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続・広美の思惑1-2
2.見てたわ
(やだ・・・いっぱい)
その日の駅のトイレは混んでいて、トイレの外で2人ほど待っていた。
染みてきたのか、お尻の辺りが冷たく感じる。
(さいてーだわ・・・・今度は、痴漢って叫んでやる・・・)
「見てたわよ」
不意に後ろで声がして、広美は、慌てて振り返ると、そこに、30歳くらいの女性が立っていた。
「ごめんなさい。電車の中で…見てたの。わたし…」
(見られてた・・・・・)
広美は、どう答えていいのかわからず、ただ、じっと立ち尽くしている。
「ここ、混んでるし…付いて来て…」
その女性は、広美の腕を取って、改札へと向った。
「あっ・・・・あのう・・・どこへ?」
改札を出て、ようやく、広美は、その女性に話しかけた。
「ここの駅ビルに歯医者があるの。わたし、そこで働いてるんだけど、中にトイレも更衣室もあるわ」
「え?・・・でも、・・・」
「いいの。今日は、わたしが早出の日で、他には誰もいないわ。それに、ストッキングくらいならあるわよ」
「えぇ・・・でも、それじゃ・・・・」
「そんなこといってる場合じゃないわよ。スカート、染みになってるのよ。どうにかしないと・・・それで外を歩くのはどうかと思うわ」
(そうなのか・・・・。やだ・・・ほんとに、どうしよう)
「ここよ」
デンタルクリニック“SAKURA”
ドアには、そう書かれてある。
こんなところに歯医者があるのを広美は、初めて知った。
「わたし、矢野静子。あなたは?」
ドアを開けながら、静子が、訊いた。
「高橋広美」
「広美さん・・・さぁ、入って」
静子は、すぐに広美を更衣室に連れて行った。
ライトブルーのスカートは、その部分だけ染みて色が濃くなっている。
「とりあえず、脱げば」
静子に言われ、広美は、スカートもパンストも脱いだ。静子も着替えている。
「それも・・・染みてるんじゃない?」
静子は、ショーツだけになっている広美の背中に回った。
「だいじょうぶみたいね」
広美は、今日はかなりのビキニショーツで、男のものは、上を向いて、広美の腰の下くらいの位置だったため、ショーツにはかかっていなかった。
「これ使って・・・」
白衣に着替えた静子は、新しいストッキングを広美に渡した。
「いいんですか?すいません・・・・後で買って返します」
「いいのよ、気にしないで・・・・ただパンストじゃないから・・・」
(ほんとだ・・・ストッキングだ・・・・しかもレースがついて・・・高そう)
広美は、スカートを脱いで白衣に着替えている静子を見た。
(うわぁ・・・・ガーターだ・・・・)
静子は、ストッキングをガーターで吊っている。
実際にそういう下着をつけている人を広美は初めて見た。
よく見ると、静子は、小柄ではあるが、胸もお尻も豊かに張って、けっこう美人でもあった。
「ねぇ・・・これ使う?」
着替え終わった静子は、自分の穿いていたタイトミニのスカートを広美に見せた。
広美も小柄ではあるが、静子と似たような体型だ。
「たぶん・・・合うと思うわ」
「で・・・でもぉ・・・それじゃ・・・静子さんが困るでしょ」
「あら、困らないわ。ここじゃ、ずっとこの格好だから・・・」
「でも、帰りは?」
「あなた、仕事、何時に終わるの?」
「5時半か6時には、帰れますけど・・・・」
「じゃぁ・・・帰りによってくれればいいわ。わたしは、6時までいるから」
「ありがとうございます。助かります」
広美は、静子のスカートを穿いた。サイズは申し分ない。ぴったりだった。
「あのぉ、静子さん、歯医者さん…ですか?」
「ううん。わたしは事務をしてるだけ…」
「そうですか?」
「これ・・・わたしの携帯の番号」
静子は広美にメモを渡した。