験はないが、どうするのかくらいは由香里にもわかっていた。
祐二の舌が、由香里の中に差し入れられた。
激しくはないが、足を閉じたくなるようなほんの少し、くすぐったさの混ざった微妙な感覚。
(気持ちいい…)
由香里は、つかんだ祐二のものを口に入れた。
どうしたらいいのか、全く分からない。
とにかく、先端にぐるっと舌を這わすが、祐二の刺激に、由香里の舌は何度も動きを止めた。
祐二は、下から由香里の腰を抱え、由香里の下半身の自由を奪うと、できるだけ奥にまで舌を差し込んで来る。
「あああああ…あああ……」
とうとう由香里は、祐二のものから口を外し、大声を上げて、祐二の上に倒れこんだ。
祐二は、由香里と身体を入れ替えた。
仰向けになった由香里は、子供が泣きじゃくるように、横を向いてひくっ、ひくっと息をしている。
祐二は、由香里の太ももに手をかけ、大きく開く。
由香里の足に力が入った。
祐二は、ゆっくり、少しずつ入ってきた。
痛いはず…由香里はそう思い込んでいた。
痛い…でも、もっと痛いはず…来る…来る…来る?
思っていた痛みは、来なかった。
祐二が、かなり奥まで入っていることは由香里にもわかる。
ぐーっと奥まで差し入れたまま祐二は、動かない。
由香里の上に乗り、首筋にかすかに舌を這わせる。
くすぐったいはずの感触が、微妙に異なっている。
ほんのわずかな違いだが…、くすぐったくはない。
由香里は、下から祐二の首に手を回し、ぎゅっと祐二を抱きしめた。
祐二の腕が、由香里の腰の下からお尻にまわり、少しだけ由香里はお尻を持ち上げられた。
由香里の中で、祐二のものの角度が変わって、くいっと奥に当たる。
「あっ…」
祐二のものの動きが伝わってくる。自分の中に祐二がいることがはっきりとわかる。
祐二は、ぴったりと由香里に密着したまま、腰だけを動かした。
祐二のものは、くにゅくにゅと左右に動きながら前後する。
由香里の中で、痛みが来そうな不安が徐々に薄らいでいき、しっかりと祐二に巻きつけていた腕から力が抜けた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
祐二の微妙な動きに合わせるように由香里は息を吐いた。
祐二は、少し早く、前後に大きく動いた。
一瞬、由香里の眉間にしわがよった。
「あぁ…あぁ…あぁ…」
祐二は動きを止め、横を向いて目を閉じている由香里の顔を真っ直ぐ自分に向かせた。
由香里が目を開ける。
祐二は、悪戯をした少年のような目で由香里を見ていた。
由香里は思わず微笑んだ。
「だいじょうぶ?」
由香里は、小さくうなずく。
「痛くない?」
また、うなずく。
「ちゃんと、外に出すから…いい?」
何が“いい?”なのか、理解できないまま由香里は、ただうなずいた。
祐二は、由香里から身体を離すと、両腕を由香里の膝の内側から上に伸ばし、由香里の乳房に手の平をかぶせる。
由香里のお尻が少し浮き、足は左右に大きく開かれた。
祐二が、ゆっくりだが大きく動き出す。
くいっと入ってきてぐいっと突く。
由香里の痛みに対する不安は、もう完全に無くなっていた。
「ふぅ…あ、あぁ…あ…ふぅ…」
由香里の頭が左右に揺れだす。
祐二は激しく動き出した。
「あ…ああ…ああああ…あああ…」
ふっ…ふっ…
祐二も息を短く吐き始める。
「あぁ…あぁ…あぁ…」
最後に祐二は息を飲み込んで、由香里から離れた。
祐二は起き上がり、バスルームに向った。
ふーっ
大きな溜息をついて由香里は、天井を見上げた。
(あっ…)
由香里は何かを思い出したように、身体を起し、自分の股間を見た。
(いつのまに…?)
由香里のお尻の下に、タオルが敷かれていた。
由香里は、そのタオルを見た。
(だいじょうぶだわ…)
すぐに出てきた祐二と入れ替わるように由香里は、そのタオルを握ったままバスルームに入った。
出血は…ほんのわずかだった。
(でも…どうして…)
どう考えても、変な撮影だった。
撮影ではなく、最初からセックスが目的だったとしか思えない。
しかし、仮にもプロのカメラマンがそんなことをするのだろうか?
経験の浅い由香里にはわからなかった。
それに…
(どうして、わたしがバージンだってわかったんだろう…)
祐二の子供のような目が浮かんだ。
由香里の日常2-5
5.知られてた
バスタオルを身体に巻いて出てきた由香里を、祐二は裸のまま、ベッドでぼんやりと眺めていた。
由香里は、服を着ようかどうか迷った。
セックスが終わって、服を着て帰る…それじゃ、商売みたいだ。
それにヌード撮影中だったのだから、何も言われないのに服を着ちゃまずい。
でも、カメラマンはもういないし…ベッドにいる祐二の横に並んで横になるのも…恋人みたいだし…。
「あのぉ…工藤さんは?」
由香里は、祐二に訊いてみた。
「さぁ…」
祐二は、ようやく上半身を起した。
「後…どうすれば…」
祐二はようやく、由香里の質問の意味が分かった。
「ああ、そういうことか…工藤さんは、もうすぐ帰ってくるよ」
(もう、すぐって?…まさか、打ち合わせ済み?)
「服、着ていいですか?」
「それは、待って」
祐二は、由香里の前に立つと、由香里が身体に巻いたバスタオルを取った。
(恥かしい…)
カメラの前では、どんな格好だってできるが…カメラマンではない普通の男性、祐二の前では…。
由香里は、両腕で胸を隠した。
祐二は、由香里の背中に回り、後ろから由香里を抱いた。
「もう…だめ…です」
由香里は、それだけ言うので精一杯だった。
「だいじょうぶ?」
祐二が、耳元で、囁いた。
由香里は、それには答えず、逆に祐二に訊いた。
「あのぉ…訊いていいですか?」
「何?」
「わたしを……、あのぉ…、これって、計画的だったんですか?」
「今のこと?」
由香里はうなずいた。
「どうだろう?…よくわからない。正直に全部言うから、あなたが判断してくれるかな」
祐二は、由香里を背中から抱きかかえ、自分といっしょに由香里をソファに座らせた。
「俺が、ここに来たのは、ただ、写真を受け取りに来ただけで、朝、電話をして、ここにやって来た。帰ろうとしたら、撮影があるから見ていくかと工藤さんに声をかけられたんだ」
祐二は、思いだすように、間をおきながら話し出した。
「撮影って…裸の女の子なんか見たら、俺、我慢できずに襲っちゃいますよって…もちろん、冗談だ」
また、間をおいた。
「そしたら、そうなるかもしれんって…マジな顔で…」
(やっぱり…その気だったんだ)
「ただし、荒っぽいのはだめだ。彼女がいやがったら、やめろって…」
祐二は、由香里の顔を後ろから覗き込む。
「それから、顔色が悪くなったり、呼吸が苦しそうになったら、中断して、回復するのを待てって…」
(どういうこと?)
由香里は、祐二がゆっくりだったこと、何度か中断して自分の顔を覗き込んでいたこと、“だいじょうぶ?”って訊いたことを思い返していた。
「病気かなんか?…ごめん、知らないから、そう訊いたんだ。そしたら…病気じゃないが、初めてだから…って」
(初めて…?工藤さん、どうして、それを…)
「あのぉ…中川…さん、わたしを見て…バージンだって思いました?」
由香里は、一語一語区切るようにして祐二に訊いた。
「どうだろ…そう言われてたからね。バージンなのに、こんな大胆な格好ができるんだ、へぇーって感心してたよ…。でも、なんでそんなことを?」
「いえ、バージンの子って、外から見て分かるのかなぁって」
「どういうこと?」
「わたし、工藤さんにも誰にもバージンだなんて言ったことないんです」
「ふーん、それなのに、工藤さんは知ってたと…だから、なんか違いがあるのかって…」
祐二はしばらく考え込んだが…
「俺には、わからないけど…もしかしたら、工藤さんくらいになれば分かるのかもね。プロのカメラマンだし、観察力もキャリアも俺なんかじゃ比べもんにならないからね」
「で、わたしをやっちゃおうって、ずっと見てたんですか?」
しばらくして、由香里は、はっきりとした口調で祐二に訊いた。
「いや、そうは言われても、できないだろ、普通。そんなことしたら、工藤さん、まずいんじゃないの。よくは知らないけど…。ただ、工藤さんが撮影するところを見てみたくて…。でも、実際、マジで興奮して…」
「でも、工藤さん、すぐにいなくなったわ。打ち合わせどおりなんじゃないんですか?」
祐二が嘘をついているようには、思えなかったが、あえて、由香里は訊いてみた。
「あれは…俺が、工藤さんを見たんだ。本当にしていいのかっていう顔をしたら…」
そこで祐二は黙った。
由香里が振り返って祐二の顔を見る。
目があった。
「工藤さん、俺にね、無理はするな。息が荒くなって、顔色が悪くなったらやめろ、いいなって繰り返して、出て行った」
息が荒くなることは、けっこうあるが、別にそれは、そんな指摘をされるほどのことでもないと由香里は思った。
ただ、過去に何回か、息が苦しくて、ものすごくいやーな気分になったことはある。
今日も、なりそうだった。
(工藤さん…わたしがときどき、そうなるの、わかってたんだ…)
「さっき、そうなりかけただろ」
「えっ…」
工藤だけじゃない。
自分とほとんど歳の変わらないように見える祐二にまで指摘された。
由香里は、うなずいた。
「わかるの?」
「表情が変わった。よーっく見ろって念を押されてたからね。気が気じゃなかったよ」
「で、途中で止まったり、だいじょうぶかって訊いたりしたんですか?」
「まぁ…そういうこと」
「俺の知ってる人に、同じような人がいた。男だけどね…、そいつ、極度に緊張すると、はぁはぁって、みるみる顔色が真っ青になって、倒れるんだ」
「緊張?」
「ストレスが原因だろうってことらしい」
「ストレス…わたしが?」
由香里は、黙ってしばらく考え込んだ。
由香里は、お尻を半分、祐二の膝の上に乗せて、祐二にしなだれかかっていた。
由香里を、抱きかかえている祐二の腕に少し、力が加わった。
「バージンだって…知られたくなかったんじゃないの?」
祐二はぽつんとそう言うと、さらに力を入れて、由香里を抱きしめた。