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シークレット/日向の秘密2-3
次の日、不安は、すぐに現実のものとなった。メールが来ていた。
「明日、夜の10時に、昨日と同じ場所に来てください。昨日、あなたがおしっこをした場所に、バックを置いておきます。それを持って帰ってください」
メールには、画像が添付されていた。もちろん、それがなんなのか日向には想像がついた。見たくはないが、もしかしたら、画像が不鮮明かもしれないという期待もあって、開いてみた。
期待は、あっさり打ち砕かれた。目を閉じ、髪を振り乱してはいるが、自分の写真だ。足を大きく広げられ、おしっこをしている。顔もしっかり写っていた。
次の日、日向は、おとといと同じ場所に車を止めていた。9時49分。指定された時間よりも早くついてしまったが、時間になるまで車の中で待っていた。
早く行って、男達に出会ってしまったら・・・それが怖くて車から出られなかった。
(バッグがあるって・・・・それを拾うだけ・・・・でも、ウソかもしれない)
胸が締め付けられるように苦しかった。日向は、コンビニで買ったカフェオレを口にした。
車のパネルの時計は、9時57分
(ああ、どうしよう・・・でも、行かないと・・・)
(行かないと・・・向こうは私を知っている。わたしのブログやあんな画像が、もし、誰か知ってる人に知れたら・・・)
日向は、車を降りた。ポケットの中には、防犯ブザーが入っている。
ただ、これを使うかどうか、それを悩んでいた。ふっきれないまま、おとといの場所まで、あたりに充分注意を払いながら、歩いた。
植え込みのところまで・・・・誰もいなかった。日向は、じっと周りを見回した。どんな音も聞き逃さないように聞き耳を立てた。
(誰も・・・いない・・・みたい)
日向は、少し、ほっとして、ようやく、植え込みの中に一歩踏み出した。
暗くてよく分からないが、なにやらバッグらしきものが確かに置いてある。それは、予想したよりもはるかに大きかった。日向は、それを慌てて拾いあげ、大急ぎで車まで戻った。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」
まだ、息が落ち着かなかったが、すぐに車を出した。とにかくそこから早く逃げ出したかった。
家に帰って、日向は、バッグを開けてみた。
大きなバッグには、いろんなものが詰められていた。
(なに・・・・これ・・・・スカート?)
スカートが3枚、デニムのミニ、濃紺のタイトミニ、後ろのスリットがかなり深い、プリーツのラップ、これもかなりのミニだ。後は、サスペンダータイプのストッキングが6枚。
日向は、ぞっとした。
(変態・・・・だわ・・・・どうしよう)
まだ、あった。携帯電話、ハンズフリーセット
日向が、携帯電話を持つのを待っていたかのように、それは振動し始めた。
日向は、息を呑んだ。
振動はすぐにやんだ。
日向は、携帯を開けてみた。メール着信1件。
見た。
“どう?気に入った?明日は、タイトスカートで出勤してください。いっしょに入れてあるストッキングで・・・パンティーは、なし・・・・ですよ”
日向は、最近、何回か痴漢にあっていることを思い出した。正確には痴漢らしき行為にあっているというべきか。
お尻に手が当てられるのは、最近に限ったことではない。しょっちゅう毎度のことだ。
ただ、たいていの人は、お尻に当てた手を動かすことはない。じっとしているが、電車が揺れてもその手は離れない。ただ、日向は、ここ数日、手ではなく、そのものを押し付けられていた。固くなっているものが、お尻にぴったりと押し付けられる。その男は、いつも両手でつり革を持って立っているので、日向としても、お尻に押し付けられているからといって、痴漢ですというわけにもいかない。
すぐにまた、携帯が振動した。
“7時58分の電車、前から2両目の、一番前のドアで反対側の扉まで進んで、外に向いて立ってくださいね・・・・会社には間に合うでしょ”
それは、毎日日向が乗る電車よりも1本早かった。
(勤務先も知っているってこと?)
携帯にまで、日向の画像が添付されていた。
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