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菜穂子の憧憬1-2
2.弟の彼女
次の日は日曜日だったが、菜穂子は模擬テストで学校へ行った。
午前中いっぱいで試験を終え、お弁当屋さんでお昼の弁当を買って帰ると、玄関に見慣れない靴がある。
女の子の靴だ。
(誰?)
居間には誰もいない。
(和也の部屋?和也が…女の子を連れてきてる?)
廊下を挟んで和也の部屋と菜穂子の部屋は向かい合っている。
菜穂子は、ゆっくり、普通に和也の部屋を通り過ぎ、自分の部屋に入った。
いつもよりちょっと大きめの音を立ててドアを閉めた。
部屋に入るなり、CDをかけたが、別に音楽が聞きたいわけではない。
菜穂子の耳は向かいの和也の部屋に集中した。
しばらくして、和也の部屋のドアが開いた。
どうやら彼女が帰るようだ。
どんな子なのか、気にはなったが、菜穂子は部屋を出られない。
玄関のドアが開いた。
菜穂子は、ようやくドアを開けて部屋を出る。
ほんの一瞬、彼女の後姿が目に入った。
背が高く、髪の長い子だ。
「じゃぁ、また明日」
和也の声。
「うん」
細いかわいい声だ。
「ただいま、ごめんね、遅くなっちゃって…、お弁当買ってきたから食べよ」
居間に戻ってきた和也に声をかけた。
「うん」
和也が、こころなしか不安そうにうなずいた。
「和也、今の…彼女?」
触れたくはない話題だったが、黙っているのも変だ。
「うん、まぁ」
あいまいだが、それを認めた。
「髪、長かったね」
「見たの?」
「えっ、ちょっと後姿だけ…」
なんとなく後ろめたかった。
ぎこちない空気。
食卓につき、食べ始めたが、会話はない。
というより、元々しゃべるのは菜穂子のほうなので、一方的に菜穂子が作った空気だったのかもしれない。
会話のない重苦しい空気に、菜穂子は思い出したように、和也から借りたえっちな動画を話題にした。
「ねぁ、和也、アダルトサイトって、他の子も見てんの?」
「なんだよ、突然」
「あんなの簡単に見られるんでしょ、じゃぁ、みんな見てるよね、きっと」
「いや、みんなパソコン持ってるわけじゃないし、でも、マニアはいるね。いろいろ教えてくれるよ」
「で、あれ見ながら、ひとりえっちするんだ?」
「しねぇーよ」
「うそだね、知ってるぞ」
「まぁ、たまには、するかな?」
「3日に2回は、“たまに”なのか?」
「おい、おい。いいだろ、どうでも。ってか、あれ見て、しないほうが不健全だろ」
「でも、彼女がいるんじゃない」
菜穂子は、和也を少し困らせてやりたくなった。
「してもらえないの?」
「聞くか、普通、そんなこと?」
「えっちした?」
「しないよ」
「正直に言え。したろ?」
「しないよ。聞くなよ、もう…」
菜穂子はなぜか少し切ない思いを感じながらも平静を装った
「背が高かったよね?」
「バレー部」
「そうなんだ?」
菜穂子の中で切なさが、少しずつ腹立たしさに変わっていく。
和也をもっといじめたくなっていた。
「和也、舐めてもらうのが好きなんでしょ。あれ、フェラだらけだったぞ」
「そういうのが多いんだよ、仕方ないだろ」
「彼女にしてもらった?」
「まさか」
「いやがられた?」
「いやがられるもなにも、普通、言えないだろ、そんなこと」
「ふーん、和也にも言えないことがあるんだ?」
「何だよ、それ?」
「してもらいたいんでしょ?」
「怒るぞ、ほんとに」
「・・してやろうか?」
「えっ」
和也も驚いたが、言った菜穂子自身も驚いていた。
(なんてこと、どうしよう?とんでもないこと言っちゃったわ)
「からかってんのか?」
怒ったように和也が顔をふせた。
(怒らしちゃった、どうしよう?)
「ごめん、ちょっと悪乗り」
「でも、からかったんじゃないよ。本気だから…」
うつむきながら、菜穂子はそう言うと、食べ終わった弁当の容器を持って急いでキッチンに行った。
軽く笑って済ますべきだった。
でも、できなかった。
和也は、バスルームに向かった。
バレーの練習から帰ってきて、汗も流していない。
(本気って?)
和也は、ぼんやり、さっきの菜穂子の表情を思い浮かべながら頭を洗い出した。
シャワーを浴びてすぐ頭を洗うのがいつもの手順だ。
しばらくすると、扉のすりガラスに人の影が映った。
「入っていい?」
菜穂子だ。
(入る?)
和也が小学生のころは、ずーっといっしょにお風呂に入ってきたが…。
和也の返事も待たず、菜穂子は入ってきた。
「こら、入っていいって言ってないぞ」
「洗ったげる」
菜穂子は、和也の抗議を無視した。
「いいよ、自分で洗うから」
「何言ってんの、さっ、早く」
菜穂子は強引だった。
和也は、菜穂子に背中を向けて座った。
菜穂子は、以前のように和也の背中を洗い始める。
背中が終わると、後ろから手を前に回し、前を洗った。
時々、菜穂子の乳首が和也の背中に触れる。
そのたびに、和也が、ぴくっと反応するのが、菜穂子にもわかった。
菜穂子はわざと、その乳房をしっかりと和也の背中に密着させて前を洗う。
和也は、ただじっと耐えていた。
「はい、立って」
和也を立たせた。
後ろから、和也のお尻、足を洗う。
それが終わると…。
「こっち向いて」
菜穂子は、和也を自分のほうに向かそうとした。
「いいよ、もう」
和也は、弱弱しい声でそう言った。
「そう?じゃぁ、流すわね」
菜穂子も立って、シャワーで和也の石鹸を流した。