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ダブル ホールズ1-2
2.3人組
ViViのLOVEラブひみつ日記
何もなす術もなく、美希は3人に囲まれた。
真ん中が、たぶん、電話の相手だ。見覚えがある。
やせた貧相な体つきだ。
「ちょっと・・・いっしょに来て」
やせた彼女が、美希の腕をつかんで引っ張った。反対側の腕ももうひとりにつかまれた。
行くしかない。
「あんた、2年だろ。クラスは?」
歩きながら、訊かれた。
「3組ですけど・・・・」
「2年生のくせに、どうやって正彰と知りあったん?」
「いや・・・それは・・・・」
相手がどういう人達なのかわからないので、うかつなことは答えられない。
「メールしたんだろ。男探して・・・・」
美希の腕をつかんだもうひとりが口を挟んだ。
分厚い唇をしている。
(やっぱり、知ってるじゃないか・・・・)
「いや・・・探してたんじゃなくて・・・・まぁ、ちょっと遊びで・・・・」
「出会い系で、男あさって遊んでるんだ」
分厚い唇の女が言った。
「違います。そういう遊びじゃなくて・・・・」
「だって、実際にあったんだろ。どこの誰だかわからない男に・・・・」
今度は、後ろから声がした。
もうひとり、ぽっちゃり系の丸顔の女が割り込んだ。
(何よ。みんなばらしてんじゃない。最低なやつ)
「それは・・・たまたま、同じ場所にいてメールしてたから・・・・」
「うそだね、そんな偶然、あるわけないでしょ」
「いや、本当です。本当に10mくらいしか離れてなかったんです」
「でも、あんたが場所を言わなきゃ、気づかなかったわけだろ」
「ええ、まぁ・・・・それは・・・・」
(まずい・・・・・)
向っている先は、駅の裏手、駐輪場に違いない。
空いたスペースに無理やり作った駐輪場は、いびつな形をしており、奥まった一角は、入り口からは死角になっている。美希は何度かそこで、学校の制服を着たまま男達がたむろして煙草を吸っているのを見たことがあった。
(どうしよう・・・・)
美希の予想は当たった。腕を取られ、駐輪場の奥に追いやられた。逃げようにも、3方壁だ。
とたんに恐怖がわきあがってきた。
いきなり突き飛ばされて、美希は、壁にぶつかった。
「わたしは、あんたに恥をかかされたの・・・・わかる?」
貧相な女にあごをつかまれた。
「あやまってもらおうか」
「そんなぁ・・・・わたしは何も・・・・」
びしっ
美希は、いきなり、左の頬をはられた。
「ぐたぐた言ってんじゃないよ。ほんとに腹の立つ・・・・里美押さえて」
太った女が、美希の肩を壁に押し付けた。
「優美にあやまんな」
唇の厚い女は、そう言うと、今度は美希のお腹を殴った。
「ごめんなさい・・」
美希は、うつむいたまま、小さな声で謝った。
「それであやまったつもり・・・?」
「あっ・・・・」
優美にお腹を蹴られた。
かなり応えたようで、美希は、お腹を抱えてうずくまった。
「土下座しな・・・」
美希は、コンクリートの上に膝をついて座り、頭を下げた。
「ごめんなさい・・・」
涙声だ。
・・・はっきり聞き取れない・
「何、泣いてんだよ。聞こえないよ・・・・」
頭を上から押さえつけられる。
「どうした・・・ほれ、もう一回あやまんな」
「ごめんなさい・・・・もう・・・・許して・・・・」
「もう?・・・・もう、だって・・・・何様だよ、あんた」
優美に肩を蹴られて、美希は横に転がった。
「脱がそうよ」
太った里美が倒れた美希のネクタイをひっぱる。
「いや。それは・・・やめて・・・・お願い・・・いや」
「わめくんじゃないよ。麻子脱がしちゃえ」
里美は、分厚い唇の麻子に呼びかけた。
「そうね・・・・でも、ここじゃまずいわ。パンツだけ脱がそうか」
「いいよ」
優美が、二人に間に入って、美希を立たせた。
「脱がさなくっても自分で脱ぐよ。・・・ねぇ、美希」
すぐに両脇に里美と麻子が寄ってきた。
逃げ場はなかった。