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理沙の慟哭1-4
4.お兄ちゃんと言って
「さぁ、中に入んな」
理沙は、孝之に腕を引っ張られ、マンションの中に押し込まれた。
「じゃ、明日の朝、迎えに来るんで・・・」
孝之は、中の男にそう言って、帰った。
一晩の契約は初めてで、いつもの何十倍も気が重かった。
男は、玄関に突っ立ったままの理沙の腕を引いて、中に引っ張っていく。
あいさつも何もなしだ。
いくつぐらいだろう?
20歳くらいか?
理沙には、男の年齢などよくわからない。
自分と同年代・20歳くらい・中年・年寄り、せいぜいこの4種類だ。そして、20歳くらいの男が、もっともいやな相手だ。
もちろん、同年代の男の子というのが一番いやだが、普通に、そういうことはあり得ない。
理沙は、相手が若ければ若いほどいやだった。
理沙には、好きなタイプなどない。
男は嫌いだ。
もちろん、女が好きというわけではない。男が嫌いなのだ。
特に、太ってて脂っぽくて、色が白くて、不潔でなよっとした男は、鳥肌が立つほど嫌いだ。
この男は、筋肉質というわけではない。色は白く、どちらかというとなよっとしている。
これで太っていて、不潔なら最悪だったのだが、かろうじて、そこは免れた。
「セーラー服、体操服、どれがいいですか?それともすぐ始めますか?」
そう言えと言われている。
「そうだな…時間はたっぷりあるし…セーラー服にしようか」
もちろん、実際の学校の制服ではない。
理沙は、孝之が用意した白の夏用のセーラー服を取り出した。
着ていたTシャツとジーンズを脱いだ。
「ブラは・・・はずしたほうがいいですか?」
これも客に聞くように言われている。
「ああ・・・はずして」
男は、照れくさそうにそう言った。
理沙は、少しほっとして、男に背を向けて、ブラをはずした。
とりあえず、妙なフェチではなさそうだ。
先日、さっさとブラをはずしてセーラー服を着たら、男に注意された。
ノーブラにセーラー服では、いかにも商売という感じで、がっかりなのだそうだ。
理沙は、正真正銘の中学生だ。コスプレをしているわけではない。
そういうこだわりは、ただただ面倒なだけだった。
理沙は、パンティーだけになって、セーラー服を着た。
男の視線が背中に貼り付いている。
スカートを穿く。突き出したお尻に視線が移る。
上も下も短い。おへそと太ももの付け根まで露出している。
これでは、ブラがあろうとなかろうと、いかにも商売だ。
ただ、こういうのを喜ぶただのスケベな男のほうが、自前でセーラー服を用意しているような男より、よっぽど楽だった。
「君、本当に中学生?」
「はい」
「ふーん、名前は?」
「まりあ」
理沙は、まりあと名乗った。
「そう・・・・」
男は、じっと理沙を見ているだけで、理沙はどうしたらいいのか迷った。
理沙は、自分のほうからは動けない。
中学生にサービスをされたい客は、あまりいない。
理沙は、たいてい、立っているだけで、そうすれば、客のほうから手を伸ばしてくるか、ああしろこうしろと指示があるか、いつもはそうなのだが・・・・。
「あのぉ・・・・横に座りましょうか?」
ずっと、ただ立っているのもばかみたいで、理沙のほうから男に訊いてみた。
「ああ・・・そうだな・・・いや、ベッドに座って」
男は、理沙をベッドに座らせ、自分はその前にイスを置いて座った。
「手を後ろについて足を開いて」
理沙は言われた通りにする。
男は、露骨に理沙の股間を覗く。
「オナニーしてみて」
(ああ・・・)
理沙は、オナニーをしたことがない。孝之に言われて仕方なくしたことはあるが、気持ちよくなりたいという気が最初からないのだ。孝之にああしろこうしろとさんざん注意された。
理沙は、股間に手を伸ばし、パンティーの上から、2本の指で股間をなぞる。孝之にそうしろと言われたとおりを実演して見せた。
男が横に座った。つまらなかったに違いない。
男は、セーラー服の大きく開いた胸元から手を差し入れて、理沙の乳首をつまんだ。
痛いだけだが、オナニーをさせられるよりはましだ。
男のもう一方の手が理沙の顎をつかんで上を向かせ、理沙の口の中に舌を差し込んでくる。
理沙は、それを受け入れる。男の唾液が入ってくる。
男の手が、顎から、股間へと伸ばされた。
理沙は目を閉じた。
出来れば、耳もふさぎたかった。
その耳元で男が囁いた。
「お兄ちゃんって言って」
鳥肌の立つ一言だった。