スポンサーサイト
新しい記事を書く事で広告が消せます。
亜希の反抗4-2
2.ここに頂戴
ぎりっと、細い麻縄が由美子の乳房を上下から締め付ける。
「うぅ…」
縄で締め付けられた乳房が、制服のブラウスを押し破り、今にも外にはじけ出そうだ。
今日の俊哉は、不機嫌だった。
俊哉の撮る由美子の写真は、ごく限られた集団の目に触れる。
そしてごく稀にその集団からオーダーが入る。
たいてい縛りの写真だ。
縛りのときはきまって俊哉は不機嫌になる。
手足を拘束されることはよくある。
でも、それは専用の拘束具を使ってのことで、縄で縛られることはあまりなかった。
俊哉の父、重雄は緊縛師だ。
俊哉にしても縛れないわけではない。
由美子も、ほんの数回だが、俊哉に縛られたこともあるし、俊哉の撮った緊縛写真も何度か目にしたこともある。
(他の女性なら縛るのに…)
由美子は、自分に女としての魅力がないんだと思っていた。
自分が子どもで、たぶん縛ってもつまらないから、俊哉は縛りたくないんだと思っていた。
それなのに、縛られた写真が見たいという人がいる。
迷惑だった。
縛られることには、好きも嫌いもないが、俊哉が不機嫌になるのが嫌だった。
きつく縛られて俊哉の不機嫌が治るなら、いくらでもきつく縛って欲しい。
逆さに吊られてもいい。
俊哉を癒せない自分の体が嫌だった。
由美子には、自分の写真を見ているどこの誰だかわからない人たちなどなんの関係もない。
カメラを構えた目の前の俊哉がすべてだ。
不機嫌な俊哉を見ながら、由美子はじっと歯を食いしばって縄の痛みに耐えた。
不意にドアが開いた。
「工藤君」
亜希だった。
亜希は、ひとこと工藤の名を呼んだきり、その場に立ち尽くした。
ある程度の予測はして来たが…まさか、こんな光景を目にするとは思ってもいない。
亜希は声も出ない。
「先生、なんか用?」
俊哉の声はいつもと違った。
我に帰った亜希は、
「なんなの…どういうこと」
そういいながら、俊哉に近寄る。
「これから、写真を撮るんです」
「写真って、…撮ってどうするの?由美子さんは承諾してるの?」
「俺が無理やり縛ったとでも…?」
「そうじゃないけど…。でも、こんなこと…」
亜希は、由美子に近づいて縄を解き始めたが、そう簡単には解けない。
その様子に俊哉はシャッターを切った。
カシャッ カシャッ
「工藤君、なんのまね、やめなさい」
「写真は、しゃべらない。解いてるのか縛ってるのか、写真だけじゃわからない」
「何を言ってるの。わたしがなんで由美子さんを縛るの」
「理由は、本人に聞かないと…」
「ばかなことを言ってないで…やめなさい」
俊哉は、執拗にシャッターを切った。
由美子は、混乱していた。
これはモデルとしての仕事なのだ。
だが、もちろん公にできるバイトではない。
俊哉も仕事だとは言わなかった。
むしろ、恋人同士の“遊び”としておいたほうがいいのだろうが、そうすれば、非はほとんど俊哉がかぶる事になる。
(どうしよう。俊哉に迷惑がかかる…どうしよう…)
ようやくのことで、縄を解いた亜希は、由美子の肩に上着をかけた。
「由美子、先生を押さえろ」
由美子は、一瞬、驚いて俊哉を見たが、すぐに小柄な亜希の腰に手を回して、亜希に抱きついた。
「何をするの?由美子さん。ねぇ、放して」
由美子は、しっかりと亜希をつかんで放さない。
カメラを置いた俊哉が、軽々と亜希を抱き上げた。
「何するの。工藤君。降ろして…由美子さん。ねぇ…」
「由美子、口を塞げ」
由美子が、俊哉に抱きかかえられた亜希の口を手で塞ぐ。
俊哉は、亜希を抱いたままスタジオから自分お部屋に移り、そのまま亜希をベッドまで運んだ。
「由美子、手伝え」
由美子は、俊哉に言われたとおり、亜希を押さえつける。
「いや。やめて。由美子さん。工藤君…」
俊哉が、暴れる亜希を押さえつけ、服を脱がし始める。
「先生、そんなに暴れると、服、…破れるよ」
亜希の動きが、鈍った。
「お願い、工藤君。やめて…」
俊哉は、亜希の上半身を裸にするとベッドに仰向けに押さえつけた。
「由美子、亜希を上から押さえつけてろ」
由美子が亜希の上半身に覆いかぶさった。
由美子も大きくはないが、それでも小柄な亜希よりは大きい。
亜希は身動きが出来ない。
「由美子さん…ねぇ、お願い…やめて…ねぇ…どうしてこんなこと…?」
「俊哉は悪くない。わたし、モデルなんです。俊哉はただ撮影をしてるだけ。だから、俊哉は悪くない」
「何言ってるの…あなたがかばう気持ちはわかるけど…」
「かばってないです。本当にわたしの方が写真を撮ってもらってるんです。依頼したのはわたしの母です」
「お母さん?」
(どういうこと?)
亜希は、驚いて言葉がなかった。
「先生」
俊哉の声だが、亜希からは、俊哉の顔は見えない。
「嘘じゃないよ。由美子はモデルで俺はカメラマンだ。写真を撮ってたんだ。SMのプレイをしているわけじゃない」
亜希は、いきなり縛られた由美子を目にして気が動転してしまって、俊哉が写真を撮っていたことを忘れていた。
(わたし、てっきり、あなたが由美子さんと…)
亜希がここに乗り込んだのは、ただのジェラシーに違いない。
亜希はそれを思い知らされた。
「先生」
俊哉は、さらに続ける。
「高校生がヌードの絵を描いたらまずいか?」
俊哉がたたみかける。
「絵と写真は違うのか?写真なんか芸術じゃないと思ってる?」
“写真でもいいのよ”
亜希はそう言って俊哉を芸術部に誘った。
「そんなことはないわ」
亜希はそう答えるしかなかった。
「じゃぁ、モデルが未成年だからいけないのか?」
「それは、そうでしょ。やっぱり…」
亜希は、自分が俊哉に誘導されていることに気づいたが、それでもよかった。
いや、そのほうがよかった。
「モデルが大人ならいいのか?」
俊哉の言葉は、亜希が予想したとおりのものだった。
(そうよ。俊哉、由美子さんじゃなくてわたしを撮って…)
亜希の腕は背中に回され、まっすぐ伸ばしたまま肘と手首を縛られた。
そのまま、上体を起こされ正座させられると、足首に拘束具をつけられ、そこから縄で足首と太ももの付け根を縛られた。
俊哉は、その格好で何枚も写真を撮った。
由美子が、亜希の顔をカメラに向けさせた。
亜希は、もう声は上げなかった。
俊哉が、亜希の背中を押した。
前のめりになった亜希のお尻が少し浮き、足首が引っ張られた。
(ああ、なんて格好。お尻が…)
「顔が固い」
俊哉が呟く。
亜希の股間に舌が這った。
(ええ…っ)
俊哉は、亜希の横にいる。
(由美子さん?)
「いや…いや…由美子さん…やめて」
10歳も年下の少女に、教室で自分が教えている生徒に、お尻を晒し、そこを舐められている。
亜希は、本能的に考えることをやめた。
さもなければ、壊れそうだ。
由美子は執拗に亜希の花芯に舌を絡ませ続ける。
「ああ…」
亜希の口から声がこぼれた。
「ああああ…」
この声が、次第に大きくなる。
「ああああああ……ああああああ」
亜希には、感じているのかどうかも定かではなかった。
ただ、亜希は、声を出したかった。
何でもいい。
乱れなければ…、乱れなければ、きっとおかしくなる。
亜希は、俊哉のカメラに向って、口を半分開いた。
ペニスを差し込むための穴。
(あなたのものを…ここに頂戴)
亜希の表情は、レンズ越しの俊哉の目にそう映った。