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仁美の彷徨1-6
次の日、仁美が出社すると、祐二は、もう来ていた。
「おはようございます。」
デスクに座った祐二が、顔を上げた。
「ああ、おはよう」
「早いんですね。いつも、こんなに早く来られるんですか?」
「いや。今日の会議の資料を、忘れて帰ってね。」
「じゃぁ、朝から仕事ですか?」
「そういうことだ」
「コーヒー入れましょうか?」
「いや、自分で入れたから…」
「すいません、ちょっと着替えてきます。」
仁美が制服に着替えるために、更衣室に行こうとすると、祐二は、立ち上がり、仁美の腕を取り、軽くキスをして、ぎゅっと、仁美を抱きしめた。
(ああ、夢じゃないんだ。)
ここ数日の出来事が、夢のように感じていた仁美は、あらためて、それが夢でなく現実であることを感じて嬉しかった。
「制服だけど、ここに持ってきて、ここで、着替えなさい。そのロッカー使って…」
祐二が示したのは、祐二のロッカーだったが、そう言えば、ロッカーが二つ並んでいた。
「これいいんですか?わたしが使って…」
「ああ、左側を開けといた。仁美のロッカーだから、好きに使っていいよ。鍵は差してあるから…」
「じゃぁ、下から制服取ってきます。」
(よかった。生足だし、ショーツも今日はちょっと、人には見られたくないやつだし…)
仁美が、制服を持って帰ってくると、祐二は、コーヒーを飲みながら、資料に目を通していた。
ロッカーは、部屋の隅に置かれ、着替えているところは見えないようになっているが、祐二の席からは、少し覗き見ることが出来た。
仁美は、言われた通りの格好であることを見せるかのように、ロッカーの陰から体を半分出し、祐二に見えるように着替えた。
(祐二さん、言われたとおりにして来ました。見てますか?)
仁美は、わざとお尻を後ろに突き出すようにして脱いだ。
丸く張りのある双丘が露わになる。
淡いピンクのTバックショーツは、後ろから見る限り、何もつけてないに等しかった。
仁美は、すぐに制服のスカートをはかずに、ブラウスも脱いだ。
ブラも淡いピンクのハーフカップブラだ。
祐二は、仁美をずっと見つめていた。
(見られてる。…感じるわ。…いけない、乳首、出てた)
仁美が、制服に着替え終わるのを待って、祐二が声を掛けた。
「仁美、セクシーだね。これじゃ、毎日、早く来ないといけないな。」
「いいですよ。祐二さんが来られてから着替えますから…」
「待っててくれるのか?」
「はい」
「いい子だ。」
そう言って、祐二は、仁美を後ろから抱き締め、首筋に軽くキスをした。
突然、ドアがノックされた。
「さぁ、仕事だ」
祐二は、仁美の背中を軽く押した。
仁美の彷徨1-7
その日、祐二がオフィスに帰ってきたのは、夕方の7時だった。
「まだいたのか?帰ってよかったんだぞ」
「はい、今、帰ろうかなって…コーヒー入れましょうか?」
「帰るところだろ?」
「いえ、いいです。コーヒー入れますね」
「ありがとう。」
祐二は、ソファにもたれると、目を閉じて、ゆっくり、首を回した。
「お疲れですね、肩もみましょうか?」
「えっ」
「わたし、うまいんですよ。肩もみ」
そう言って、仁美は祐二の肩をもみ始めた。
筋肉質な祐二の肩と首には、仁美の指では若干力不足ではあったが、それでも、自分で言うだけあって、けっこう気持ちが良かった。
「いい気持ちだ。ありがとう」
そう言うと、祐二は、仁美の両手をつかみ少し引っ張った。
仁美の顔が祐二の顔のすぐ横まで近づき、仁美は祐二の首筋に唇を這わせた。
「仁美、服を脱いで見せて」
「ここで…ですか?」
「そう…だめか?」
「いえ、いいですよ」
仁美は、祐二の前に立つと、ゆっくりとスカートをひきあげていった。
徐々に、真っ白な大腿があらわれ、太股の付け根まで持ち上げると、ゆっくりと後ろを向いて、祐二に向かって、お尻を突き出して見せた。
それから、さらにスカートを捲り上げ、完全にお尻を晒すと、ピンクのTバックショーツをするすると膝まで下ろす。
仁美は、わざわざショーツを脱いでから、スカートを脱ぎ、再び祐二の方を向いた。綺麗に整えられたヘァーが、祐二の目の前にあった。
仁美は、下半身は全て晒したまま、祐二の顔をじっと見つめながら、今度は、ブラウスのボタンを一つずつゆっくりと外していった。
(見て…祐二さん…仁美を見て…ああ、濡れてるわ…わかる?祐二さん…)
ブラウスを脱ぐと、全裸にピンクのハーフカップブラだけという格好で、それは、全裸よりもエロティックな格好だった。
仁美は、肩紐をはずすとブラをめくって乳房を露出させた。
そのままブラを少し下げ、腰のあたりでフックをはずして、完全に全裸になった。
祐二の股間が、大きく盛り上がっているのを見た仁美は、祐二の足の間に座り、ファスナーを下ろし、彼の肉棒を外に出し、左手で根元を押さえ、右手でしごきだした。
「いいですか?」
「いいよ」
祐二が、そう答えると仁美は肉棒を舐め上げはじめた。
丹念に根元から先端へと舐め上げて、それを咥え、喉の奥までいっきに飲み込んだ。
「仁美…いい気持ちだ」
「いっちゃってください。飲みます」
仁美が激しく、首を振り出した。
祐二がフェラでいくことはまずないが、オフィスで仁美の口に出してみたい衝動にかられた。
今度は祐二が、仁美の頭を押さえて腰を前後させ始める。
「ふぁぁううう…」
開いた仁美の口から声とも息とも区別できない音がもれた。
「出すぞ」
祐二は、ぐいっと仁美の頭を自分に押し付け、仁美の口の中に放出した。
仁美は、祐二のものを口で受け、強く吸い過ぎないように気をつけながら、祐二のものを舐め取り、飲み込んだ。
「ありがとう」
祐二に礼を言われて、仁美はただ嬉しかった。
仁美の彷徨2-1
1.ランジェリーショップ
祐二は次の日から出張していたが、出張帰りのその足で、約束どおり、週末に仁美を誘った。
仁美が、待ち合わせのコーヒーショップについた時には、祐二は既にコーヒーを飲んでいた。
「すいません、忙しいのに…。今日でなくてもよかったんですよ」
「いや、今日でなくても、いつも忙しいから同じようなもんだ。何にする?」
見れば、祐二のカップはすでに空いていた。
「いえ、わたしはいいです」
「そう、じゃぁすぐでかけようか?」
「はい」
祐二に連れて行かれたのは、ちょっと妖しげなランジェリーショップで、ランジェリーだけでなく水着、レオタード、さまざまなコスチュームのほかに見慣れない道具も置かれていた。
女性が一人で入れるお店ではない。
仁美たちの他にお客はカップルが一組、仁美達と同じように、随分歳が離れていた。
「祐二さん、ここ、よく来るんですか?」
「まさか。ここのオーナーと知り合いなんだ。」
店の奥にいた祐二と同じくらいの年代の女性が、祐二に近づいてきた。
「祐二さん、お久しぶりね。こちらは彼女?」
「俺はそのつもりなんだけどね…。仁美、こちらはここのオーナーの由香里さん。」
「はじめまして、仁美です。」
「由香里です。このお店、祐二さんも一応経営者なのよ。見向きもしないけど」
「そうなんですか?」
仁美は、祐二を見た。
「由香里に任せたから…。第一俺には下着はわからない。それより、由香里。この子をセクシーにしてやってくれないかな」
「いいわよ。あなた好みにすればいいの?」
「できれば…」
「仁美さん次第だけど…」
由香里が、仁美を見た。
「はい、お願いします。」
(綺麗な人…誰?祐二さんの彼女?…)
由香里の、ちょっとかなわない大人の雰囲気に仁美は少し押された。
「仁美さん、足、綺麗ねぇ。プロポーションもいいし…祐二、足とお尻が好きでしょ?」
「は…はい」
話しながら、由香里は、何組かのブラとショーツ、ガーターベルトを手にとった。
さらに、キャミソールも合わせ、仁美に手渡した。
「これ、着てみて。試着室は…祐二さん、事務所で試着してもらうけど、来る?」
「ああ、そうしようか」
(事務所?…何、どういうこと)
「そっちよ」
由香里が、仁美の肩を抱き、スタッフオンリーと書かれたドアを開け、仁美を中に導いた。
中は、けっこう綺麗に片付いており、隅に大きな鏡が置かれてあった。
「着てみて」
由香里が、仁美に言った。
「祐二さん、後は、あなたが選んであげて…」
由香里はそう言い残して、事務所を出ていった。
(祐二さんに見てもらうのか)
祐二の前で全裸になった、先日のことが仁美の脳裏に蘇る。
仁美は、鏡ではなく、椅子に座って仁美を見ている祐二に向かって服を脱ぎ始めた。
(見てもらえる。祐二さんに…)
そう思うだけで、仁美は股間に熱いものを感じていた。
仁美は、祐二の方を向いて、ワンピースのボタンをはずし、袖から腕を抜いた。
ワンピースが床に落ちると、黒のレースのついたブラとショーツだけだ。
先日と同じように、ゆっくりと後ろを向いて、祐二に向かって、お尻を突き出してショーツを膝まで下ろし、足を抜く。
(恥かしい…)
何回か経験しても、恥かしさは変らない。
仁美は、股間が熱くなるのを意識しながら、再び祐二の方を向いて最後にシースルーのブラをはずして、全裸になった。
由香里が選んだブラの中から仁美は、薄いピンクの4分の1カップのブラを手にとって、つけてみた。
ブラの下にワイヤーが入り、乳房を下から持ち上げてはいるが、乳首は完全に露出している。
上から自分の乳房が露出しているのが見える。
(これじゃ、つけてないのと同じだわ)
ショーツは同色でシースルー。
左右を紐を結んだだけのもので、お尻の双丘は完全に露出し、前は、きれいに手入れをした仁美のヘァーさえはみ出るほどの小ささだった。
それを身につけながら、仁美は訊いた。
「祐二さん…あのぅ、由香里さんって…どういう方か…聞いていいですか?」
「ああ…。離婚した元の奥さんだ」
「えっ…」
意外な返答に仁美は、言葉が出なかった。
「浮気ものだからね…愛想をつかされたんだよ」
「そうなんですか?…でも、なんか、仲は良さそうでしたけど…」
仁美も離婚しているが、前の夫に会う気は全くない。
「そうだな。仲は悪くない…おかしいか?」
「いいえ…はい…いえ、わかりません」
仁美は、なにがなんだか判断できなかった。
「それより、どう、恥ずかしくないか?」
きかれて、自分が裸同然の下着姿でいることを思い出した。
「いいえ、だいじょうぶです。祐二さんが好きなら、どんな格好でもします」
「そうか。ありがとう。じゃぁ、これを着てみてくれ」
祐二が出したのは、ボディスーツだった。ただ、股間と乳房の部分が大きく開いていた。
仁美がそれを身につけると、祐二は言った
「ここに座って」
祐二は、自分の椅子に仁美を座らせ、何事か店の方へ行ってすぐに帰ってきた。
「じっとしてて」
祐二はそう言うと、仁美の手首と足首に革のベルトを巻きつけた。
仁美はそれが何かはわからなかったが、その革のベルトは、それぞれ小さなリングがついている拘束倶で、祐二は、キャスターのついたゆったりとした大きな椅子の肘掛に仁美の両足をかけ、足首のベルトを椅子の下で固定した。
仁美の股間が丸出しだ。
(どうするの?…見るの?)
今度は、仁美の両手を背もたれの後ろで紐で縛って固定する。
「恐い?」
「いいえ。だいじょうぶです。」
仁美は、椅子に固定され、祐二が何か自分にするんだと思っていた。
最後に祐二は、ひとみに目隠しをすると、その椅子を押し始める。
予想外のことに仁美は驚いた。
「どうするんです?」
「外に出して、展示するんだ」
仁美は、祐二の言ったことの意味が、すぐには理解できなかったが、数秒後には否応なく現実として理解させられた。
ドアの開く音がして、ドアをでる振動があった。
(外に…店に出たの?…この格好で?…祐二さん…本当に?)
ドアの向こうは、まちがいなく店だ。
仁美は、いっきに緊張した。
仁美の彷徨2-2
「あら、いいわね。」
ちょっと、離れたところで、由香里の声がした。
と、同時に“おお”という低いくぐもった声がいくつか聞こえる。
(ああ、本当に…店に出されたんだ…見られてるの…ああ、どうしよう…)
椅子に拘束されている仁美にはどうしようもなく、恥ずかしくて声も出せない。
7~8メートル押されただろうか、祐二の気配がなくなった。
置き去りにされた。
仁美はそう思った。
足音が近寄ってきた。
仁美の前でとまる…
(ああ、しゃがんでる。きっと覗き込んでる…いや、見ないで…)
足音はいくつも近寄ってきた。
(ああ、何人いるの?みんな見てるの…わたしを見てるの?)
恥ずかしさをこらえながらも、子宮の奥のほうがむずむずする。
ここ数日、祐二の前で裸になるたびにやってきたあの感覚だった。
(濡れてるかもしれない。…きっと、濡れてる…濡れてるのを見られてる…やめて、祐二さん、苦しいわ、ねぇ、もうやめて)
不意に手が伸びてきて、仁美の乳首を指に挟んだ。
(だれ?…祐二さん?…違う…誰?由香里さん?)
手の感触が、祐二のものとは違った。
祐二の手は大きく、指も長い。
この手は小さすぎた。
「誰?」
仁美がそう口にした瞬間、四方から手が伸びてきた。
乳首をいじる指。
乳房をもむ指。
肉壺に深く差し込まれる指。
クリトリスをいじる指。
口の中にまで指が入ってきた。
(こんなに大勢に…ああ…犯されるの、わたし?…祐二さん、いないの?…由香里さん…)
「ああ、いや。やめて」
耐え切れず、仁美は叫び声を上げた。
「仁美」
耳元で…祐二の声だった。
「祐二さん…いるの?」
「いるよ」
そう言って、後ろ手に固定された仁美の手を祐二がぎゅっと握った。
(いるんだ。祐二さんが…)
祐二がいてくれる。
それが確認できて、仁美の不安は解消された。
いじられてはいるが、レイプされるという不安はなくなった。
恐怖が去ると、それまでの緊張がいっきにほぐれ、同時に、いっぺんに何人にもいじられるという初めての体験が仁美の官能に刺激を与えた。
それは、意外にも仁美にとっていやなものではなかった。
(いい…いい…何人いるの?…もっと、もっと、いじって…)
指の刺激は、執拗に繰り返された。
しだいに仁美の息は荒くなり、正常な思考ができなくなりそうだ。
(ああ、おかしくなりそう。もう…もうやめて。指は…もういい…誰か…指じゃなくて…もっと、奥へ…もっと奥に入れて…)
仁美は、奥深く突き入れられて、“あたる”感触が好きだ。
しだいにその感触が欲しくてたまらなくなって来ていた。
「入れて…祐二さん、入れて…入れて」
仁美はとうとう、あられもないことを口走った。
仁美が叫んでる間に、仁美のなかに侵入するものがあった。
祐二が、バイブを挿入したのだ。
「これでいいか?」
今度は祐二の声は前からだった。
祐二は、振動するバイブを、ゆっくりと、仁美の肉壺の中に挿入していった。ゆっくりゆっくりと…。
(ああ、来てる…来てる…もっと、もっと、奥へ…来て、来て)
「奥へ、もっと奥へ…いい…いい…いく…いく…いっちゃう」
がくっがくっと体をふるわせ仁美は達してしまった。
(いっちゃった…わたし…こんなとこで…こんな格好で…)
仁美は、セックスでいった経験がほとんどない。
祐二とは、いけそうだったが、いつも微妙なところで終わっていた。
それが今、バイブでいってしまった。
祐二が、仁美の目隠しをはずす。
「いや」
仁美は小さく呟いてうつむいたが、そこには、ほこらしげにツンと上を向いた乳首と乳房の間に股間から半分飛び出した白いバイブが、まるで仁美の股間からはい出した生き物のように蠢いているのが見えた。
(これを…この格好を…見られてたの…)
仁美は、顔を上げ、正面にいる祐二を見た。
いつのまにか、まわりで仁美を覗き込んでいた数人の客が遠ざかっていった。
仁美の彷徨2-3
「もう、落ち着いた?」
「ごめんなさい。だいじょうぶです。」
祐二は、結局、由香里の選んだものを全て買って、来ていたボディスーツのまま仁美に上着を着させ、店を出た。
その間、仁美はうつむいたままほとんど何もしゃべらなかった。
近くの喫茶店に入り、祐二は、仁美が回復するのを待って、ようやく声をかけたのだ。
「俺が悪かった。何も言わないで、いきなりだったからね。」
「…恐かったです。最初。置き去りにされたって思って…レイプされるって本気で思いました。ずっと、いてくれてたんですよね。」
「ああ、いたよ。」
「祐二さん。祐二さんがしたいこと、何でもします。でも、ぜったい、近くにいて下さいね。置き去りにはしないでくださいね」
「しないよ。俺は絶対にそばにいるから。離れないから…」
「はい」
落ち着きを取り戻した仁美は、周りの視線が自分に注がれていることにようやく気がついた。
仁美は、今日は、淡いピンクのグラウスに後ろにスリットのはいった白のタイトスカートという格好だったのだが、透けて見えるので、下着は、ベージュのブラとTバックショーツで来ていた。
しかし、今、下着は黒の股間と乳房が大きく開いたボディスーツに変っている。
ブラウス越しに乳房がくり抜かれたボディスーツが丸見えだ。
目を凝らせば、乳首の位置どころか、乳首そのものさえ確認できるほどだった。
「あのぅ…祐二さん、…ここ出ませんか?わたし、この格好…恥ずかしい」
「そうだね。ちょっと、待って…」
祐二は、そう言うと、携帯を取り出し、電話する為に席を立った。
祐二がいなくなると、周りの視線は、さらに露骨に仁美に注がれる。
(祐二さん、はやく帰ってきて…ああ、みんなに見られてる。)
仁美は、素っ裸で見ず知らずの人の中に置き去りにされているような錯覚を覚えた。
(置き去りにしないって言ったのに。…早く帰ってきて…祐二さん)
ようやく、祐二が、帰ってきた。
「ごめん。じゃぁ、出よう」
そう言って、祐二は仁美の手をとった。
仁美が立ち上がると、店中、全ての視線が仁美に集まった。
(ああ。…見られてる。…見られてるわ…お尻…出てるわ、きっと)
スカートの後ろのスリットは深く、仁美が歩くと、むき出しのお尻が少しのぞいた。
外に出ても、状況は変わりはしないが、既に日が落ちてだいぶたっているので、それほど目立たない。仁美は少し安心できた。
それでも仁美は、祐二の腕を取り、上体を祐二の方に向けながら歩いた。
仁美が連れて行かれたのは、ホテルではなくマンションだった。
外観はごく普通のマンションだったが、部屋に入って仁美は驚いた。
「ここって…」
「もともとは2DKだったところをワンルームに改装したんだ」
確かに広いワンルームではあったが、仁美が驚いたのは広さではない。
そこは、どう見てもラブホテルだった。
バスルームは広く、壁はなく透明なガラスである。
そのバスルームの隣りにトイレがあったが、トイレの扉にも透明なガラスが入っている。
「ホテルがよかったか?」
唖然としている仁美に祐二が話しかけた。
「いえ、ここも十分、ラブホみたい…です」
素直に感想を言ったが、いくらラブホでも、トイレの扉に透明なガラスは入っていない。
「祐二さんが借りてるんですか?ここ…」
「いや。借りてるんじゃなくて、オーナーなんだ」
「オーナー?」
「いくつかマンションを持っててね。…バブルのときに買わされたんだけどね。管理は、うちの会社でやっている。この部屋は、前の人が出て行ったんでリフォームしたばかりだ」
そう言えば、どことなく新しい建材の匂いがする。
「家具もついているんですね」
家具だけではない。テレビもエアコンも洗濯機も乾燥機も冷蔵庫も、ほぼ全て揃っている。
「ああ。こうしないと借り手がつかないんでね」
このあたりは、繁華街に近い。
きっと、特殊な人たちが相手なんだろうと思い、仁美はそれ以上は聞かなかった。