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美菜子の恋1-4
俺は美菜子の前に回った。
美菜子を横に転がすと、美菜子の口に自分のものを当てる。
美菜子は、先端に舌を這わせ、それをゆっくり口の中に入れた。
何度か口を上下させて、俺は手で美菜子の頭を押さえ、ぐっと、美菜子の喉の奥まで突き入れた。
うぐっ…
根元まで、ゆっくり差し入れると、そこで止める。
2秒、3秒…。
美菜子の顔色が変わり、目が大きく開かれる。
さっと抜いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
美菜子の口からよだれが流れ落ちた。
美菜子が息を整える間もなく、次も…次も…。
「あぁー…はっ…はっ…はっ…はっ、ふーぅう…」
俺のものが、口から離れると、美菜子は、声なのか息なのかわからない声をあげ、必死で息をする。
俺は、口から離れ横向きの美菜子の片足を高く上げ、美菜子の中に挿入した。
「はぁーあ…ああああ…」
まだ息の整っていない美菜子は、肩で息をしながら、俺の動きに応じようとしたが、タオルで胸を締め付けられているせいか、思うように息が出来ない。
「ああ…ああ・あ…ああ…」
美菜子は、ほとんど息をしていなかった。
俺は、動きを止め、美菜子を縛った紐を解いた。
それからゆっくり、美菜子を仰向けにし、バスタオルを開いた。
美菜子は、足を開き、膝を曲げ、自由になった手を広げ、大きく何度も何度も息をする。
そのたびに、乳房が盛り上がり、お腹が引っ込んだ。
俺は、それに見入った。
やがて、ゆっくりしたリズムで、それが繰り返されるようになる。
美菜子のお腹に手を置いた。
柔らかい。
少し、押した。
…すっと手がめり込んだ。
…柔らかい。
もう少し強く押した。
…同じだ。
…もっと、深く入る。
ぐいっと、力を込めて押した。
「…ふうわぁ…」
息なのか、声なのか、美菜子は腰を折って逃げた。
この感触は、初めてではない。
それがいつだったかもはっきりと覚えている。
ただ、それからは、もっとずっと堅いものを殴ってきた。
鉄板のように堅いもの。
鍛え抜かれたボディ。
俺はそこに拳をめり込ませて来た。
えぐるにつれて増してくる抵抗感があるはずだった。
しかし…この腹は…それがない。
お腹を押さえる美菜子の手を払い、今度はぐいっと強く拳をめり込ませた。
美菜子は、またくの字になった。
奥までめりこませ、手ごたえを感じて、腕を引く瞬間、さらに奥に拳を引っ張られたような気がした。
(なんだ?…もっと奥まで入るっていうのか?…)
俺は、確かめたくなって、もう一度、美菜子を仰向けにした。
美菜子と目があった。
「まだ、殴るの?」
手加減しているとはいえ、プロのボクサーの拳だ。
「…悪かった、…もういい」
「…いいわよ。殴って…」
美菜子は、自分で手をどけ、その手を頭の上に持っていった。
俺は、今度は拳ではなく、手のひらを置いた。
ゆっくり押す。
美菜子がゆっくり息を吐いた。
手が沈んだ。
すーっと、もうここまでと思って引いた手が、また吸い寄せられる。
(不思議だ…この感触…)
俺は思わず、拳を入れていた。
不思議な感触だった。
美菜子は、また、くの字になって小さな息を繰り返す。
俺は、横向きにお腹を押さえた美菜子の片足を持ち上げた。
美菜子の表情が歪む。
まだ、息が苦しいに違いない。
(どこでもいいんだったな…)
俺は、美菜子のお尻に挿入する。
「ああぃっ…う…うううう…うううう」
美菜子は声をあげた。
腹が痛むのだろう。
おそらく、今は、体中のどこを刺激されても腹が痛むに違いない。
俺は、容赦なく突き上げた。
美菜子の体がさらに折れ曲がった。
「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
美菜子は、まるで妊婦がお産をするような息を繰り返し始めた。
ただ、痛みをこらえていた時とは表情が違う。
眉間に寄せていたしわが消えた。
痛みがなくなったのか、それとも痛みに慣れたのか?
俺は、だんだん動きを激しくしていく。
「はぁ・・あああ・あああ・・・」
美菜子の声が大きくなって連続する。
「うっ」
俺は、小さくうめき声をあげて、美菜子のお尻に出して、そのまま美菜子の上にかぶさった。
俺の下で美菜子はじっとしたまま動かない。
(重いだろうに…)
俺が美菜子から離れると、美菜子は、再び身体を丸め、はぁはぁと浅い息を繰り返した。
俺は、なぜかその姿から目を離せず、じっと美菜子を見つめた。
美菜子の浅い息は元に戻ったが、それでも目を閉じたまま動かない。
(眠ったのか?)
俺は、近づいて美菜子の顔を覗きこむ。
「ごめん。もうちょっと…」
目を閉じたまま、美菜子がそう言った。
「動けないのか?」
「だいじょうぶ。でも、もうちょっと待って…」
いった後、余韻を楽しむように抱きついてくる女がいる。
そういうとき俺は、わざと起き上がり、シャワーを浴びたりする。
セックスを楽しむ女は好みではない。
美菜子は余韻に浸っているわけではなかった。
それは見ればわかる。
小さくて華奢な女だ。
乱暴にされて、壊れる寸前だったに違いない。
練習中に意識をなくして倒れた自分を見ているようだった。
減量中のトレーニングはきつい。
疲れてくると、吸った息をすぐに吐いてしまう。
頭がぼーっとしてめまいがする。
横になっても目が開けられない。
目を開けると、吐き気がする。
「もう平気よ。ごめんなさい」
美菜子がようやく起き上がった。
「部屋がぐるぐる回ってたか?」
「目をつむって見ないことにしてるの」
美菜子が笑う。
(変わったやつだ)
「いつもなの。動けなくなって…。でも、だいじょうぶ。じっとしてたら元に戻るから…」
「悪かったな。乱暴にして…」
「いいのよ。気にしないで…」
「ねぇ」
「ん?」
「泊まってく?」
「いいのか?」
「かまわないわ」
「そうか、じゃぁ、そうしようか」
久しぶりに疲れを感じて、俺は眠った。
美菜子の恋1-5
5.こんな朝もいい
カチャン
食器があたる音で目が覚めた。
「ごめん、起こした?」
「いや」
ひどい頭痛がした。
「どうしたの?二日酔い?」
「いや。いつもの頭痛だ。しばらくじっとしてれば良くなる」
俺はまた、目を閉じた。
眠るわけではない。
もう眠れないことも知っている。
ただ、今、起きると頭痛がおさまらない。
いつものことだ。
激しい頭痛と吐き気で目が覚めることもある。
しばらく横になっていないと一日中それに悩まされることになる。
「何してた?」
俺は目を閉じたまま美菜子に訊いた。
「コーヒーいれてる」
そういえば、いい香りだ。
「いる?」
「そうだな。もらおうか」
「ちょっと待ってね。今、入れるから」
「ああ」
どうせ、すぐには起きられない。
しばらくして、俺はゆっくり身体を起こした。
「そこで飲む?」
「いいのか?」
「いいわ」
美菜子がコーヒーを持ってきた。
少し苦味のあるコーヒーだが、苦味は嫌いではない。
コーヒーのせいか、頭痛がおさまった。
「シャワー浴びてくる」
美菜子は、裸になってバスルームに向った。
シャワーの音がする。
(こんな朝もいい)
俺は、美菜子がバスルームから出てくるのを待って起き上がった。
「俺もシャワーを浴びる。いいか?」
「どうぞ」
俺は、首に熱めのシャワーをあてながら、ゆっくりと首を回した。
頭痛のする日は、たいてい首がガチガチに固まっている。
今日もそうだ。
首をほぐし、体全体の筋肉をひとつひとつ伸ばしていく。
頭の奥のほうに痛みの元のような塊が残っているが、だいじょうぶそうだ。
バスルームを出ると、俺はすぐに服を着た。
急いで帰る必要はないが、長居をする関係でもない。
「帰るよ」
ただ、そう言った。
「だいじょうぶ?送っていこうか?」
「いや、すぐそこだ。歩いて帰れる」
「そう」
「ちょっと待って」
玄関に向かう俺を美菜子が呼び止めた。
「何だ?」
「カメラマンなんでしょ?」
「ああ、一応…」
「写真撮ってくれない?」
「かまわんが…」
「今日、いい?」
「今、これからか?」
「だめ?」
「いや。だめじゃないが…、どんな写真だ?」
美菜子は少し考えて答えた。
「わたし、写真がないの…」
「どういうことだ?」
「絵はあるけど…写真はないの…」
「そういうことか…。わかった」
「ちょっと用意するから、待っててくれる?」
「いや。俺も準備があるから、先に帰るよ」
「そう、じゃぁ、後からいくわ」
俺は、美菜子のマンションを出た。
自分の住んでいる写真館の近くだが、めったにこっちには来ない。
(こんな近くじゃ、どこかで会ってたかもな)
美菜子の顔が浮かんだ。
苦痛を浮かべた顔だ。
見たはずなのに、笑顔の美菜子は思い出せなかった。
美菜子の恋2-1
第2章
1.撮影
デジカメの普及で写真屋は、斜陽産業になりつつある。
いや、もうとっくにそうなっている。
店は、バイトの店番一人で事が足りている。
俺の仕事は、カメラマンだ。
俺の父、重雄は、依頼されて写真を撮っていた。
人からは緊縛師と呼ばれていたようだ。
俺も縛ることはできる。
教わったわけではない。
小さい頃から見ていただけだ。
俺の母親も元は重雄のモデルだったらしい。
結婚してからも離婚してからもずっと撮っていた。
親父は二年前、現役を退いたが、顧客の要望で、今は俺がそれをやっている。
ただ、最近は、ビデオ撮影の依頼が多くなった。
写真もそうだが、ビデオとなると素人とプロの差はさらに広がる。
そのうえ、編集となれば、素人にはなかなかこなせるものでもない。
おかげ様で、そこそこ途切れることなく仕事はあった。
美菜子はすぐにやってきた。
「店長、お客さんです」
店番のバイトから内線が入って、俺は店に下りて行った。
店は1階だが、スタジオは7階だ。
もともと2階から上はテナント貸ししていたのだが、空いてしまい、埋まらないのでスタジオに改装した。
今は、5階も6階も空いている。
「それに着替えて」
俺は用意したバスローブを渡した。
「いい香り」
コーヒーをいれたばかりだ。
「コーヒー、飲むか?」
「ええ、ありがとう」
美菜子は、コーヒーをひと口すすった。
「おいしい」
俺は、美菜子の顔をじっと見ていた。
「なぁに?」
「いや…なんでもない」
俺は、カップをテーブルに置いてカメラを取り出した。
「重そう」
大きなカメラは、いかにも重そうだった。
「始めようか」
美菜子は、俺に指示された場所に立った。
「背中を撮る」
美菜子は、バスローブを取り、裸の背中を俺に晒した。
美菜子は、腕を頭の後ろに回して組んだ。
何のポーズの指示もしないのに美菜子は、自分勝手に腕を伸ばし、体を曲げ、ベンチでカメラに背中を向けて丸まった。
勝手に動く美菜子を追って、俺は、シャッターを切り続けた。
(写真がないって言ったが…)
「モデルの経験があるのか?」
俺は美菜子の前に回ってカメラを向けた。
「あるわ」
ベンチの上で、かたつむりのように丸まっていた美菜子が顔を上げた。
「でも、写真はないの」
通常、撮った写真はカメラマンの所有だ。
美菜子は、前にいる俺のカメラを見つめたまま、お尻を高く上げ始めた。
お尻だけが上に突き出された格好だ。
きゃしゃな身体に似合わないほどお尻が左右に張っている。
「どこ撮ってるの?」
俺のカメラは、美菜子の後ろの鏡に向いていた。
「尻だ」
「大きなお尻でしょ」
「ああ。男が寄ってくるだろ」
「そうね。ひとり寄ってきたわ」
「ねぇ…」
美菜子が、話しかけた。
「なんだ?」
「縛らないの?」
「縛られたいのか?」
「ううん。そうじゃないけど…」
「今日、店は?」
「いつもと同じ」
「仕事が終わって、もう一度来るか?」
撮影用の形だけの緊縛などばかばかしくてやってられない。
「遅いわよ。いいの?」
「かまわんさ」
「そう。でも、夜中に開いてるのここ?」
俺は、カメラを置いて、携帯の番号を書いて美菜子に渡した。
「待っててくれるの?」
「ああ」
俺は、もう一度、美菜子にお尻を突き出した姿勢をとらせた。
写真を撮るためじゃない。
俺は美菜子の後ろに立ち、そこに自分の肉棒をあてた。
「…ゆっくり…きついわ」
撮影だけで濡らす女もいるが、美菜子は違った。
「痛いか?」
「ひどいわね…」
「ああ…ひどい男だ」
「…ばか」
俺は、いきなり激しく動いた。
夜中の2時過ぎに美菜子はやってきた。
エレベーター脇の非常口を開けると美菜子が立っていた。
「来たわ」
7階には、俺の作業部屋があり、俺はそこで暮らしている。
「ここって、スタジオ?」
部屋に入るなり、美菜子が訊いた。
「元はそうだが、今は俺が住んでいる」
「ふーん。ここがあなたの家?」
「そういうことだ。ちょっと待ってくれるか。朝撮った写真をプリントしていたところだ」
「ええ、どうぞ」
美菜子を待たせて、俺は暗室に入った。
俺が部屋に戻ると、美菜子は俺のベッドで寝ていた。
ソファの上に服がたたんで置かれている。
下着も乗っていた。
そっと毛布を持ち上げると、美菜子は横を向き、丸まって眠っている。
お祈りでもするように体の前で折りたたんだ腕の間から乳房がのぞいている。
(おかしなやつだ)
小さな寝息を立てて、眠っている。
俺は、美菜子にアイマスクをした。
美菜子が動く。
かまわずに、美菜子の腕に白いボクシングのグローブをつけた。
目が覚めたようだ。
「ごめん…寝ちゃったみたい…これ、何?」
美菜子は、グローブをつけた腕を上げた。
「ボクシングのグローブだ」
「ふーん。どうすんの?目隠ししてボクシングするの?」
「まさか…」
俺は、笑った。
「立って」
俺は美菜子の手を取り、ベッドの脇に立たせた。
俺は美菜子の両手を合わせ、グローブの手首の部分をテープでぐるぐる巻く。
「縛るんじゃなかったの?」
「縛りはやめた。今日は、吊る」
俺は、美菜子の両手を高く上げさせ、天井に吊った。
「どこ?お願い、近くにいて」
しばらくして美菜子が、小さな声で言った。
俺は、美菜子を抱きしめた。
美菜子の腰がしなり、足が浮く。
「はぁううう…」
美菜子が声をあげた。
きつすぎるんだろうが、それでも美菜子は何も言わない。
俺の腕にさらに力がこもった。
「ああぁぁぁあぁぁぁ…」
耐え切れなくなった美菜子が、顔を真っ赤にしながら声をあげるが、それでもやめてとは言わない。
俺は力を抜いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
美菜子は絶え絶えの息をしている。
(不思議な女だ)
美菜子はめいっぱい耐える。
すぐに呼吸がでたらめになって、小さく浅い息を繰り返す。
それでも我慢している。
「美菜子」
少し、息が整ったのを見て、俺は話しかけた。
「何?」
「よく縛られるのか?」
(どうかしている?なぜ、そんなことを訊く?嫉妬か?)
俺は、今まで一度も嫉妬などしたことはない。
「いつもじゃないけど…」
美菜子は、平然と答えた。
男がいるということだ。
「そいつとは長いのか?」
「気になるの?」
「俺はかまわんが、お前はいいのか?」
「嫌な人」
「すまん」
「謝るの?」
「おかしいか?」
「ううん…ねぇ、殴るの?お腹…」
美菜子は話題を変えた。
「殴って欲しいか?」
「なわけないでしょ。でも、好きにしていい」
「そうか…」
俺は、美菜子のお腹に手を当てた。
びくっと美菜子がお腹を引く。
美菜子の背中に左手をあて、右手で強くお腹を押す。
「うっ」
美菜子が息を止めた。
「美菜子」
「ん?」
「どうしてここに来た?」
「来いって言われたから」
「そうか」
「そうよ」
俺は、腕を吊ったロープとは別にもう一本ロープを掛け、美菜子のウエストをぎゅっと絞って吊り上げた。
美菜子のかかとが浮いた。
俺は、立て続けにシャッターを切った。
急がないと、そう長くは持たない。
目隠しをはずした。
カメラの方を見る美菜子の目が泳ぎ始める。
「…ああああ・ああああ…あああ」
美菜子はもうカメラも見てはいない。
(ここまでか…)
美菜子の膝がふるえている。
つま先は床についているが、体重を支えてはいない。
吊られたロープにぶら下がって体が左右に揺れ始めた。
耐える女は、見極めが難しい。
俺は、ロープを解いた。
「…ごめん…」
美菜子はそう言うと、床に横たわってまた浅い息を繰り返した。
美菜子の恋2-2
2.泊まってもいい?
俺は、美菜子を抱え上げ、ベンチの上に寝かした。
意識があるのかないのか、それすらもさだかではない。
美菜子の腕を頭の上に持ち上げて、押さえつけた。
「うぅ」
くぐもったあえぎ声。
(意識はあるようだ)
美菜子の口の中に、舌を入れた。
美菜子は、口を開いて、俺の舌を受け入れる。
俺の唾液が舌を伝って、美菜子の口の中にたまる。
美菜子はそれをごくっと飲み込んだ。
乳首を強くつまむ。
「うっ」
美菜子は小さくうめいた。
お腹をなでる。
「ふっ」
美菜子は息を止め、お腹に力が入った。
なぜだ?と、俺は思う。
150cmそこそこのちっちゃな女だ。
手の平にすっぽりとおさまってしまう程度の乳房。
お尻も太股も、多少はボリュームはあるが、むちむちするほどでもない。
美人か?…それほどでもない。
なぜだ?
俺は、美菜子の胸の上に馬乗りになると、美菜子の腕を両手で押さえつけ、美菜子の口に自分のものを突き出した。
「ごめん」
美菜子は、ごくっと唾液を飲み込んでから、それを咥える。
ゆっくりと挿入する。
大きく息を吸って、それを飲み込んでいく。
深く…浅く…深く…浅く…を何度か繰り返す。
苦しくなって、美菜子が顔を横に向ける。
だんだん、俺のものは体積を増し、喉に入りにくくなっていく。
とうとう、美菜子は顔をそむけて、それを口から出した。
俺は、美菜子の手を押さえつけていた両手で美菜子の頭を抱えあげ、美菜子の顔に肉棒を押し付け美菜子の頬の上で鼻に沿って上下にこすりつけた。
自分の唾液の臭いがする肉棒が、美菜子の顔中を這う。
俺は、美菜子の腕を持ち上げ、美菜子を立たせ、また天井に吊るす。
美菜子の表情がゆがんだ。
俺は、じっと美菜子を眺めた。
腕が痛いのだろう。
美菜子は足を閉じ、かかとをほんの少し上げ、肘を少し曲げている。
爪先立ちのせいか、お尻がつんとあがり、、お腹がぐっとへこんでいる。
脇に触れた。
美菜子は、びくッとして、胸を突き出す。
美菜子の小さな乳首がつんと突き出た。
俺は、美菜子の両方の乳首を人差し指と中指で挟み、そのままじわじわ乳房に5本の指を食い込ませた。
「う…」
美菜子が、声にならない声をあげた。
俺は、乳房をもぎ取るように、両手を引っ張り、手を放す。
「ああ…っ」
美菜子が、小さく叫んだ。
それを何度か繰り返した。
美菜子は、伸びきった身体を、曲げられるだけ曲げて耐える。
俺が、離れてしばらくすると、美菜子は少し身体を左右に振り始めた。
美菜子の額に汗がにじみ、今度は頭を動かした。
美菜子の息がまた、荒くなり始めた。
俺は、美菜子に近寄り、腰を抱いてやった。
美菜子の動きが止まった。
俺は、左手を美菜子の腰に当てた。
急に、美菜子が緊張して、お腹をひっこめる。
美菜子は、俺の次の行動を予測しているのだ。
俺の右の拳が、美菜子のおへそと鳩尾の間にめりこむ。
「ふわぁーっ」
美菜子は、溜めていた息をいっぺんに吐いたが、すぐに、また吸い込んだ。
たぶん、またお腹に来ると予測したのだろう。
(正解だ)
もう一度、お腹に拳を入れた。
美菜子は小さな体をさらに小さくして次も耐えた。
が、今度は、もう吐いた息を吸うことは出来なかった。
俺の唇が、美菜子の唇をふさいだ。
お腹を殴られて、うつむいた美菜子のあごを強引にあげて舌を絡ませた。
かくんと美菜子の膝が折れた。
(ここまでだな)
俺は、美菜子のロープを解いて、抱きかかえ、今度はベッドに運んだ。
美菜子を仰向けに寝かし、覆いかぶさる。
「ふーっ」
美菜子が大きく息を吐き、また吸った。
男は美菜子の両足を肩に担ぐと、ぐっと奥まで差し入れ、左右に腰を振った。
「ああぁぁ…」
俺は、ずっと激しく、美菜子を突き上げた。
奥に当たった。
何度も何度も奥にぶつかった。
はぁ…はぁ…
美菜子が、浅い息を激しく繰り返すのにあわせるように、俺も肩を大きく揺すって、荒い息を繰り返した。、肩に担いだ美菜子の左足を下ろし、右足をまげ、美菜子を横向きにさせて、激しく突き上げた。
「あ…うっ…」
俺は、美菜子から離れると、美菜子の頭のほうにまわり、美菜子の首の下に腕を回して、少し持ち上げた。頭が下がった美菜子の口に、自分のものを差し入れた。
ゆっくり、根元まで…
俺は、そこに放出した。
美菜子は、何度か飲み込もうとしたが、息が苦しいのだろう、すべてを飲み込むことが出来ず、口からあふれて流れた。
美菜子は、また身体を丸めて動かなくなった。
美菜子の息がようやく整った頃、俺は、ティッシュを持って美菜子の顔を拭いてやった。
美菜子が、拭きやすいようにあごをあげた。
「俊哉、シャワー浴びたい」
美菜子が、俺の名を呼んだ。
女に名前を呼ばれるのは久しぶりだ。
「ふっ…」
俺は、短く息を吐いて、大きく仰向けに寝そべった。
(不思議な女だ)
ひどいめにあったはずなのに怒る様子もない。
やがて、体を洗った美菜子がベッドに戻ってきた。
美菜子は、足元に丸まった毛布の端を持ち、俺の横に座ると、俺の肩にまで毛布をかけ、その横から毛布の中に入って来た。
大の字になっている俺の右腕の付け根に軽く頭を置くと、俺の方に向って横向きに寝た。
俺の右の脇に美菜子の乳房が乗った。
俺の右足に美菜子の右足がかぶさった。
心地よかった。
「ねぇ、ここに泊まってもいい?」
耳元で美菜子が囁く。
もうすぐ夜が明けるのだが…。
俺は、美菜子の肩を抱いた。
美菜子の恋2-3
3.うちに来る?
床のきしむ音で目が覚めた。
美菜子にベッドを貸して、俺はソファに寝た。
ベッドは二人でも寝られる大きさだが、俺は眠るときはひとりだ。
目を開けると、美菜子が俺を覗き込んでいる。
「おはよ」
「ああ、おはよ」
「ねぇ、わたしの服、どこ?」
美菜子は裸のままだ。
ソファの上に置いてあったのを俺が片付けた。
「ああ、すまん。クローゼットの中だ」
「そっちじゃない」
美菜子はクローゼットとは反対側に向った。
「シャワー浴びるの」
「そうか」
今日は頭痛はしない。
とりあえず、朝は…コーヒーだ。
俺はコーヒーを沸かした。
「コーヒー入ってるぞ」
「ありがとう」
美菜子は裸のままカップを受け取ってテーブルに座った。
(挑発してるのか?)
「着ないのか?」
「後で…」
「何の?」
「これ飲んだら…」
美菜子は、熱いコーヒーをすする。
「服着ると、今日が始まっちゃうの。裸のうちは、まだ昨日」
(また、おかしなことを言う)
「じゃぁ、まだ昨日かゆっくりできるのか?」
「お昼前に出かける」
そう言って、カップを置いて立ち上がった美菜子を俺は後ろから抱き寄せた。
「ねぇ」
「ん?」
「今日、お店に来る?」
「さぁ、わからん」
「うちには来る?」
「お前の家?」
「ええ」
美菜子は、俺の腕をすり抜けて、クローゼットへ行き、服を着た。
「来る?」
美菜子はもう一度訊いた。
「これ、鍵」
美菜子の手に部屋の鍵が握られている。
「いいのか?」
「ええ、いつでも…」
俺は鍵を受け取った。
その日、俺は、ジムからの依頼で、後輩のボクサーのセコンドについた。
熊谷恭一。
世界戦も経験したジムの中ではトップクラスのボクサーだが…。
世の中には、いくら練習しても越えられない壁というものがある。
どんなやつでも、それ相応の訓練をつめば、ある程度までは行く。
が、そこまでだ。
ある程度を越えるには、根性だの努力だのというものではない他の何かが要る。
それを持って生まれてこなかったものは、その壁は永遠に越えられない。
それが現実というものだ。
熊谷も壁の前で、もう3年になる。
そろそろ、見切りをつけたほうがいい。
その日の対戦相手は、日本フェザー級3位、柳沢 徹治。
世界戦に敗れた熊谷の復帰第1戦だった。
パンチ力のない熊谷は、小さくパンチを繰り出しては、相手のパンチをステップでかわす。
決して打ち合わない。
代わり映えのしない相変わらずの試合だった。
試合は、8ラウンド、それまで若干優勢だった熊谷が拳を痛め、途中棄権。
あっけなく終わった。
これで、戦績は24戦、16勝5敗3分、16勝のうち、KOはわずかに3試合しかない。
客を呼べない男だ。
ただ、この日の客席はほぼ満席。
熊谷の試合は、メインではない。
メインイベントは、三沢真一、9戦無敗、売り出し中の19歳の若者の試合だ。
若いのに、天性といえばそれまでだが…、華麗なステップ、見事な上体のさばき。
たぶん、並外れた動体視力を持って生まれてきたんだろう。
相手のパンチをすべてかわす天才ボクサー。
しかも過去9戦、すべてKO勝ちしている。
世界ランカー熊谷が前座になるのもしょうがない。
三沢の試合は、わずか3ラウンドで終わった。
相手が、コーナーに詰められ、いいように殴られ、連打を浴びたところでレフリーが中に入って、試合をとめた。
観客は、歓喜の声をあげた。シナリオ通りだ。
持って生まれてきた者とそうでない者。
えらそうに解説しているが、俺もまた、何も持って生まれてこなかった者のひとりだ。
それはプロになる前からわかっていた。
国内ランク2位、俺の実力は、まぁ、そんなもんだろう。
ただ…。
才能のない者は、才能じゃないものを武器にする。
勝ち誇った三沢の顔が俺のまぶたに焼きついた。