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理不尽
理不尽
ガタッという物音で目が覚めた。
今日は、午前中に男が一人来ただけで、千夏はいつのまにか眠ってしまっていた。
あわてて目かくしをしようとしたが間に合わない。
「いいのよ。目隠しはしなくて…」
いつもの女だ。
「これを飲んで」
女が持ってきたものは牛乳だ。
コップに一杯、それを飲まされた。
「こっちに来て」
今度はバスルームに呼ばれた。
(ああ、まただ)
女が千夏にバスルームですることはひとつだけ。
浣腸だ。
千夏はバスタブのへりを両腕でつかんで女に向ってお尻を突き出した。
バスルームで注入されるが、1回めの排泄はトイレだ。
ただ2回される。
2度目はバスルームだ。
女の見ている前で排泄させられる。
千夏はこれがいやだ。
大勢にされて顔や乳房や口に出されるよりもこれがいやだ。
また、涙が出た。
バスルームを出ると今度は、お茶を飲まされた。
「これを着て」
バスルームを出ると、女にグリーンの全身タイツを渡された。
千夏は、言われたとおり、そのタイツを着る。
全身タイツだが、乳房と股間とお尻は大きく開いている。
頭にカエルのかぶりものをかぶせられた。
「立って」
女は千夏を立たせて腕を引いた。
かぶりものは前を見る工夫はされていない。
女にひかれて千夏は、ついて歩いた。
車に乗せられ、降ろされた。
どこなのかはわかるはずもない。
扉の開く音。
締まる音。
まっすぐ歩いて立ち止まる。
音楽と話し声。
「ここに、上がって」
階段のようなものを何段か上がって、しゃがまされた。
「もっと足を開いて」
女の声が下から聞こえる。
千夏は、自分が何か台の上に上がっているのだと思った。
女に足首を持たれて、足の位置をなおされた。
その足をベルトで固定される。
「手で足首を持って」
女は千夏の膝を左右に広げ、その内側から足首を手で握らせた。
その手も足首にマジックテープで留められた。
「ほう、カエルか」
誰かの声がする。
乳首をつままれる。
(痛い!)
千夏は黙って耐えた。
あそこに指が入ってくる。
「お尻もどうぞ」
あの女の声だ。
お尻に何かを突っ込まれた。
ブーンという音が、内臓を伝って直接千夏の耳に届く。
アナルは振動されてもどうということはない。
入れられるときが痛いだけだ。
ひときわ、大きなモーター音が響いた。
電気マッサージ器の音だ。
あっちでもこっちでも…。
千夏は身体を強張らせて身構えた。
いきなり股間に来た。
手足を固定されて逃げようがない。
乳首にも…
脇腹にも…
耐えられない刺激。
脇腹の電気マッサージ器が、脇の下へと上がってくる。
何をしたいか、お茶を飲まされたときからその意図はわかっている。
千夏は歯を食いしばって耐えた。
「うっ…」
あそこの中にバイブを挿入された。
乳首を弄っていた電気マッサージ器が、もう一方の脇の下へと移る。
開いた脇腹をつかまれる。
千夏は諦めた。
幸い、カエルの面のおかげで顔は隠れている。
ちょろちょろとおしっこが漏れ出す。
男達がどいた。
出始めたものは止らない。
カエルのおしっこだ。
放尿が終わると台から降ろされて、四つんばいにされる。
されることは同じだ。
前にはバイブが挿入されたままでアナルと口が犯された。
次の日は、豚だった。
逆さに吊られておしっこさせられた。
夜になって男がやってきても千夏は、動かなかった。
彼が作った食事も食べない。
「俺の名は、谷崎真一」
突然、男が名乗った。
千夏は顔をあげ男の顔を見た。
「お前の名は?」
訊かれて千夏は驚いた。
「千夏」
あえて、苗字は言わなかった。
「千夏、うつ伏せになって」
千夏はベッドでうつ伏せになった。
真一は、いつものようにマッサージを始めた。
(わたしの名前も知らないなんて)
どうして自分がこんなめにあわされるのか?
せめて理由があって欲しかった。
それなのに、この男は千夏の名前さえ知らない。
自分じゃなくても誰でもよかったに違いない。
枕に顔を伏せて、千夏は泣いた。