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理沙の慟哭1-6
6.千春
部屋のベッドは狭く、いっしょにはとても寝られない。
男は、理沙にベッドを与え、自分は、床に寝た。
ベッドで一人にしてくれたのはありがたかった。
おかげで、理沙は、なんとか眠ることは出来たのだが…。
朝、ベッドに男が入ってきて、理沙を自分の上に乗せた。
男は、理沙の身体を下へ下へと押しやる。
最悪な朝だ。
男が、何を望んでいるか…理沙にはじゅうぶんに理解できたが、従いたくはなかった。
男の手が、理沙の頭を押さえ、自分のものに押し付けた。
しょうがなかった。
理沙は、男のものを咥えた。
昨夜3回、全部、口だった。
そして、朝も…
理沙は、さすがに飲み込まず、バスルームにいって、吐き出し、そのまま長々とシャワーを浴びた。
10時を過ぎて、ようやく孝之が迎えに来た。
「また、お願いするよ」とうい男の声が聞こえたが、理沙は、さっさと孝之の車に乗っていた。
「ほい、これ、小遣いだ」
理沙は、1万円札を1枚握らされた。
男からいったいいくら取ったのか、理沙は知らない。
ただ、泊まりじゃないいつもならば2千円だから、相当取ったのだろう。
こうしてお金を渡されるのもいやだ。
したくてしているわけじゃない。
お金が欲しいわけじゃない。
理沙は、ほとんどお金を使わない。
服も髪型も化粧も全く興味は無い。
いっしょに出かける友達もいない。
理沙が話をするのは、たったひとり、母、信子の従姉妹の千春だけだ。
「千春さん、ごめん、こんな遅くに…」
その夜、理沙は千春に電話した。
「どうしたの?」
「昨日ね、泊まりだったの」
「泊まり?」
「男のところで一晩」
「ひどいわね…だいじょうぶ?」
「うん。平気」
理沙は、いつもそう言う。
平気なはずが無い。
「千春さん、訊いていい?」
「何?」
「ヌードモデルって、15歳でもなれるの?」
千春は、20歳。
服飾関係の専門学校に通いながら、バイトでヌードモデルをしていた。
「理沙、モデルになりたいの?」
「わかんないけど…」
理沙はもうすぐ中学を卒業する。
今のままならどうせ、同じことさせられる。
「ヌードモデルって高校生はだめなんでしょ。でも、高校生じゃなきゃいいのよね」
「理沙…」
千春に、理沙の必死さがひしひしと伝わってきた。
「高校生でなくてもヌードモデルはだめなの。でも、ヌードじゃなきゃ大丈夫だと思う。やりたいの?」
「やりたいってわけでもないんだけど…」
やりたいはずがない。
理沙は家を出たい一心なのだ。
「なんかいい方法考えてみるわ」
「うん」
「じゃぁね」
「うん。じゃぁ」
「仕事…か」
千春は、理沙をなんとかしてやりたいと思っていた。
千春のところでは、すぐに連れ戻される。
といって面倒を見てくれと頼める知り合いもいない。
「ふーっ」
千春は大きなため息をついた。