スポンサーサイト
新しい記事を書く事で広告が消せます。
シークレット/日向の秘密6-6
日向は、翌朝、アパートに帰って久しぶりにパソコンを開いた。
自分のブログは、削除してしまっている。そのはずだった。
削除したはずのURLは存在した。削除したはずの自分のブログもそこにあった。
日向が削除したIDで、徹が新規に登録して、そっくりおなじものを再アップしたものだ。
記事は同じだが、さすがにコメントはなかった。
日向が、休んでいた昨日の記事もあった。
ちょっとお休みしてましたけど、ブログ再開です。
今日は、初夏の陽気だったので、ロングジャケットで外に出ました。
正確にはロングジャケットだけで外に出ました。
膝の上10cmくらいのところまであるロングジャケット。上は、ノーブラだけどシャツは着てます。
でも、下は何もなし。
スカートもなしです。
不思議なもので、膝の上まで隠れていれば、スカートがあろうとなかろうと関係ないようなものですが、実際、やってみると大違い。もちろん、お尻を晒して歩くわけではないので、見ている人には決してわかりません。しかもミニスカートよりも長いわけだから・・・よっぽど安心なはずなんですけど・・・・
なんていえばいいんだろう。
露出ってのは、かなりメンタルなもので、どれだけありえない格好かっていうのがポイント。
スカートがあれば、ただのノーパン。ちょっとお尻が見えても、もしかしたらTバックかストリングスショーツかもしれません。でも、スカートがないとなれば・・・・ノーパンか?Tバックか?などという問題ではありません。完全に変です。
完全に変・・・そう思っただけで、もうドキドキ加減は、何倍にも膨れ上がります。
興味のある方は、試してみてください。
文体まで、日向にそっくりだった。
今までの自分のブログとなんらかわらない。ただ、大きく違う点がひとつ。
画像が貼られていた。そして、まちがいなくそれは日向自身のものだった。
その格好に記憶があった。
徹と出かけたときの写真に間違いなかった。ただし、記事には嘘がある。その時は、もちろんスカートもはいていたし、ノーパンですらなかった。
(徹、嘘はだめだよ!)
日向は、しばらくためらったが、教えられた、もうひとつ別の“陰の日向ぼっこ”を開けた。
オフ会報告というタイトルで、さっそく昨日の出来事が報告されていた。
吊られた自分の画像が貼られていた。
オフ会の画像だけではなく、その前のラウンジでのものもあった。
顔も股間もぼかしが入っていたが・・・・会員専用というところに教わったマスターコードで入ってみると
ぼかしはない。
(ひどい顔・・・・・)
ショッキングな出来事の連続で目がうつろになっている。
動画も配信されていたが、それを見る気にはならなかった。
過去の動画の1つをダウンロードすると・・・・
(この部屋だわ・・・・)
ベッドで・・・裸になって・・・・股間を写メして・・・送信。
記憶があった。徹が電話をしてきて、写真を送れと言って来た時のものだ。
日向は、映像の撮られた角度から、カメラの位置を推測した。
そこには、天井に向いた間接照明が置かれていた。
(あれだわ・・・きっと・・・今も覗かれてるのかな?・・・しょうがない人)
日向は、子供のような徹の笑顔を思い浮かべた。
日向は、しばらくぼーっと何かを考えていたが、やがて立ち上がると、ショーツを脱ぎ、スカートも脱いで下半身裸になった。
「嘘は、だめだよ。徹」
日向は、ロングジャケットを取り出すと、それを着て、アパートを出た。
エピローグ
「日向、お客さんを案内して・・・」
「はい」
所長になった徹に言われて、日向は、部屋を見に来た女性を車に乗せた
ラブホ仕様の覗かれ部屋は、好調で、部屋の供給が間に合わなかった。
部屋を見に来るのはほとんど女性で、そのために、ここの営業は女性が2人配属された。
日向と、同じ営業所にいて、日向よりも一足早く、モデルデビューしていた美沙の二人。
見せられる部屋がないので、美沙と日向の二人は、自分たちが使っている部屋を見せた。
「中は、こんな感じです」
日向は、童顔で、どうみても高校生にしか見えない女性を、中に案内した。
「すごい・・・ここ、あなたが、住んでるんでしょ」
見た目は童顔だが、声の調子は、25、6という感じだ。
「いえ、使ってはいますけど・・・住んでいるのは別のところです」
「ずっと、見られて、いやにならない?」
「ずっとじゃないですよ。いつ見せるかは、基本的にはこちらで決められるので・・・」
「そうなの・・・決められてるのかと思った」
「そういうところもあるでしょうけど、わたしのところは、比較的自由です」
「ふーん」
部屋の隅々まで眺め回しながら女性が話しかけた
「ねぇ、今は部屋がないんでしょ」
「はい・・・」
「いつごろできるの?」
「それはなんとも・・・改装中の物件を入れて、予定が立っているのは3件ですけど、待ってらっしゃるお客様が5人いらっしゃいますから・・・・」
「あのさぁ・・・あなた、昼間は仕事をしてるでしょ」
「ええ、まぁ」
「じゃぁ、平日の昼間は、ここは開いてるっていうことよね」
「ええ、まぁ、そうですけど・・・・」
「その時間、わたしに貸してくれない?」
「えっ?」
突拍子もない提案に日向は驚いた。
「だめ?家賃の3割払う。シーツとかは自分で持ち込むから・・・お願い」
「でも・・・・まぁ、ちょっと、いいかどうか訊いてみますけど・・・」
「ありがとう・・・わたし、沙希って言うの。よろしく」
沙希は、子供のような笑顔で日向の手を握った。
日向の秘密END