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亜希の反抗2-2
2.秘密
亜希は、タオルを頭に巻いて、俊哉のいるリビングに向った。
「コーヒーでいい?」
コーヒーのいい香りがした
「入れてくれたの?」
「…俺が飲みたかったんで…」
「ありがとう…私、コーヒー、好きなのよ」
亜希は、実際、コーヒーが好きだった。
俊哉の入れてくれたコーヒーに口をつけると、何ともいえないいい香りがした。
「おいしいわ」
なんということもなく、ただ心が和んだ。
亜希は、コーヒカップをテーブルの上に置いて座った。
(やだ、ぶかぶかでも…あれ、はいときゃよかったわ)
亜希は、家では、風呂上りは裸の上にだぶだぶにシャツを着てるだけだ。
慣れた格好ではあったが、自分の家でひとりきりというわけはない。
座ると下着を着けてないことが気になった。
「ありがとう。助かったわ」
「別に、どうってことないですけど…」
「ごめんね。あなたシャワー浴びてきて」
「服、そこに掛けときました。でも、乾かすもの…これしかないんで…」
俊哉は、ドライヤーを亜希に渡した。
「いいのよ、ありがとう。それより、早くシャワー浴びて」
「じゃぁ、すいません」
俊哉は、バスルームに向かった。
亜希は、渡されたドライヤーでとりあえず自分の髪を乾かした。
(ふーん。これが工藤君の部屋)
俊哉の部屋は、きれいに片付いていた。
高校生の男の子の部屋なんて、散らかってて雑然としているものだろうと勝手に思い込んでいた亜希は、俊哉の部屋を見て、それがまちがいだと思わざるをえなかった。
確かに、多少埃っぽいところもないわけではなかったが、それは亜希自身の部屋も似たようなものだ。驚いたのは、床やテーブル…ソファの上には全く何も置かれていないことだ。
(殺風景…私の部屋と同じだわ)
自分の部屋を思い浮かべながら、亜希は、俊哉の部屋を隈なく見渡した。
(あれ?)
机の脇に収納ボックスがあり、そこの2段目が開いている。
きれいに片付いている中で、それだけが不自然に思え、亜希は、中をのぞいてみた。
大量の写真が無造作に入れられていた。
(ふーん、写真屋さんだものねぇ…)
何枚か、上から順に亜希は、それらを取り出して見てみた。
(これって…)
上の数枚は、モデルかとも思えるような女性の写真。
確かにセクシーではあったが、どうということもないものだった。
ただ、5~6枚取り出した最後の写真は、ヌードだ。
亜希は、更に数枚の写真を取り出して、見た。
それらは、亜希にとっては、初めて目にするものばかりで、ヌード写真ともいえないものだった。
足を大きく開き、股間を前に突き出したもの。
後ろに大きく突き出したお尻と、広げた足の間から垣間見える豊かな乳房。
亜希を最も驚かしたのは、乳房の付け根をロープで縛られ、乳房が赤黒く、色が変わっている写真であった。
亜希は息を呑んだ。
(まさか…こんなこと…彼が撮ったのかしら?)
亜希は、写真を手にしたまま呆然と立ち尽くしてしまっていた。
「先生」
不意に、後ろで俊哉の声がした。
俊哉は大またで近づいてくると、亜希の前に手をさしだした。
「それ、見られるとまずいんだけど…」
「えっ…どういうこと?これ…工藤君が撮ったの?」
「…答えないとだめですか?」
「答えて欲しいけど…」
亜希は、俊哉の答えを待った。
「しょうがない…先生、説明しますけど…まぁ、とりあえず座ってくれませんか」
俊哉は、亜希の持った写真を受け取り、元に戻すと、亜希をソファに座らせた。
「あのですね。うちは現像してるんですけどね。実は、ああいった写真はプリントできないことになってるんですよ、一応…。でも、どうしてもしてくれっていうお客さんが…まぁ、古くからやってるんで付き合いっていうのがあって、断れないお客さんがいるんです。だから、見なかったことにしてもらえないですか。ちょっと、表沙汰になるとまずいんですよ。誰の依頼かなんて言えないですから、結局、うちの親父か僕が撮ったっていうことにしなきゃならなくなるんで…」
「そういうことなの…ふーん、わかったわ。私、てっきり、工藤君が撮ったんだと思って…ごめんなさい」
亜希は、若い俊哉が、実はしっかり家業を支えているんだと感心して、自分が疑ってしまったことをわびた。
「いいんですよ。ただ、黙っててもらえますか?」
「ええ。わかったわ。何も見なかった…でいいんでしょ」
「そう言ってもらえると有難いです」
「でも、えらいわねぇ…あなたが現像とかしてるの?」
「たいていは現像所に出すんですけど、こういうのは出せないでしょ」
「そうね。でも、すごいわ…見直したわ」
「それって、褒めてるんですか?」
「ごめんなさい、でも、褒めてるのよ」
「そうですか。まぁ、素直にお礼を言っときます」
俊哉は、軽く頭を下げると、台風情報を確認しようとテレビのスイッチを入れた。
「直撃ですね」
「そうみたいね」
「スピード遅いし…先生、早く帰んないとね。服乾かしますよ」
俊哉は、別のドライヤーを使って、亜希の服を乾かし始めた。
亜希は俊哉に背を向けて床に座り、スカートと下着をも服を乾かしていたが、先ほどの写真のショックが少しまだ、残っていた。
(あんなこと…写真だけかしら?それとも…ああいうプレイの最中に撮ったのかしら?)
亜希は、立てひざになり、その膝にスカートをかけて乾かしていた。
ラグビージャージは大きくめくれ、真っ白な大腿が露出していたが、俊哉は、亜希の後ろにいるので、見られる心配はない。
そうした安心からか、下着を着けていないという意識が、だんだん希薄になってしまっていた。
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