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続・広美の思惑1-5
5.トイレは外
女性をターゲットにした居酒屋。
料理もしっかりしてて、お酒の肴という感じではない。
ただ、サラダバーはどうかと思うが…。
ここでは何があるのかとある意味期待した広美だったが、別段変わったことはなく、静子は意外にあっさりとこの店を切り上げた。
ファミレスで心臓が口から飛び出しそうな羞恥を覚えた広美は、なにもなくこのまま帰ってしまうのが何かもの足りない。
「うちに来ない」
もうすぐ広美の降りる駅というところで、静子が、広美を家に誘った。
「えっ・・・静子さんとこ・・・ですか?」
「明日は、お休みでしょ?」
「え・・・ええ、はい」
「うちは、○○駅なの」
広美のところから、2つ先の駅だ。
「で・・・でも・・・・」
静子は、広美の腕をとって、自分の胸の谷間にその腕を挟むように両手で広美の腕を抱えた。
(あん・・・)
柔らかい感触が広美の二の腕に伝わってくる。
静子は、ブラはしていない。
それは広美も同じだ。
静子の手が、広美の乳房をつかんだ。
広美は、周りを見回す。
(だいじょうぶ・・・見えないはず・・・)
「いいんですか?行っても・・・」
「あら、わたしが誘ったのよ」
「じゃぁ・・・お願いします」
何をお願いするのか?
広美は変な挨拶をした。
改札の手前で、
「あ、静子さん・・・わたし、ちょっと・・・トイレ」
そう言って、トイレに行こうとする広美の腕を静子がつかんだ。
「だめ・・・外にあるわ」
「はぁ・・・?」
なにがだめなのか、要領を得なかったが、とにかく静子に腕を引かれて広美は改札を出たが、静子は、傘をさすと、すぐに通りに出てしまった。
広美は、慌てて、後を追った。
「静子さん・・・・」
「何?」
「トイレ・・・・」
「ああ、もう少し先よ」
(どういうこと?)
広美は、わけもわからず、ただ、静子について歩いた。
5分や10分の我慢ができないほど切迫しているわけでもなかった。
雨は、激しさを増して、足元はもちろんスカートまでも濡れ始めた。
「もうすぐよ・・・」
そう言うと静子は自分の傘をたたみ、広美の傘の中に入ってきた。
「静子さんのうち?」
「うちもすぐだけど・・・・トイレ」
「トイレ?」
(うちがすぐなのに・・・どうしてトイレ?)
「ここよ」
静子は、バス停で立ち止まって、さしていた広美の傘をたたんだ。
わずかだが、乗る人のために、幅1m、長さ2mくらいの雨避けがある。雨避けといっても、屋根があるだけなので、足元は濡れる。
「ここ?」
もちろん、そこはトイレではない。
「そう、ここ」
「ここ?」
まったく、静子が何を言っているのか理解できない広美は、ただ鸚鵡返しに訊くだけだ。
「ここでするの」
「ここでするって…おしっこを…ですか?」
「そう。だいじょうぶよ…雨だもの」
(雨だもの?・・・・どういうこと?)
静子の眉間に一瞬しわが寄った。
(えっ?…うそ?…まさか…)
雨で足元は濡れているので、よく見ないと分からないが、静子の足を、液体が伝って流れている。
「静子さん・・・・」
広美は、続ける言葉がなかった。
「あなたは・・・どうする?」
静子が訊いた。
(どうするって・・・・・。歩道よ。・・・・しかも立ってするなんて、下着をつけたまま・・・・)
静子は、楽しそうな表情で広美を見ていた。
“するに決まっている”という表情だ。
今、目の前で、静子がやったことだ。
それに誰も気づかなかった。
(できなくないわ・・・・)
確かに、見たとおり、できないことではないかもしれないが、広美は、立ってしたことはなかったし、ましてや、下着をつけたまま、自分の意志でお漏らしをするなんて当然ながら初めてだ。
しようと思ってもなかなかできることではない。
出そうだが・・・でない。
「ふぅー」
緊張に耐え切れなくなって広美が溜息をつくと、静子が広美の下腹部をぎゅっとわしづかみにした。
「あっ・・・」
広美が、思わずこえをあげる。
(出る・・・・出ちゃう・・・・)
尿意はじゅうぶんにあった。わずかな刺激で、それはほとばしった。
じわーっと、生温かいものが、股間全体に広がり、お尻の上のほうまで浸透し、太ももを伝って流れる。
それは、太ももの内側ですぐに冷たくなって、足を伝う。
我慢から解放された安堵。人前だという背徳と羞恥、そして太ももで感じる冷たさ、不快感。
広美は、首が折れるほどうつむいた。