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シークレット/日向の秘密1-3
徹との予定がキャンセルされたので、日向は、久しぶりに友人と食事をして帰った。
「雨・・・か」
駅を出てみると、けっこう強く、雨が降っていた。
日向のアパートは、徒歩12~15分。
コンビニで傘を買うことも出来るし、タクシーに乗ることも出来るが、日向は、駅のトイレに入ると、ブラをはずしパンティーを脱いだ。
もう一度、駅の出口に立つと、ジャケットを脱ぎ、脱いだジャケットを頭の上からかぶって、そのまま雨の中を歩き出した。
ジャケットで頭と顔を濡れないようにして歩いている・・・・雨の日に、そういう格好の人を見ないわけではない。遠目には、別になんら問題はない格好だった。
歩き始めて、3分。もうシャツはびしょびしょに濡れ、ぴったりと日向の身体に張り付いた。
薄手の白いシャツだ。おそらく乳房も乳首も丸見えに違いなかった。自分で上から見ても、乳房がはっきりとシャツを通して見えた。
(これじゃ、裸で歩いてるのと同じ・・・)
裸と同じだが、裸ではない。
見られて恥かしいが、変態ではない。
夜遅く、激しい雨のため、そんな日向の格好に気づく人は多くはなかったが、それでも、通りで何人かにすれ違った。
目の前を、高校生らしい少年が3人歩いてきた。
一人が、日向に気づいた。となりの少年の腕をつついている。腕をつつかれた少年が、日向のほうを見た。つられて、もうひとりの少年も日向を見る。3人は、立ち止まった。
(見てる・・・・見られてる・・・・どうしよう・・・話しかけるなよ、私に・・・・)
日向は、全く気づかない振りをして、ジャケットで深く顔を隠して、少年たちの横を通り過ぎた。
日向が、通り過ぎると、少年たちの声がしたが、何を言ってるのかまではわからなかった。
ほっとする間はなかった。コンビニから、駆け出してきた若い男性とぶつかりそうになった。
「あっ、ごめん・・・」
男は、日向の前で立ち止まり、謝りかけて、日向をじっと見た。
「いえ」
それだけ言って、日向は、かけるように急いで歩いた。
後ろが気になったが、振り返れない。追ってきているような音はしなかった。
もうすぐアパートだが、そのころには、もうシャツはずぶ濡れで、肌の色がそのまま透けていた。上半身裸といってもおかしくない格好だった。
アパートが近づいて、ようやく日向は、近くの駐車場の看板の陰で、ずぶ濡れのシャツの上から、ずぶ濡れぬになっていたジャケットを羽織った。さすがに、家の近所をほとんど裸の格好で歩く勇気はなかった。
濡れたジャケットは、なかなか袖に腕が通らない。
不意に、車のドアが開いて、男が降りてきた。日向と目があった。
日向は、慌てて背を向けて、片袖だけ腕を通しただけの格好で、走って逃げた。
心臓が飛び出しそうだった。
日向は、玄関で、着ている物を全て脱いで裸になると、そのままバスルームに向った。
シャワー浴びながら、指は自然と股間へと伸びていく。いつものことだ。さっきの興奮を思い浮かべながら、指を這わす。
通り過ぎて振り返る男性。立ち止まった高校生達。驚いた表情の女性。車から降りてきた男性。
彼らの表情を思い浮かべながら、日向は、何度も何度も指を奥に差し入れる。
「ああ・・ああああ・・あああ」
狭いバスルームに日向の声が響いた。
「ふうっ」
日向は、熱いコーヒーを飲みながら、今日の雨の中の露出をブログの記事にしようと、パソコンに向った。
何本か、コメントが入っていた。お馴染みの読者さん。顔は知らないが、友達だ。
日向は、ひとつひとつ、レスを入れていった。
初めて見る名前があった。“Known”
「初めてコメントします。毎回、楽しませてもらっています。今日は、すごい雨でしたねぇ・・・風邪引かないように・・・ではでは」
(誰?・・・わたしが雨に濡れたことを知ってるの?まさか・・・?そんなはずは・・・・)
投稿された時間を見た。・・・30分前。
「ありがとう。でも、だいじょうぶ。ちゃんと傘持ってましたから」
日向は、そうレスを入れて、結局、今日の出来事は記事にしなかった。
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