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オンナごころと少年と(4)
作:桃沢りく
4
「すっかり、遅くなっちゃったね」
「祥子さん、駅から家まで、ひとりで大丈夫ですか?」
「なに言ってるのよ。平気、平気」
祥子さんの花柄のスカートがふわりと動いて、駅のホームに降り立つ。
僕の鼻先を、秘密の匂いが掠めたような気がする。
「またね」
笑顔で、小さく手を振る祥子さんをホームに残して、僕の乗った電車は再び走り始めた。
またね、か。
それはさあ、和之兄さんに勉強を教えてもらう日に、また会いましょう。っていうことだよね?
今日の、あの公園での出来事を、また今度……っていう意味じゃないんだよね。
祥子さんの、とっても普通な態度に、僕はうちのめされていた。
次の水曜日、いつものように和之兄さんの家に行く。
祥子さんと顔を合わせるのが、うしろめたいような恥ずかしいような、複雑な気持ちを僕は抱えていた。
それなのに、やっぱり祥子さんは、いつものとおりの祥子さんだった。
「ごめんねー、和之さんからさっき電話があって、今日は遅くなるから勉強は明日にしてくれって」
「ええっ、いまさら言われても、もう来ちゃったじゃないですか」
「うーん、だってえ、ほんとにさっき電話があったばっかりなんだもん」
僕は和之兄さんのマネをして、しかたがないなあ、という表情を作ってみせた。
「ぷっ……なに、その顔」
「なにって」
「子供がオシッコ我慢してるみたいな、情けない顔してるよ」
「お、おしっこ、じゃないです」
「なんで、そんなに赤くなってるの?」
からかわれてるってことはわかってたけど、僕は、そんなにイヤな気はしなかった。
「夕飯、食べて行ってよね」
「でも、和之兄さん、遅いんでしょう?」
「そうなのよ。せっかく作った三人分の食事がもったいないから、ちゃんと食べて帰ってね」
「はい、そうします」
トマトソースのロールキャベツは、ごく普通のロールキャベツだった。
祥子さんの料理にしては、これはとても珍しいことだ。
「おいしい?」
「はい、すごく普通においしいです」
「それ、どういう意味なの?」
「あ、いや、その……ひょっとして、キャベツのなかから思いがけないものが出てくるのかと思ったんだけど、普通にひき肉でした」
「ほんっとは、なにが言いたいのかなあ」
「その、えっと、つまりぃ、おいしいってことです」
祥子さんとふたりきりの食卓で、緊張してる僕は、なんとか緊張を隠そうとしていた。
「ごちそうさまでした。それじゃあ、帰ります」
「食べたらすぐに帰るなんて、失礼よ」
「でも……」
このまま、いつまでもふたりきりでいることには耐えられないよ、祥子さん。
先週の、あの公園でのこと、忘れたわけじゃないんでしょう?
僕は、毎日思い出しては、ひとりで……。
「和之さん、帰りが遅くなるって言ったでしょ」
ど、どういう意味ですか?
「続き、しよ」
「つ、つ、つづきって……」
祥子さんの手に引っ張られて、ダイニングの椅子から立ち上がる。
引かれるままに、リビングのソファに移動して並んで座った僕と祥子さん。
祥子さんの手は、僕の腿に置かれ、潤んだ瞳が僕の目をみつめる。
「しょ、祥子さん、待ってください」
「なに?」
「僕、こ、こんなの、困ります」
「男らしくないわねえ、別になんにも困らないよ」
「だって、祥子さんは和之兄さんの奥さんで」
「それが、なに?」
なに? って正面切って言われてしまうと僕はなにも言い返せなくなってしまう。
本当は、僕は、祥子さんとこの前の続きをしたいと思っているんだ。
今日は、ジーンズを穿いている祥子さんのヒップは、腰骨が横に張り出してボリュームたっぷりだ。
ピチピチの太腿と、股に食い込んでいる縫い目のあたりをジッと見る。
このブルージーンズの下に、アソコが隠れてるんだよね。
夜の公園で、小さなライトで照らして見た初めての女のアソコ。
今夜、リビングの灯りの下でみたら、どんな色をしてるんだろう?
想像してたような、綺麗なピンク色かな。それとも、もっと、いやらしい色をしてるの?
知りたい。今すぐ、見たいよ。
「どうしたの? 脱がせていいのよ」
「ごっくん」
口のなかに溢れてきた唾液を飲み込んで、僕は祥子さんを抱きしめた。
びっくりしたように、大きな瞳を見開いて僕をみつめる祥子さんの、口紅を塗ってない唇に自分の唇を近づける。
逃げないで、祥子さん。
唇が触れると、祥子さんが目を閉じた。
僕は、初めて触れた女の人の唇の柔らかさに感動した。
祥子さんの舌が僕の口のなかに入ってくる。
キスはこういうふうにするものなんだよ。そう言ってるみたいに祥子さんの舌が動く。
甘い舌が、僕の脳みそをトロトロに蕩けさせた。
「ここ、硬くなってるよ」
「しょ、祥子さん!」
「うふっ、かわいいね」
祥子さんは、キスをしながらすごく器用に僕のジーンズのファスナーを下げた。
ボクサーブリーフの上から握られる。
「ふふ、すっごい硬いね」
「こんなことされたら、硬くなってあたりまえです」
「言うじゃない。ねえ、もっと硬くできるの?」
「そ、そんなこと、わかんないですよ」
「じゃあ、試してみよ」
ジーンズとボクサーブリーフを一緒に膝まで引き下ろされた僕を、ソファから立ち上がった祥子さんが見下ろしている。
僕の足元に跪いた祥子さんの手が、僕のペニスを捕らえ、ゆっくり上下に動かした。
「うふっ、いい感じ。もっと、よくしてあげる」
「なっ……」
さっき僕の唇と触れ合った祥子さんの唇が、僕の勃起しかけたペニスを咥える。
予想はしてたけど、やっぱり、フェラの威力はすごい。
「あぁ……」
「ふふ、かわいいっ」
口でイかせてもらえると思っていた僕は、祥子さんが離れてしまったのでちょっとがっかりした。
その僕の目の前で祥子さんは、服を脱いだんだ。
ピチピチのジーンズも、Tシャツも、ブラジャーも。それから、清楚な白いレース付きのパンティも、全部、自分で脱いでしまった。
「触ってみて」
祥子さんに導かれた僕の指が、繁みを掻き分けてアソコに触る。
軽く触れただけで開いた二枚貝は、その裂け目からトロリとした蜜液を溢れさせていた。
「指が、濡れちゃったよ」
「もっと、濡らしてあげる」
祥子さんが僕の指を奥に誘い込もうとしてたけど、僕は指を離して祥子さんの顔を見た。
「公園は暗かったんだ。明るいところでよく見せて」
「なに、言ってるの」
恥ずかしそうに視線を逸らせた祥子さんは、僕が太腿に手をかけて開かせると、そのままの姿勢でいてくれた。
ソファに仰向けに寝ている祥子さんの脚を大きく開かせて、繁みを掻き分け、指でいじりながらじっくり観察する。
「やっぱり、綺麗な色してたね」
「やだ、恥ずかしいこと言わないでよ」
「恥ずかしくなんかないよ。祥子さんのここ、すごく綺麗なんだね」
「他の女のなんか見たことないくせに、生意気だぞ」
祥子さんは顔を真っ赤にして恥ずかしがっている。
僕よりずっと年上の女の人で、大人だって思ってたけど、こんなふうにするときは、とってもかわいくなるんだってこと、初めて知ったよ。
蜜液が溢れている場所に指を一本入れてみる。
グニグニ蠢いて、僕の指を飲み込んでいく。
左手で包皮をめくって露出させた薄ピンク色のクリトリスを舌先で舐めながら、僕は中に入れた指を動かしてみた。
「あっ、ああっ、あぁん、いいっ!」
祥子さんの両脚が閉じてきて、僕の頭を挟み込む。
クリトリスを舐めるたびに、祥子さんの中が蠢いて僕は指先から受ける快感だけで、ズキズキするほど硬くなってしまった。
「もっ、入れて」
「えっ、いいの?」
「お願いだから、ちょうだい。このままだと、おかしくなっちゃう」
童貞を捨てる瞬間、他の人はなにを考えたんだろう。
僕は、僕の頭の中は、もうなにも考えることなんかできなかった。
ペニスをアソコに入れる。それだけだ。
考えているんじゃなくて、きっと、これは男の本能なんだ。
祥子さんが自分の脚を抱えて開く。
入りやすい角度にしてもらったのに、僕はなかなかうまく挿入することができなかった。
「ここに、寝て」
祥子さんは優しく僕をソファに寝かせると、僕の腰を跨いだ。
両手でペニスを掴まれて、ゆっくり挿入させられる。
量感のある女の肢体が、僕の上で悩ましく身をくねらせながら上下に動く。
温かくて、気持ちのいい女の肉が僕のペニスを包んでいる。
擦られたり、締めつけられたりするたびに、オナニーでは味わったことのない、強烈な快感が僕の体を駆け巡った。
「気持ち、いいでしょ」
「祥子さん、ちょっと待って、やめてください」
「どうして?」
僕の意外な反応に驚いている祥子さんをソファに横たわらせる。
「僕が、祥子さんを気持ちよくしてあげたいんだ」
「童貞のくせに、生意気よ」
そう言った祥子さんの頬は、赤くなっていた。
これ以上は無理ってくらいに脚を広げた祥子さんのアソコを指で確かめる。
「まだ、濡れてるんだね」
「あたりまえでしょ」
ちょっと怒った口調で言い返してくるのは照れてるせい?
祥子さん、かわいいよ。
硬くなったペニスの先端をアソコに押しつけると、自然と先のほうが入っていく。
少し入れたところで止まってしまったので、祥子さんの顔をみると、薄っすら笑みを浮かべた妖艶な表情で僕を求めている。
「もう少し、上のほうから」
「このくらい?」
「あっ……」
やっぱり祥子さんの導きが必要だったけど、僕のペニスはすっかり祥子さんの中に埋没した。
何度か、動かすと、アソコが強烈に僕のペニスを締めつけてくる。
「だめだよ、祥子さん、そんなにされたら、我慢できなくなるよ」
「我慢しなくていいから」
「だって、そんなの、だめだよ」
「心配しないで、今日は大丈夫なの」
「本当に?」
「ねえ、もっと、して」
「祥子さん」
祥子さんが、僕の下でかわいい声を上げた。
「あぁん……あっ、あっ、やん……もっ……」
「祥子さんっ! ごめんなさいっ!」
あんまり気持ちよかったから、僕はあっというまに祥子さんの中に射精してしまったんだ。
「ごめんなさい」
「いいの、初めてだったんだもんね」
祥子さんが、僕の頭を優しく撫でている。
僕は、祥子さんの胸に顔を伏せていた。
「祥子さん」
「なあに?」
「まだ終わりじゃないよ。これから祥子さんを気持ちよくしてあげる」
「うふっ、本当?」
もちろん、ウソなんかつかないよ。
だって、僕のペニスはまだまだ元気一杯なんだから。
和之兄さん、ごめんなさい。
だけどさ。
祥子さんが、こんなに喜んでるんだから、いいよね。
そうそう、今夜のロールキャベツは最高においしかったよ。
和之兄さんの分は取ってあるから、明日食べなよ。
「あっ、ああっ、いいっ……ああぁっ、やぁん……もっとぉ……」
祥子さんと、祥子さんの料理は似てると思うんだ。
なにが出てくるかわからなくて、わくわくどきどきさせてくれる。
そして、意外なことに食べるととってもおいしいんだ。
オンナごころと少年と 完
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