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りんの挑戦2-3
3.同じ格好の女
翌日、会社で渡された制服は、驚いたことに昨夜祐二のところで着たものと同じだった。
(祐二さん、けっこう、ここを覗いてたりして…)
着替えながら、りんは昨夜の祐二の表情を思い出して自然と笑みがこぼれた。
“そういう趣味なんだ”全く表情を変えずに祐二はそう言った。
表情を変えないことが可笑しかった。
(でも・・・・これ・・・)
その制服は、驚くほど昨夜のものと同じだった。
短めのタイトスカートに深いスリット。
さすがに昨夜着たものよりは浅かったが、それでも制服としては、深すぎるように思える。
(コスプレの衣装みたい・・・)
(祐二さん・・・・わたし、ここにいるわよ)
デスクに着くと、りんは、窓から隣のマンションの祐二の部屋を見上げた。
そんな都合よく覗いてくれるはずもない。
りんは、ブラインドが、祐二の部屋に向って斜め上の角度に開いていることに気がついた。
隣のマンションのせいで日差しは入ってこないが、普通は逆だ。
おかげで、ブラインドを上げなくても祐二の部屋が見えたが、りんは少し可笑しかった。
(覗きやさん、これは変よ)
午前中、りんは何度か、祐二の部屋の窓を覗いたが、朝からカーテンが引かれたままだ。
(興味はないってことかな・・・・)
りんは、思った以上に自分がショックを受けていることに驚いた。
(ただのお客さんなのに・・・・)
お客さんを好きになることはない。
それはりんに限ったことではない。
およそ、風俗関係の女性はみなそうである。
毎日のように店に会いに来てくれるのは嬉しいが、その人に会いたいと思うことはない。
お客さんと結婚する人も中にはいるが、愛していなくても結婚はできる。
午後、部屋に入ったりんは、また祐二の部屋の窓を見た。
今度は祐二がいた。
(祐二さん・・・・)
りんは、はやる気持ちを押さえながら、なるべく普通に上着を脱いだ。
白いブラウスに真っ赤なブラが透けている。
“同じ格好をした女性がいますから”りんは、昨日、祐二にそう言った。
そのおかげで、りんは30分も早く会社に来て、誰よりも早く着替えたのだ。
(同じ格好よ)
りんは、ブラウスのボタンを外した。
昨日祐二がくれた真っ赤なシースルーブラ。
(やだ・・・どきどきしてる)
個々のブースに仕切られているとはいえ、まっ昼間のオフィスだ。
りんの心臓は、高鳴った。
離れているので祐二の表情まではわからないが、まだ見てくれている。
窓際のりんのブースの横を通るものはいない。
りんは、窓に背を向けて、タイトスカートのすそに手をかけた。
150cmのパーティションは、小さな女性ならすべて隠れてしまう高さだ。
りんも頭が出る程度。オフィスでは、だれも立ち上がっているものはいない。
(だいじょうぶだわ・・・)
りんは、ゆっくりタイトスカートを持ち上げる。
上から見下ろす祐二にもはっきりとわかるように、お腹まで持ち上げ、むき出しのお尻を、心もち、後ろに突き出した。
(あ・・・・あ・・・あ・・・あああ・・・もうだめ)
自らとったポーズだが、想像以上に恥かしく、りんは、わずか数秒で、スカートを元に戻した。
振り返ると、祐二が笑っているような気がした。
突然、 デスクの上の電話がなった。
心臓が止まるほど驚いて、りんは、慌てて受話器を上げた。
「はい・・・」
りんは、まだブラウスのボタンを止めていない。
「どうしたの?データ来ないよ」
昨日の男性、風間の声だ。
午前中のデータは、午後一番に送信することになっていたのを忘れていた。
「すいません・・・ちょっと、コンタクトがずれて・・・・」
「そうなの、だいじょうぶ?」
「はい・・・すぐ送ります」
うつむいて、マウスを操作する視線の中に、自分の乳房が入った。
(やだ・・・・なんて格好・・・・)
データを送信し終えて、イスに座ろうとしてお尻に手をやった。
(ああ・・・・なんて・・・・)
深いスリットのせいで、タイトスカートの前は降りていたが、後ろはめくれたままだ。
(わたし、この格好で・・・・)
ようやく祐二が笑っていた理由がわかった。
りんの挑戦2-4
4.不倫バー
「今日は、外に出ようか?」
りんが祐二の部屋に入ると、祐二はすでに外出する格好でりんを待っていた。
明日が休みなので、予め、今日は、時間制限なしと言われている。
「は・・・はい」
「すぐ出かけられる?」
「ええ、でも、この格好・・・」
りんは、ノーパンだったので会社で着替えるわけにもいかず、制服の上着をジャケットに着替えただけの格好だ来ていた。
外出に不都合な格好というわけでもないが、ノーパンなのは別としても、ジャケットを脱げば真っ赤なブラが透けて見える。
ブラも輪郭の部分以外はシースルーなので、結局、乳房のほとんどが透けてしまう。
目を凝らせば、乳首の位置どころか、乳首そのものさえ確認できてしまう。
「それでいいんだ。その格好でいいんだよ」
そう言って、祐二はりんの手をとった。
「でも・・・・」
すでに祐二は歩き出している。
りんは、ひっぱられるようについて行った。
祐二が呼んだのだろう。マンション前で、タクシーが待っていた。
車で10分くらい。タクシーを降りると、祐二は、このあたりでは有名なホテルの並びに建っているオフィスビルにりんを連れて入った。
(こんなところに・・・お店があるの?)
エレベーターの中の各階の表示を見ても、お店らしい名前はない。
りんは、てっきり食事だと思い込んでいたのだが、もしかしたら違うのかもしれない。
(何なんだろう?・・・こんな格好だし・・・・)
りんは戸惑ったが、ただ、祐二について行くしかない。
最上階でエレベーターを降りた。
エレベーターを出ると、・・・・やっぱり、どう見てもオフィスだ。
祐二が、何の表示もない扉を開けた。
(へぇー・・・・)
中は、バーカウンターがあるラウンジになっていた。
「祐二さん、ここ?・・・・」
外観とのギャップに、りんは驚いて、祐二の腕を取った。
「不倫バーって言うらしい・・・ハプニングバーみたいなもんだと思ってくれればいい」
祐二は、奥へとりんの腕を引いた。
中央にぽっかり空間があり、ほんの少しだが、床が上がって舞台のようになっている。
外側にカウンター、舞台を囲むよう小さなテーブルとゆったりとしたソファが並んでいる。
りんを連れて歩く祐二に向かって、何人かが、軽く頭を下げて挨拶をする。
どのテーブルも、スーツ姿の男性と、OL姿の女性で占められていた。
「仮装かなんかですか?」
席につくと、りんは、祐二に訊いてみた。
「どうだろうね・・・仮装の人もいるのかもしれないけど・・・けっこう、本物なんじゃないのかな」
「本物?」
「社長と秘書とか・・・・ふだんは、どこかホテルとかで不倫してるんだろうけど、女性が、制服姿のままっていうわけにはいかないだろ。制服が好きな男もいるんだよ、世の中には・・・」
「祐二さんも・・・そういう趣味ですよね」
「ああ・・・そういうことだ」
相変わらず、祐二は表情を変えない。
よく見れば、テーブルにいる制服姿の女性とは別に、りんが着ているのと同じ制服の女性もいる。
「あの娘らは・・・ここの女の子ですか?」
「そうだろうね」
祐二もよくはわかっていないようだ。
「わたしと同じ制服・・・・・」
りんは、誰に言うともなく呟いた。
祐二もそれには答えなかった。
ずっと流れていた曲が変わった。
部屋の照明が落ち、中央の舞台らしき場所にスポットが当たる。
「ショーですか?」
りんは、祐二に尋ねた。
「そうみたいだね」
バーカウンターの奥の部屋から女性が二人、ステージに向った。
わざと胸の部分だけ、大きく開けた淡いブルーのアオザイに身を包んだ長身の女性が、アイマスクをした小柄でぽっちゃりした女性の腕を引いてステージの中央にあがった。
ぽっちゃりした女性は、淡いピンクのアオザイ、胸が開いているのは同じだが、彼女は下にパンツをはいていない。歩くたびに、左右、腰まで入ったスリットから、生の真っ白な足が見え隠れする。
ステージ中央で、彼女はりんたちの方に向いた。
アイマスクをした女性が縄で縛られる。
豊かな乳房の上下に縄を掛けられ、大きく開いた胸元から、乳房のほとんどが露出する。
アオザイの裾は片方に寄せられ、縄は彼女の股間にも回って、最後に彼女は両腕を吊られた。
(アイマスク・・・・)
りんは、ずっと彼女のアイマスクが気になっていた。
(彼女・・・入って来た時からマスクをしてた・・・)
ずっと目隠しをされたまま、・・・・ここがどこだかわからずに、縛られてるとしたら・・・
りんは、彼女の状況を自分に置き換えた。
「ああ・・・・」
彼女は、さらに片足も膝のところで吊られ、爪先立ちの足一本で、自分の体重を支えた。
もう一人の女性が、彼女の背中から手を回し、彼女の秘部をまさぐり、襞を掻き広げ、上端の突起を細くて長い指で挟んで前後に擦り始める。
「あああ・あああ・・」
周囲の話し声が消え、彼女の声だけが響く。
何も見えない。聞こえるのは、音楽と話し声。
どんなところかもわからない。どんな人が回りにいるのかもわからない。
そこで、脱がされる。縛られる。弄られる。
そんな想像をしたりんは、どきっどきっと自分の心臓の鼓動が聞こえ始める。
(いやだ・・・わたしったら・・・)
りんは、熱くなった頬を両手で隠した。
「りん、服を脱いで見せて」
祐二の指示は、いつも突然だ。
「ここで・・・ですか?」
「そう・・・だめか?」
ステージのショーのために、ステージ以外の照明は、かなり落とされている。
「いえ、いいです」
りんは、祐二の前に立つと、ゆっくりとスカートをひきあげていった。
徐々に、真っ白な大腿があらわれ、太股の付け根まで持ち上げると、ゆっくりと後ろを向いて、祐二に向かって、お尻を突き出して見せる。いつもの脱ぎ方だ。
それから、さらにスカートを捲り上げ、完全にお尻を晒して、ストッキングを膝まで下ろす。
りんは、ストッキングを脱いでから、スカートを脱ぎ、再び祐二の方を向いた。
綺麗に整えられたりんのヘアーが、祐二の目の前だ。
りんは、下半身を全て晒したまま、今度は、ブラウスのボタンを一つずつゆっくりと外していった。
下から祐二が見上げる。りんは、祐二と視線を合わせ、ブラウスを脱ぐ。
もう、りんが身につけているのは、真っ赤なシースルーブラだけだ。
それは、全裸よりもエロティックな格好かもしれない。
りんが、肩紐をはずそうとするのを、祐二が制した。
「それでいい。ブラはそのままで・・・」
りんの視界の端に、いくつもの視線があったが、りんは、ただ祐二だけを見ている。
祐二の股間が、少し盛り上がっているのを見たりんは、祐二の足の間に座って、ファスナーに手をかけた。
「いいですか?」
「いいよ」
祐二が、そう答えるとりんは、祐二のものを外に出し、それを舐め上げる。
丹念に根元から先端へと舐め上げると、おもむろに咥え、喉の奥までいっきに飲み込む。
「りん、いっちゃいそうだよ」
「いっちゃってください。飲みます」
りんが激しく、首を振り出す。
りんは、吸い過ぎないように、気をつけながら、祐二のものを絞るように口を上下させた。
祐二が、りんの頭から手を放し、声をかける。
「ごらん」
そう言われて、りんが顔を上げ、ステージを見ると、背中から手を回していた女性が、彼女の後ろで、着ているアオザイを脱いで全裸になっている。
(えっ・・・・)
驚いたことに・・・彼女は男だった。
長身ではあるが、肩の丸みも形のよい乳房も、腰の張りも、お尻の丸さも、どうみても彼女は女性だった。その彼女の股間に、確かに大きくはないが、決して他の男性と比べて見劣りしないものがあった。
逞しい男性が3人、ステージに上がると、吊られていた女性は降ろされ、ストレッチャーのような台に仰向けに寝かされ、寝かされた彼女のお尻に、黒く太いバイブが挿入される。
「あああ・あああ・・・・・」
彼女の声が、大きく響いた。
その彼女に重なるように、男だったもう一人の女性が、自分のものを彼女の前に挿入した。
それは、ありえない姿だった。
りんは、その光景に目を奪われた。
上になった彼女のお尻に、今、ステージに上がった男性のものが差し込まれた。
残った2人は、前に回り、それぞれ2人の女性の口を使う。
目隠しされた彼女の口を使って、まるで性器のように激しくピストン運動していた男性が最初に口の中に果てた。続いて、上になった女性のお尻を抱えていた男性が、そのまま中に出す。
最後に、上にかぶさっていた女性の口を使っていた男性が、彼女から離れた。
上に乗っている女性の口が、下の女性の唇に触れると、その口元から白濁した液体がすーっと滴り落ち、それを下の女性が口を大きく開いて受けた。
りんは、再び祐二を見た。
隣りのテーブルでは、タイトスカートをお腹まで捲り上げた女性が、男性の膝の上に乗っている。
りんは、もう一度、祐二のものを咥えた。
りんの挑戦2-5
5.目隠し
「りん・・・」
呼ばれてりんは、祐二のものを咥えたまま、祐二を見上げる。
「脱いで」
りんは、ためらうことなくその場で着ているものを脱いだ。
祐二は、いつの間にやってきたのか、傍らに立つ男性からアイマスクを受け取ると、それをりんにつけた。
男は、りんの脱いだ服を持って戻っていく。
「行こうか?」
りんは、祐二に引かれて、立ち上がった。
りんは、先ほどのステージの目隠しされた彼女のことを思い浮かべた。
(祐二さん、わたし、裸よ・・・・)
りんは、祐二に押され、ただ歩いた。
扉が開いた。
(外に出るの?)
りんは、入ってきたときのビルの様子を思い出していた。
真っ直ぐ歩いて、止まった。
(エレベーター?)
自分で外そうと思えば、外せるのだが、りんは、黙って目隠しをしたままエレベーターに乗った。
(誰か乗ってきたら・・・・・)
りんは、祐二の背中に隠れるように立ったが、後ろに人がいないとも限らない。
もしかしたら、すでに周りに何人か人がいるのかもしれない。
お尻に誰かの手が触れた。
「あっ・・・」
りんは、思わず声をあげた。
祐二は動かない。
男の手は、大胆にりんの太ももに割り込み、すでに何人もの男を受け入れたりんの中に侵入してくる。
「祐二・・・さん」
りんは、小さな声で祐二の名を呼んだが、やはり祐二は動かない。
エレベーターが止まって、男の手は消えた。
(1階は・・・・)
りんは、必死に思い出そうとした。
(まっすぐ歩けば・・・外だわ)
祐二は、ためらうことなく真っ直ぐ歩く。
(祐二さん・・・・外よ)
りんは、もう気が気ではない。全裸なのだ。
自動ドアが開いた。
「祐二さん」
とうとう、りんは祐二の名を呼んだ。
「車が来ている」
祐二は、ひとことそう言うと、りんの背中に手を回し、りんを前に押し出すように歩く。
りんは、もう息が止まりそうだった。
さっきの男だって、いっしょに降りたはずだ。
りんは、頭を押さえられ、車に乗せられた。
「○○まで・・・・」
隣に乗った祐二の声。
(タクシーなの?)
前屈みに身体をこわばらせたりんの肩にジャケットが掛けられた。
りんは、慌てて袖に手を通したが、下半身は裸のままだ。
「祐二さん・・・ティッシュか何か・・・・」
祐二の方に顔を近づけてりんは小さな声で言った。
車のシートを汚してしまいそうだったのだ。
車が祐二のマンションについた。
りんは、先に降りた祐二の懐に飛び込むようにタクシーを降りた。
着ているのは、ジャケットだけ。おそらく前も後ろも隠れてはいない。
エントランスでもエレベーターでも誰にも会わなかったが、会ったとしてももう平気だった。
慣れたわけではない。激しい緊張の連続で、感覚が麻痺してしまったのだ。
まっすぐ歩くことすらおぼつかなかった。
りんは、祐二に抱きかかえられるように、やっとの思いで祐二の部屋に帰った。
祐二は、りんをソファに寝かせると、キッチンに向った。
りんは、意識は、はっきりしているのだが、体が思うように動かない。
「アイスティーだが・・・飲めるか?」
祐二が、グラスにアイスティーを入れて持ってきた。
「ええ・・・」
ようやく上半身を起して、りんは、コップを受け取り、アイスティーをひと口、口に含んだ。
(冷たい・・・・)
冷たい液体が、咽をとおり、お腹に入っていくのがわかる。
ひと口のつもりだったが、りんは、いっきに全て飲み干した。
「立てるか?」
祐二が、空になったグラスを受け取りながら、訊いた。
「ええ」
さっきまでふわふわしていた足の裏の感覚が、少し元に戻った。
「シャワーでも浴びる?そのあいだに、コーヒーでも入れるよ」
「・・・・わたしがやります」
「いいんだ・・・シャワーを浴びといで・・・」
「・・・・・はい」
正直なところ、りんはシャワーを浴びたかった。
仕事がら、セックスで動揺することはない。
そう思っていた。
ただ、目隠しは・・・・・
不安感は予想以上だった。
(会場を知ってて、ああなんだから・・・どこだか知らされてなかったら・・・・)
想像するだけで、胸が不安で締め付けられた。
バスルームを出て、りんは、裸のまま、リビングに向った。
そうしろと言われたわけではないが、そうしたかった。
コーヒーのいい香りがする。
ソファに座った祐二の前にりんは、裸で立った。
「コーヒー・・・どうぞ」
祐二がテーブルの上のコーヒーをりんのほうに差し出す。
りんは、祐二の前の床に座った。
「ありがとう」
りんは、祐二のコーヒーをひと口、口に含んだ。
今度は、温かい。
「泊まるか?」
祐二の言葉にりんはうなずく。
「あのぉ・・・・祐二さん」
「何?」
「お腹・・・空いてるんじゃないですか?」
「そうだな・・・・そう言えば・・・何も食べてないな」
ショーが早く、祐二はお酒もほとんど飲んでいない。
「やっぱり・・・。何かありますか?なければ買ってきますけど・・・」
「冷蔵庫に何かあるだろう。作ってくれるの?」
「ええ・・・・女ですから・・・」
りんは、コーヒーのカップを置いて、キッチンに向った。
「祐二さん、このエプロン借りていいですか?」
意外にも、エプロンが、冷蔵庫にくっつけたマグネットのフックにひっかけられていた。
(祐二さん・・・自分で料理してるのかな?)
「祐二さん、料理されるんですか?」
りんが、振り返ると、ソファに座った祐二と目があった。
(祐二さん・・・・・見てる・・・・わたしを・・・・)
胸がきゅっと締め付けられた。
視線を強く意識したせいかもしれない。
りんは、いつのまにか視線をことさらに感じ、それに反応するようになっていた。
キッチンは、居間に向かって大きく開いている。
シンクの前に立つりんの後姿は、居間にいる祐二から丸見えだ。
背中に・・・お尻に・・・、りんは祐二の視線を感じた。祐二は、ずっとりんの後姿を見ている。
ときどき、確認したくてりんが振り返ると、必ず、祐二の視線にぶつかった。
慌てて目をそらすのは、りんのほうだ。
(見られてる・・・・わたしをずっと見てくれている・・・・・)
見られているだけで・・・・・・快感だった。
りんの挑戦3-1
第3章
1.時間外勤務
4時47分。
終業時間の5時まで後13分。
今日の仕事は、5分前に終わっている。
りんは、データの送信をして、窓から祐二の部屋の窓を覗いた。
カーテンが引かれたまま。
今日は一日、ずっとそうだった。
金曜の夜に祐二の部屋に泊まって、次の朝、早く出かけるという祐二に家まで送ってもらってから、会っていない。
今日は火曜日。昨日も今日も呼ばれなかった。
りんは、業務終了のメールを打った。
確認の返信が来るはずだったが、来たのは、別のメールだった。
「8階のわたしのオフィスに来て下さい」
署名は、水谷
(8階ってことは・・・・役員・・・水谷って・・・)
りんは、端末機で社員名簿を見る。
(社長?・・・うそ・・・えっ・・・何の用、わたしなんかに・・・・)
りんは、緊張した。
ドアの前で、一回深呼吸をして、ノックした。
「どうぞ」
若い声だ。
りんは、ドアを開けて中に入った。
「ああ・・・美崎さん・・・悪いねこんな時間に呼んで・・・まぁ、座って・・・」
水谷は、奥の自分のデスクから立ち、りんをソファに座らせた。
ソファが、予想以上に柔らかく、りんのお尻が深々と沈み、背もたれに倒れ掛かってしまった。
膝のほうが、お尻よりもはるかに高い。
りんは、祐二のためにずっとノーパンだ。
慌てて姿勢を戻したが、緊張はさらに増した。
「どう・・・仕事は慣れた?」
水谷は、何かキャビネットから資料を取り出している。
「は・・・・はい」
「コーヒーで・・・いいかな?」
「は・・・はい。・・・いえ、・・・わたしが入れます」
部屋の入り口横のサイドテーブルにコーヒーが沸いていた。
(社長、自分でコーヒーを入れてるんだ…そういえば、ここには女性がいなかったわ)
りんは、立ち上がり、プラスティックのカップにコーヒーを入れた。
水谷は、先ほどりんが座っていたその正面に座っている。
りんは、テーブルにコーヒーを置くと、ぴったり足を閉じ、ソファの前の方に浅く腰を掛けた。
「話っていうのはね・・・」
水谷は、身体を乗り出して話し始めた。
「実はね・・・君に別の仕事を頼みたいんだが・・・」
「別の仕事…ですか?」
水谷の背中の窓越しに祐二の部屋の窓が見えた。
水谷のオフィスの正面、位置的にはやや斜め下になるが、そこはちょうど祐二の部屋の窓だ。
その窓のカーテンが開いた。
開けたのは・・・・女性だった。
若い。20歳そこそこだろうか?
髪の長いその女性の後ろに男がいた。
「わたしの秘書になってもらえないかね・・・」
おもむろに水谷が切り出した。
りんは、水谷の声を聞いて、水谷に顔を向けたが、どうしても、目の前の水谷ではなく、その先の祐二の部屋が気になった。
「いや、契約内容と異なるので、もちろんあなたのところに連絡はするが、その前に君の承諾を得ておこうと思ってね・・・どうだろう?」
祐二の部屋の窓が斜め下のため、少し窓から離れている祐二の顔は見えないが、後ろから若い女性のお腹に回した腕は・・・・祐二の腕に違いなかった。
(祐二さん・・・・)
祐二が女の胸をまさぐり、スカートをめくり上げる。
彼女も…下に何もつけていない。
「はい」
りんはとりあえず返事をした。
水谷の言うことは聞こえてはいるが、それがどういうことなのか考えるゆとりはなかった。
向かいの窓で若い女性が、ワンピースを脱いで裸になった。
彼女のお尻が窓にくっつく。
りんは、もうこれ以上ここにいたくなかった。
見たくなかった。
水谷は、りんの次のことばを待ったが、りんは黙ったままだ。
「急なことで、驚くのも無理は無いが・・・。どうかな?OKだと思っていいのかな?」
「OKって?今すぐ返事をしなければならないのでしょうか?」
「いや、申し訳ない」
水谷は、自分の言葉が軽かったことにりんが反発したのだと思った。
「冗談で言っているわけではないんだ。申し訳ないが、君の事は調べさせてもらっている。君が他にアルバイトをしていることも承知している。すべて知った上で依頼してるんだが…」
「アルバイト?」
「君は、デリヘルで仕事をしているんだよね?」
(それを知ってて、秘書?)
「率直に申し上げます。確かに、不定期ですが、デリヘルで働いています。もしかして、そういう意図でわたしを秘書にということでしょうか?」
「いや、誤解しないでくれ。これは、確かにわたしの言い方が悪かった。申し訳ない。気を悪くしないでくれ。そんなつもりはさらさらないんだ。わたしが言いたかったのは、バイトの件は、ちゃんと承知しているから、気にしないでくれということだ。時間外の勤務もさせない。バイトをやめろとも言わない」
水谷は落ち着いた言い方で、りんに非礼を詫びた。
「すいません。わたしこそ失礼なことを申し上げました」
「いや、勘違いされるような言い方をしたのはわたしだ。申し訳ない」
下心など微塵も感じさせない表情だ。
りんは、余計に恥ずかしくなった。
窓の向こうで、女がしゃがんで祐二のズボンのベルトに手をかけた。
「どうかな?受けてくれないだろうか?」
水谷の言葉はりんの耳に入っているのだが、りんの意識は、正面の窓に集中して水谷の言葉どころではなくなっていた。
(ばかな女…ただの仕事だったのに…)
りんは、祐二とのことはただの仕事だったのに、それを勘違いしていた自分をあざ笑った。
(あの部屋を覗かれていたのは、祐二さんがいつもそうしてたから…。わたしが初めてじゃないって、わかってたのに…)
「どうかな?もう制服も用意してあるんだが…」
水谷が再度、りんの返事を促した。
「はい?」
(制服?…制服が変わるの?)
「これを…着るんですか?」
りんは、水谷の机の上に置かれた制服を手に取った。
「ああ。・・・だめか?」
(だめかって…ここで着替えろっていうこと?)
服を着替えさせるなどとは、明らかにセクハラだ。
(結局、そういうことなのね)
窓に女の背中がぴったりとへばりついた。
祐二が挿入して、窓に押し付けているのだ。
「いえ・・・だいじょうぶです」
思わず、りんはそう答えていた。
「よろしいですか?」
りんはそう言うと、制服を手に取り、水谷の前で着ていた上着を脱いだ。
水谷は、不思議そうにりんを見たが、りんの視線は水谷には向いていなかった。
りんは、上着を脱ぎ、シャツのボタンを外した。
ブラはつけていない。
「いや、今、着替えなくてもいいんだ」
水谷は、突然、服を脱ぎだしたりんの意図をはかりかねて制止したが、りんはやめない。
「社長さん、今日は、わたしもう時間外なんですが・・・」
りんは、わざと社長に“さん”をつけた
「そうだったね。悪いことをした」
「いえ、そうじゃなくて・・・別の仕事をしていいですか?」
「どういうことだ?」
「こういうのです」
りんは、水谷に背中を向けると、タイトスカートの裾を徐々に上に持ち上げ始めた。
スカートの下は、サスペンダータイプのパンストで、股間からお尻は大きく露出している。
ほんの数センチ持ち上げただけで、ストッキングの切れ目から真っ白な太ももが表れた。
さらに数センチ
水谷の目の前に、りんのむき出しのお尻が見え隠れする。
「どういうつもりだ?」
りんのお尻が半分露出したところで、水谷が言った。
りんは、完全にお尻を露出させると、振り返って、水谷の前にしゃがんだ。
りんの視界の端に、今度は窓に手をついて、後ろから突かれている女の姿が映った。
りんは、水谷の股間に手を伸ばした。
「わたしが、客なのか?」
水谷が、落ち着いた声でりんに訊く。
「はい・・・・だめですか?」
「だめではないが・・・・ちょっと待ってくれ」
水谷は、窓のブラインドを降ろした。
「わたしも、裸の女を窓際に立たせたいとは思うが、立場上、ここで、そんなことはできない」
(この人も知っている・・・・)
「もしかして・・・わたしを・・・見てました?」
りんは、下の階から、自分を見ていた男のことを思い浮かべた。
「今日は・・・別の人のようだが・・・・わたしが、邪魔をしてしまったのかな?」
水谷はりんの質問には答えず、逆に、水谷の思わぬ質問にりんは、戸惑った。
「いえ・・・そんなことは・・・ありません。今日は、もともと呼ばれてませんから」
「そう。・・・・いや、もし、わたしのせいだとしたら、悪いことをしたと思ってね」
「いいえ・・・」
りんは、ゆっくり大きく首を振った。
「いや、それでも、君の仕事の時間を奪ってることには変りはないな」
「だいじょうぶです。今日は、お休みの予定でしたから・・・・」
「そうか。じゃぁ、休みのところ申し訳ないんだが・・・仕事を続けてもらえないか?」
「仕事?」
「ああ。店に電話をしたほうがいいか?」
「今日はいいです」
「そうか。じゃぁ、そこに座って・・・」
りんが、立ち上がって、スカートを戻そうとすると、水谷がそれを制した。
「そのままだ」
りんは、お尻の半分を晒したままで、水谷の正面、先ほどまで自分が座っていた場所に座った。
「足を開いて・・・」
りんは、言われるまま従う。
柔らかいソファにお尻が沈み、お尻よりも膝の位置が高い。足を開いただけで、少し前屈みの水谷から全てが見える。
「足を上に乗せて・・・」
りんは、両足を開いたままソファの上に乗せた。自然と背もたれにもたれる格好になる。
「指を入れて」
りんは、自分の股間に指を這わし、前後に擦って、クリを指で挟んだ。
それを何度か繰り返し、中指1本だけを中に入れた。ゆっくりと・・・・。
水谷はじっと見ている。
もう指示はない。
(続けるのね・・・・)
りんは、もう一方の手で自分の乳房をつかみ乳首を指で挟み、中指と薬指の2本を深々と指の付け根まで差し入れた。
りんの挑戦3-2
2.絶叫
人前でオナニーをするのは初めてではない。
オナニーを見たがる男はけっこういる。
りんのオナニーを見ながら、自分もオナニーを始めた男もいた。
その男は、放出寸前に立ち上がり、りんにそれを握らせると、りんの顔にかけるように要求した。
りんは、自分の顔のすぐ前で男のものを手でしごき、自分の顔に向けて放出させた。
ばかばかしい行為だったが、男は、ひどく嬉しそうな顔で、その後3回呼ばれたが、3度目は別の人に代わってもらった。
そのこと自体は、別にどうということもなかったが、男は太っていた。
男のものを顔にかけようとすると、どうしても太った男の醜い下腹を目の当たりにしなければならない。りんは、仕事だという割りきりが下手だ。
“感じている振り”というのががうまくない。
本気で感じるには、その男の下腹部は醜すぎた。
りんには2回が限度だった。
今も、本当なら、初めての客、水谷の反応をうかがいながら、オナニーをするのだろうが、りんにはそんな器用な真似はできない。
それに、今は、何も考えたくなかった。
何も考えずにすむように、りんの指は、激しく動いた。
足を大きく開き、乳首を弄っていた指でクリトリスを挟み小刻みに前後させ、中に入れた指は、内壁の一点を押さえ、小刻みに振動させた。
ふぅー・・・・ふぅー・・・・
りんの息が荒くなる。
りんは、天井をむき、目を閉じた。
「あ・・・・・・ああ・・・・・・」
お客を前に、目を閉じて自分だけでいこうとしていた。
不意に乳房をつかまれた。
ぎゅっと指が食い込んだ。
(痛い・・・・)
水谷が、目の前にいた。
来そうだった波が引いていく。
りんは、足をソファからおろし、前に乗り出すと、目の前の水谷のズボンのベルトに手をかけた。
さっき向かいの窓で、若い女が祐二にしていたように、水谷のズボンを下ろした。
水谷は、ズボンもパンツも脱ぎ去り、下半身は裸になった。
シャツにネクタイにスーツを着た下半身裸の男というのは、おそらく誰がやっても絵にならない。
みっともない姿に違いない。
しかし、水谷は、そのかっこうのまま、ぎゅっとりんの頭を両手で押さえ、りんの口の中に自分のものを差し込むと、そのままソファに乗って来た。
りんは水谷に押され、背もたれに押し付けられる。
ふーっ
水谷が少し後ろに下がって、ほっとしたのも束の間、水谷は、りんの脇の下に手を入れ、りんに万歳をさせると、上にあげたりんの両手を左腕で抱え、また、りんの口の中に挿入する。
そして、あいてる右腕で、りんの後頭部を押さえた。
「ふぁうわぁ・・・ぐふぁうわぁ・・・」
水谷は、ゆっくりだが、りんの咽の奥にまで深く入ってくる。
腕を持たれ、頭を押さえられ、身体は、ソファの背もたれと水谷の身体に挟まれ、りんは、全く動けない。
(・・・くるしい・・・・)
逃れたいが、どうしようもない。
咽の奥に差し入れて、水谷が止まった。
(う・・・・・う・・・・・・う・・・あ・・うううう)
りんは、足をばたつかせ、必死に身体を揺するが、動けない。
意識が、薄れていく。
はぁー・・・ぐふぉっ・・・ぐふぉっ
ようやく水谷が腰を引き、同時にりんはむせて、ソファに横たわった。
水谷は、横たわったりんの足を持ち上げ、うつ伏せになったりんのお腹をソファの肘掛に乗せた。
りんの足は、ソファの外。くの字になったりんのお尻が高く突き出された。
りんは、まだむせていたが、水谷はそれにかまわず、ぐぐっと深く挿入する。
「ああ・・ああ・・・・」
りんの思考は完全に止まった。
刺激に対して、体が反応しているだけになっている。
「ああ・ああ・ああああ・・・・」
水谷に突かれるたびにりんは、大きな声をあげた。
(当たる・・・当たる・・・・・ああ・・あ・・・・)
「あ・・・ああ・・・・・あ・・・・ああ・・・」
ぐっと奥まで突かれ、息を止める。
水谷が急に止まって引かない。
こらえきれずにりんが、息を吐いたとき、すっと引かれる。
「ああ・・・・・・」
(来る・・・・来る・・・・・あああ・・・・)
立て続けに来た。
一回・・・・二回・・・・三回・・・・
後は、小刻みに何度も寄せてくる。
水谷が、さらに間をおいて、さっと離れた。
「ああああああ・・・・」
絶叫するりんのお尻の上に水谷は放出した。
りんは動けなかった。
水谷がズボンを穿く音がする。
それでもまだりんは動けない。
水谷が、ティッシュで拭いてくれた。
水谷が新しいコーヒーをいれて来るまで、むき出しのお尻を晒したままりんは動けなかった。
「だいじょうぶか?」
水谷の声に、ようやくりんは身体を起したが、床に座り込んだまま起き上がれない。
「コーヒーを入れたが」
「はい」
りんは、ようやく立ち上がり、まくれ上がったスカートをおろし、水谷の前に座った。
シャツの前ははだけたまま、乳房が見え隠れしているが、ボタンを留めるような細かな作業は、とてもできそうにない。
コーヒーのカップが、やけに重かったが、とにかく、何か、身体に入れたかった。
「ふーっ」
コーヒーをひと口すするのにも大きく息をついた。
「わたしは・・・・挑発されるのは、あまり好きではない」
ゆっくりした口調で水谷が話し出した。
りんは、自分のことしか考えていなかった。
窓の向こうの祐二に見せつけてやりたい、そんな思いで、確かに水谷を挑発した。
「すいません」
「いや・・・そんなにたいしたことではない。どちらかというと、といったぐらいのものだ、気にしないでくれ」
りんは、ようやくシャツの前を留めた。
「で、先ほどの件だが、明日からでもいいのかな?」
「・・・はい」
今さら断れるはずもなかった。