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仁美の彷徨2-2
「あら、いいわね。」
ちょっと、離れたところで、由香里の声がした。
と、同時に“おお”という低いくぐもった声がいくつか聞こえる。
(ああ、本当に…店に出されたんだ…見られてるの…ああ、どうしよう…)
椅子に拘束されている仁美にはどうしようもなく、恥ずかしくて声も出せない。
7~8メートル押されただろうか、祐二の気配がなくなった。
置き去りにされた。
仁美はそう思った。
足音が近寄ってきた。
仁美の前でとまる…
(ああ、しゃがんでる。きっと覗き込んでる…いや、見ないで…)
足音はいくつも近寄ってきた。
(ああ、何人いるの?みんな見てるの…わたしを見てるの?)
恥ずかしさをこらえながらも、子宮の奥のほうがむずむずする。
ここ数日、祐二の前で裸になるたびにやってきたあの感覚だった。
(濡れてるかもしれない。…きっと、濡れてる…濡れてるのを見られてる…やめて、祐二さん、苦しいわ、ねぇ、もうやめて)
不意に手が伸びてきて、仁美の乳首を指に挟んだ。
(だれ?…祐二さん?…違う…誰?由香里さん?)
手の感触が、祐二のものとは違った。
祐二の手は大きく、指も長い。
この手は小さすぎた。
「誰?」
仁美がそう口にした瞬間、四方から手が伸びてきた。
乳首をいじる指。
乳房をもむ指。
肉壺に深く差し込まれる指。
クリトリスをいじる指。
口の中にまで指が入ってきた。
(こんなに大勢に…ああ…犯されるの、わたし?…祐二さん、いないの?…由香里さん…)
「ああ、いや。やめて」
耐え切れず、仁美は叫び声を上げた。
「仁美」
耳元で…祐二の声だった。
「祐二さん…いるの?」
「いるよ」
そう言って、後ろ手に固定された仁美の手を祐二がぎゅっと握った。
(いるんだ。祐二さんが…)
祐二がいてくれる。
それが確認できて、仁美の不安は解消された。
いじられてはいるが、レイプされるという不安はなくなった。
恐怖が去ると、それまでの緊張がいっきにほぐれ、同時に、いっぺんに何人にもいじられるという初めての体験が仁美の官能に刺激を与えた。
それは、意外にも仁美にとっていやなものではなかった。
(いい…いい…何人いるの?…もっと、もっと、いじって…)
指の刺激は、執拗に繰り返された。
しだいに仁美の息は荒くなり、正常な思考ができなくなりそうだ。
(ああ、おかしくなりそう。もう…もうやめて。指は…もういい…誰か…指じゃなくて…もっと、奥へ…もっと奥に入れて…)
仁美は、奥深く突き入れられて、“あたる”感触が好きだ。
しだいにその感触が欲しくてたまらなくなって来ていた。
「入れて…祐二さん、入れて…入れて」
仁美はとうとう、あられもないことを口走った。
仁美が叫んでる間に、仁美のなかに侵入するものがあった。
祐二が、バイブを挿入したのだ。
「これでいいか?」
今度は祐二の声は前からだった。
祐二は、振動するバイブを、ゆっくりと、仁美の肉壺の中に挿入していった。ゆっくりゆっくりと…。
(ああ、来てる…来てる…もっと、もっと、奥へ…来て、来て)
「奥へ、もっと奥へ…いい…いい…いく…いく…いっちゃう」
がくっがくっと体をふるわせ仁美は達してしまった。
(いっちゃった…わたし…こんなとこで…こんな格好で…)
仁美は、セックスでいった経験がほとんどない。
祐二とは、いけそうだったが、いつも微妙なところで終わっていた。
それが今、バイブでいってしまった。
祐二が、仁美の目隠しをはずす。
「いや」
仁美は小さく呟いてうつむいたが、そこには、ほこらしげにツンと上を向いた乳首と乳房の間に股間から半分飛び出した白いバイブが、まるで仁美の股間からはい出した生き物のように蠢いているのが見えた。
(これを…この格好を…見られてたの…)
仁美は、顔を上げ、正面にいる祐二を見た。
いつのまにか、まわりで仁美を覗き込んでいた数人の客が遠ざかっていった。