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仁美の彷徨1-1
ラスト ストップ
仁美の彷徨
第1章
1.上司
中川祐二が、ようやく仕事に区切りをつけて会社を出ようとしたのは7時を少し過ぎた頃だった。
祐二は、大手建設会社葛城コーポレーションの代表の座を人にわたし、自ら不動産販売、管理の子会社を立ち上げた。
建設関係の不況は、合併による合理化程度では、生き残れない。
販売力の強化が必要だった。
自らがその先頭に立ったということだ。
不動産関係は古巣ではあるが、立ち上げたばかりの会社は忙しく、7時とはいえ、これでも彼にしてみれば早いほうだ。
ここ数日、自分に付き合って夜遅くまで作業してくれた吉川仁美を食事に誘ったため、早く仕事を切り上げたのだ。
仁美が連れてこられたのは、落ち着いた感じの料亭風の居酒屋。
何が食べたいと聞かれて、お酒が好きなんですと答えたからだ。
テーブルはゆったりとした個室になっていた。
「社長、すいません。いいんですか?」
「かまわんよ、仁美は日本酒が好きなのか?」
「はい…変ですか?けっこう、そういう人いますよ。」
「ほう、そうなのか」
「社長は…」
「悪いが、仁美。社長はやめてくれないか。」
「でも、なんて呼べば…」
「名前を呼んでもらってかまわないが…」
「名前って…、中川さん…ってですか?」
「いや、名前のほうだ」
「ゆ…うじさん…ですか?」
「ああ、そうしてくれるか?」
仁美は緊張したが、祐二はごく普通だ。
「あの、会社では社長でいいですよね。こういうとこだけ…」
「別に、会社でも名前で呼んでもらってかまわんが…」
「そんな…無理です」
「そうか?じゃぁ、まぁこういうプライベート?でもないか。なんだ、会社を出たら名前にしてくれ」
「はい。わかりました」
仁美は、とりあえずほっとした。
仁美は、本当にお酒が好きだ。
祐二が、あまりのペースに勧めていいのか、少し控えろというべきか迷っていると。
「あのう、祐二さん、去年、わたしを面接した時のこと覚えてますか?」
酔いが回ってきたのか、少し、ことばが聞き取り難くい。
「面接?覚えてるよ」
「わたし、遅刻したんですけど…」
「そうだった?」
「本当言うと、二日酔いだったんです。前の日に飲みすぎて…すいません」
「そうだったのか?ひどいねぇ、そりゃ。」
「面接、終わって、わたし、たぶんダメだと思って、気持ちも悪かったんでロビーにいたんです。そのとき、祐二さん、私に、具合悪いの?ってポカリ買ってくれたんです。覚えてます?」
「へぇー?ごめん、ぜんぜん覚えてない。」
「わたし、ずーっと忘れません。嬉しかったんです。採用だったし…本当にありがとうございました。」
祐二は、全く覚えていないというわけでもなかった。
新卒30人の採用枠にどうしても足りなくて、5月に追加で一般募集した時のことだ。
はっきり言って採用基準は甘くなっていた。
仁美は、最後の面接で、なかなかかわいい、祐二の好みのタイプだったのは事実だ。
本人が言うように評価は低かった。
最終的に自分で責任を取って自分の直属としたのだ。
しかし、それを本人に知らせる気はない。
「祐二さん、離婚したって本当ですか?」
「ああ」
「今は、一人なんですか?」
「一人暮らしかっていうこと?一人暮らしだよ。仁美は?」
「わたしも、去年、離婚して、今は一人暮らしです」
「そうなの?…そう、じゃぁ、遅くても平気なんだろうけど、そろそろ帰ろうか。明日も仕事だし」
「えっ…はい」
仁美は、何か言いたそうだったが、祐二は仁美を促して席を立った。
「タクシー呼ぶから」
「祐二さんは、どうされるんですか?」
「俺は、いつも使うホテルがあるんでそこに泊まる。わざわざ帰っても一人だしね。」
「私もひとりです。…いっしょにいちゃだめですか?」
祐二は、驚いて仁美を見た。
話の成り行きから、祐二は、彼女が自分のことを慕っているだろうとは推測できたが、今日、15歳も歳の離れた娘に告白されるとは思ってもいなかった。
(酔っ払っているんだろうな。…まぁ、それでもいいか)
「ちょっと、待ってね」
祐二は、ホテルに電話して、部屋をツインに変更した。
チェックインして部屋に入るなり、祐二は仁美を後ろから抱き締め、キスをした。
ブラウスのボタンをはずし、前から手を胸元に入れ乳房をなで、乳首を人差し指と中指で挟んで刺激する。
かなり、お酒の入っている仁美は、それだけで息が上がって、唇をはずし、はぁはぁと口で息をした。
「シャワー浴びていいですか?」
「ああ、いいよ。」
祐二が、ゆっくり、ブラウスを脱がし、ブラをはずし、仁美のスカートを脱がす。
「自分でしますから…」
仁美はやっと、それだけ言って、ベッドに腰掛けパンティーストッキングを下ろし、ショーツを脱いだ。
祐二も服を脱ぎ、全裸で祐二の横を通ってバスルームに行こうとする仁美の腰に祐二の腕が巻かれた。
「あっ」
祐二は、また、後ろから仁美を抱くと、唇を合わせ今度は舌を絡ませる。
右手は左の乳房に左手は前から仁美の股間に伸ばされた。
ハァ…ハァ…ハァ
仁美の息がさらに荒くなる。
すでに、股間は熱く、差し入れられた2本の指にねっとりと愛液がまとわりついた。
「おねがい…シャワー浴びさせてください」
祐二が、仁美を解放すると、仁美はよろけるようにバスルームへと入って行った。
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