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広美の思惑4-5
5.夫婦交換
「こんにちは、始めまして」
俊一は、初めて静子の亭主と顔を合わした。
長身で筋肉質な男だ。
緊張で俊一の声が少し上ずった。
「いらっしゃい。静子の亭主で啓太といいます」
いかつい体格とは裏腹に声はおだやかで目は優しい。
男というやつは、必ず相手を自分と比較する。
そして、どこか相手の欠点を見つけては、自分のほうが優位であると思いたがる。
静子が他に男を探すぐらいだから、たいしたことはないとたかをくくっていたのだが、予想は完全に覆った。
“敵わない”
それが正直な感想だった。
「上に行っててもらえますか?」
庭は、3階建てのビルの屋上らしい。
階段を上がると静子がいた。
「いらっしゃい」
俊一は一瞬、どきっとした。
静子が、浴衣だ。
「わたし、手伝います」
広美は駆け寄ったが、すでに準備は整っていた。
「広美さん、お風呂どうぞ?」
「お風呂?」
「今日はね、浴衣っていうことで…。用意してあるから…」
(浴衣か)
浴衣の裾が割れて、お皿を運ぶ静子の白い足がチラチラのぞいている。
「あなた、広美さんを案内して」
広美の浴衣姿は俊一も見たことがない。
「さぁ、じゃぁ、始めてましょうか?」
静子が、鉄板に肉やら野菜やらを乗せ始めた。
静子は肉を焼いたり、野菜を焼いたり、焼けたものを器に移したり、立ったり、座ったりをくりかえす。そのたびに裾が割れて、なまめかしい白い太ももがあらわになる。
「やだ。あまり見つめないでよ」
「いいですね。浴衣ってのも…」
「そう?似合ってる?」
「ええ」
静子が俊一の横に座った。
「ご主人、何をやってるんですか?」
「仕事?」
「ええ」
「さぁ、何かしら?よく知らないの」
本当か嘘か静子は、答えなかった。
「いい体格ですね」
思わず口を突いて劣等意識が顔を出した。
「でしょ。ラグビーやってるんですよ。今でも…」
「今でも?」
「そう。どこかの学生のサークルに入って、ときどき怪我して帰ってきますよ。ばかでしょ…」
“ばかでしょ”が鼻を突いた。
(ばかは、僕だよ)
「ビール、先にやりますか?」
戻ってきた啓太が俊一に缶ビールを手渡した。
俊一は、ぐっとそれを飲み干す。
酒が強いわけではないが、弱くもない。
(ばかだな。やっぱり…)
「さぁ、もう焼けてるでしょ。がんがん食べちゃってください」
「わたしも食べよ」
静子は、お皿に焼けた肉を盛ると俊一に手渡す。
自分が客だからなのだろうとは思ったが、あまり居心地はよくない。
ようやく広美がやってきた。
柔らかい胸の曲線と腰の張りがなんともいえない色気を漂わせている。
俊一は、自分の妻ながら、正直きれいだと思った。
俊一の横に静子が座っているんので広美は啓太の横に座った。
「ビールもう一本どうぞ」
クーラーボックスから新しい缶を持ってきた静子は、啓太ではなく俊一に勧めた。
前では啓太が、広美にビールを勧めている。
「じゃぁ、あらためて乾杯」
啓太が立ち上がった。
「はじめまして。静子の夫の啓太です。以後よろしく。乾杯」
(なるほど…そうか。そういうことか…)
静子が、夫の啓太を自分たちに紹介してるんだと俊一は理解した。
自分たちがゲストなのではなく、静子と俊一と広美との関係の中に啓太をゲストとして招いたのだと…
もちろん、俊一たちを緊張させないようにという啓太の配慮なのだろうが、俊一の緊張がほぐれた。
啓太の食べっぷりもすごかったが、食べることなら俊一も引けは取らない。
ただ、鉄板の脇にいるせいか、暑い。
静子が固まったように動かなくなった。
「暑いな」
啓太が口を切る。
「そうね・・・」
静子が答えたが、息苦しそうな声だ。
「脱ぐか?」
啓太が事も無げに言う。
静子は、俊一を見た。
俊一の顔があいまいに笑った。
「おっぱいを見せてくれないか?」
啓太が静子を追い立てる。
とうとう静子は俊一によりかかり、俊一の胸の中に顔を埋めた。
ブーンというモーター音がしていることに俊一はやっと気づいた。
啓太の手にリモコンが握られていた。
(ずっとつけてたのか?)
「いやな人。広美さんが困ってるわ」
静子は、なんとか顔をあげた。
「どうして、広美さんが困るんだ?」
「じゃぁ、わたしだけ脱ぐの?」
広美が俊一を見た。
俊一はうなずく。
その合図に静子が気づいたかどうかはわからないが、静子は、浴衣の帯を少し上にずらし、襟を開いて、乳房を露出させた。
見慣れた静子の乳房だが、屋外で浴衣からこぼれたそれは、いつもとは全く違って見える。
静子は俊一の手を自分の乳房に導いた。
乳首は、すでに固く尖っている。
広美の浴衣の脇から手が入ってきた。
啓太だ。
啓太が、手を入れ、広美の乳房を揉んでいる。
いやーっと声を出して、脇に寄ることもできる。
ばつは悪いが、それで終わりだ。それ以上はない。
しかし、広美はそうはしなかった。
静子は、俊一の前にしゃがむと、ズボンのファスナーを降ろし、俊一のものをつかんだ。
すでに大きく張っているそれは、なかなか外に出せない。
俊一が、自分でそれを外に出すと、静子はその肉棒の裏側を舐め上げる。
俊一は広美から視線を外した。
なんでもOKだという意思表示のつもりで…。
啓太の手が広美の浴衣の裾を割り、広美の膝の内側に入ってくる。
「きゃっ」
広美が声をあげた。
啓太が、広美の膝の内側に入れた腕をぐいっと上にあげたのだ。
広美の足は、左右に大きく開かれて持ち上げられた。
俊一から広美の股間が見えた。
そこに啓太の指が入っていく。
啓太は、襟からもう一方の手を入れて、広美の乳房を晒し、丸くこね、乳首をつまんだ。
それも俊一から丸見えだ。
「ああ・・・ああ・・・・あああ」
広美は、必死に声を殺していたが、とうとう声をあげてしまった。
一度あげると、もう止まらない。
「ああ・・あああああ・・あああ」
広美が、大声を出し続ける。
「西川さん」
啓太がリモコンのスイッチを切って俊一に渡した。
「他にも客を呼んであるんだけどいいですかね」
壁に設置された屋内電話のランプが点滅している。
静子も広美も半裸状態だ。
ここに他の人間がやってくる。
それがどういうことなのか。
俊一にはそれを深く考えるゆとりもなかった。
嫌も応もない。
俊一はうなずいた。
「こんにちは」
入ってきたのは、研二と沙希だ。
見知った二人に俊一がほっとしたのもつかの間。
その後ろに若い男が数人並んでいた。
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