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理沙の慟哭2-4
4.祐二
「アイスコーヒーでいいか?」
祐二が、千春に訊いた。
「はい」
千春は、バスローブを羽織ながら答えた。
今日の仕事は、写真ではなく、絵のモデルだ。
絵のモデルは、千春には初めてで、かなり緊張した。
ポーズを決めて、15分。
祐二が休憩を入れてくれた。
中川祐二
不動産関係の大手企業のトップであるが、趣味で絵を描く。
また、多くの風俗店を経営している男でもある。
「ここにいる間は、ずっと裸でいてくれるか?」
「裸で…ですか?」
「ああ…」
千春は、羽織ったバスローブをまた脱いだ。
おかしなもので、ポーズをとっているあいだは、裸でいることに何の抵抗もないが、休憩中に裸でいるのは、どんな格好で座っていいものか悩んでしまう。
無意識に足を組み、手で乳房を隠してしまう。
「力が入りすぎている。もっと力を抜いてリラックスして…」
祐二に言われるまでもない。
千春は、胸の前で組んでいた手をほどき、頭の上にまっすぐ伸ばして伸びをした。
ドアのチャイムが鳴った。
コーヒーが来たのだ。
「もらってきて」
こともなげに祐二が言う。
「はい…」
立ち上がった千春を祐二が見ている。
バスローブを取ろうとすると、祐二が小さく首を振った。
(このままで行けっていうこと?)
どうもそのようだった。
千春は、裸のままドアを開けた。
配達に来たコーヒーショップの店員は、慣れているのだろう、別にどうということもなく千春にコーヒーの乗ったトレイを手渡して帰っていく。
ただ、千春のほうは慣れてはいない。
トレイを持った手が震え、グラスがガチガチと音を立てた。
祐二と目が合った。
なんとも言いようのない目だ。
普通の男の好色な目ではない。
といって、絵を描いているときの目でもない。
ただ、じっと見られてはいるが、恥かしくはない。
むしろ、心地よくさえある、そんな目だった。
「縛っていいか?」
アイスコーヒーを手渡したとき、不意に祐二がそう口にした。
祐二の絵は、そういう絵だ。
モデルの依頼が来たときに、祐二の絵を見せられた。
千春は、縛りの経験はあるが、それはあくまで撮影が目的の縛りで、縛りが目的の縛りではない。
絵を見る限り、祐二の縄は、そんな甘い縛りではなかったが、千春はそれも承知でOKした。
「はい」
千春の緊張がいっきに高まる。
「手を出して」
祐二に言われ、前に突き出した千春の両腕が少し震えている。
祐二は、千春の両手首をいっしょに縛った。
そこまでだった。
祐二は、それ以上何をするわけでもなく、千春の前に座ってタバコに火をつけた。
(これだけ?)
一瞬、がちがちに緊張した自分が恥ずかしい。
千春は、縛られた両手でアイスコーヒーを飲んだ。
裸でいること。
縛られていること。
そして普通にコーヒーを飲んでいること。
奇妙な違和感。
千春の心臓の鼓動が再び忙しくなった。
今なら、体のどこに触れられても感じてしまいそうだ。
「中川さん」
「なんだ?」
「このあいだ、見せていただいた中川さんの絵…」
「どうかした?」
「高校生くらいの女の子の絵、ありましたよね?」
中川は、何も答えない。
「その子の絵が何枚かあって、哀しい目をしてました」
千春は祐二の顔を見ている。
いやな話題ではないようだ。
「わたしの知り合いの、まだ中学生なんですけど、その子が、絵の彼女と同じ表情をします。どこかで見たことがあるって思い返して、中川さんの絵の女の子だって気づきました」
「見るか?」
中川は、奥から絵を一枚持ってきた。
両腕を吊られた小柄な女性の真っ白な肌に荒縄が食い込んでいる。
「彼女はモデル?」
「いや。今はスナックのママをしている」
(スナックか…)
千春には、その絵の女性が理沙と重なって見えた。
理沙の慟哭2-5
5.商売道具
バスルームを出てきた信子に巧が、缶ビールを手渡した。
「ありがとう」
信子は、裸のままで、じっくりと部屋を見回す。
巧から孝之が逮捕されたことを聞いた信子は、家には帰らず、そのまま巧のところに転がり込んだ。
家具が何も置かれていない部屋。
間仕切りの壁や天井にごつい金具が露出していた。
「ここって、プレイ用の部屋?」
「そういうことだ」
「縛るの?」
「いや…」
壁の中央にX字型に柱が組み込まれている。
いかにも人をはりつけますよという感じの柱で、手の位置、足の位置に、ベルトが固定されている。
それで、手足を拘束するのだろう。
ただ、不思議なことにその真ん中、床から1mくらいの高さに、小窓がついている。
巧が、そこに行き、その小窓をあけると、丸い穴が開いていた。
いかにも不自然な穴だ。
「何なの、それ?」
信子は、近寄って、巧に訊いた。
「ここに顔を突っ込んで・・・」
「ここに?」
信子は、躊躇したが・・・好奇心もあった。
「手から・・・突っ込んで・・・」
巧が平然と指示をする。
信子は、恐る恐る、壁の穴に手を入れ、それから頭を通した。
「あっ・・・・」
巧が、信子の腰を押して、ぐいと壁の中に押し込んだ。
どうということもない。
隣の部屋に顔を出しただけのことだ。
巧は、壁の内側に残った信子の足をX字型の柱に合わせて足を開かせ、太ももと足首を柱に取り付けてあるベルトで固定した。
巧は信子の顔が出た方の部屋に回った。
こちら側は、信子が顔を出した穴の両側に手すりが付いていた。
巧は、その手すりを脇で挟むように信子の腕を手すりにかけて、その両手首を信子の胸の前で縛った。
「自分のけつを見たことがあるか?」
巧は、信子の正面に置かれたモニターのスィッチを入れた。
画面に映っているのは、壁にはりついたお尻と足の映像。
「どうだ?いいオブジェだろう」
普通、この角度で、自分のお尻を眺めることはできない。
信子は、それが今の自分のお尻でありながら、そういう実感がわかない。
不思議な気分だった。
「これ・・・わたしのお尻よねぇ?」
「そうだ・・・」
「なんか・・・変な感じ・・・」
巧は、バスローブの前をはだけて、自分のものを出すと、信子の顎を手で持ち上げ、顔を上げさせて、その口にそれを押し込んだ。
両腕で、信子の頭を固定してぐいっと、根元まで差し入れて止める。
みるみる信子の顔が真っ赤に紅潮してくる。
苦しいのだろう、信子が身体を揺する。
巧が抜くと、
「はぁーっ・・・・」
信子が、大きく息をする。
が、巧は休ませない。
すぐにまた、差し入れて、今度は、信子の顔を左右に振る。
「はぁーっ・・・・ぐわぁっ・・・」
巧は、何度か繰り返したが、信子の息が荒くなるのにあわせて、無理に止めなくなった。
そのかわり、激しく腰を前後させる。
不意に信子は、お尻を触られた。
「ひゃっ・・・・」
巧のものを吐き出し、モニターを覗く。
いつのまにか、カメラが、お尻に寄っている。
そこに手が4本。
お尻に2本、太ももに2本
「だれ?」
信子は、巧に訊くが、巧は応えない。
おそらく真一と治夫だろう。
指が侵入してきた。
(うぁ・・・・)
信子のクリトリスにバイブが当てられた。
「あああ…」
激しい刺激に声をあげたが、その声を、巧は自分の肉棒で制する。
さらに激しく、腰を前後させる。
頭を押さえていてくれないと、首がどうにかなってしまいそうなそんな勢いで、巧は突いてくる。
「出すぞ…」
巧は、信子の頭をつかんだ。
「うぐぅっ…」
巧が信子の口の中に放出すると、奥から治夫がこっちに回ってきた。
「奥さん、旦那、捕まったみたいだぜ」
信子は、巧の残滓を舐め取りながら答える。
「そう」
そっけない返事だ。
「うっ…あっ」
バイブがお尻に突きたてられると同時に熱い肉棒が前のほうにも入ってきた。
おそらく真一のだ。
「後は、俺達が面倒見てやるから、心配するな」
別に面倒を見てもらいたいわけではなかったが、それならそれでもよかった。
少なくともこの3人は、商売道具の少女に手を出しそうにはなかった。
理沙の慟哭2-6
6.もう、やめて…
「聞きたいことがあるんだ」
信子に後始末をさせた巧は、信子の顎をつかんで顔を持ち上げ、自分も中腰になって、信子と視線を合わせた。
「何?」
「あんたの亭主、自分の娘も売ってたのか?」
巧は、単刀直入に切り出した。
「売ってただけじゃなくて、自分でも使ってたわぁぁぁ」
巧に話しかけられている間も、信子はバイブと生の肉棒の両方で責められている。
「自分の娘をか?」
「え・・ええ。それで?」
「あんたの娘を名指しで指名してきた客がいるんだが…」
「ああ・・あああああ・・・」
信子は、耐えられないという表情で、あえいだ。
巧は、胸の前で縛った信子の手首を、左右それぞれの手すりの下の方に縛りなおし、それから、木製の洗濯ばさみをいくつか取り出すと、無防備になった信子の乳房を、無造作に挟んでいく。
「あっ・・・ああ・・あっ・・あああ・・・」
これは演技ではない。
信子の眉間に皺がよった。
洗濯ばさみは、すべて一本のひもでつながっている。
何をされるか、一目瞭然だ。
「やめて・・・ねぇ・・・お願い・・・」
信子の声が震えている。
「高橋って…○○町の建設会社の跡継ぎ息子…、この前、あんたの娘を買って、ずいぶん気に入ったみたいだ」
巧は、言いたいことを言い、したいことをするという風情で、信子の哀願には耳を貸さない。
自分勝手に話しながら、信子の右の乳房の乳首を囲むように5つめの洗濯ばさみを乳房につけた。
「いい金になる」
6つめからは、左の乳房に移る。
「・・・・ああああ、痛い」
今度は巧ではない。
壁の向こうで、信子のお尻の穴に別のかなり太いバイブが差し込まれた。
「ううう・・・くわぁ・・・」
一気に左の乳房にも5個の洗濯ばさみが並んだ。
壁の向こうの動きが激しくなって、信子の体が前後に激しく揺れる。
「あ・・ああああ・・あああああ」
巧はおかまいなしに、信子に、わざと金属製のクリップを見せた。
「いや・・・いや・・・・やめて・・・お願い」
それで乳首を挟んだ。
「ぎゃーーーーーっ」
巧は、信子の顎をぎゅっとつかんで顔を上げた。
「痛いか?」
「痛い。痛いわ」
「ずっとそばに置いておきたいらしい」
「痛い。お願い…はずして…」
「そうか、じゃぁ外してやろう」
金属製のクリップがゆっくり外されると、巧は、10個の木製の洗濯ばさみをつないだひもをいっきに引っ張った。
「ぎゃーーーーーっ」
白い乳房に、赤い痕が10個残った。
巧は、すぐにまた、同じ場所を挟み始める。
「や・・・・やめて・・・」
「ずっとってわけにはいかないんで、とりあえず1ヶ月ってことにした」
「お願い。・・・やめてぇーっ・・・」
巧に、やめる気配はない。
信子のお尻に生温かい感触があった。
男がそこに放出したのだろう。
「いいな?」
巧の指が再び紐にかかった。
「やめて・・・やめて・・・やめて・・・」
また、紐がひっぱられた。
「ぎゃーーーーーっ」
ふぅ・・・ふぅ・・・
「あああああぁぁぁ・・・・」
また、生の肉棒が入ってきた。
信子は、とうとう泣きだした。
「お願い。もう、やめて…いやーっ」
狭い部屋に信子の絶叫が響く。
その口を治夫の肉棒が塞ぐ。
「うぐ・・ふうわぁ・・・あわぁー・・・・」
壁の向こうの2人目の男の動きが激しくなった。
また、乳首を弄られる。
弄っているのは真一だ。
真一も治夫も巧も目の前にいる。
「うっ」
くぐもったうなり声と共に2人目も信子のお尻に放出した。
(誰?向こうにいるのは誰?)
さらに見知らぬ3人目が信子の中に入ってきた。
理沙の慟哭3-1
第3章
1.拳
絵のモデルが終わるとすぐに、祐二から別の仕事が入った。
受けるかどうか、千春は迷った。
断ってもいい。
また、やってみたい気もする。
(理沙もいるし…)
千春は、いざとなったら理沙の面倒を自分が見るつもりだ。
そのためにお金がいる。
結局、依頼を受けた。
ただ、お金のことは仕事を受けるための口実に過ぎない。
それは千春自身もわかっていた。
コンクリートむき出しの倉庫の一画に千春はいた。
カメラを持った男が近づいてくる。
ビデオ撮影は初めてだ。
お腹を殴られるとだけ聞かされて同様のビデオを見た。
正直、怖かったが、お金のためだ。
ごく普通の淡いピンクのショーツと同じ色のタンクトップ。
ブラはしていない。
カメラは、千春の周りを回って、正面に戻った。
そのカメラの脇から、男がやって来る。
千春は、ごくっとつばを飲み込む。
男の腕に目が行く。
拳を包んだ黒い皮の手袋。
太い腕、大きな手。
胃がきゅっと痛んだ。
男は何も言わず近寄ってくる。
「うっ」
いきなり来た。
それが痛いのかどうか、緊張した千春にはよくわからない。
ただ、怖かった。
男の手が後ろに引かれる。
千春は思わず、手でお腹を隠し、腰を引く。
男に腕をつかまれて、頭の上に押し上げられる。
「はっ」
また来た。
今度は、一瞬だが、息が詰まった。
また、男の手が引かれる。
「あっ…」
思わず声が出る。
今度は軽く脇に当たった。
痛くは無かったが、恐怖で息が苦しい。
また、腕をつかまれた。
「いやっ」
男は、千春に目隠しをした。
「腕を上げて…」
初めて男がしゃべった。
(腕を上げる…)
千春は、心の中でそう繰り返したが、腕は上がっていかない。
また、男に腕を取られて、頭の上に上げられる。
脇の下の窪みの深いところを、男の指が這う。
普段ならくすぐったいはずなのだが、それすらも痛い。
千春は、腕を降ろし、脇を締めた。
「うぐっ…」
不意だった。
脇を弄ったのは、フェイントだ。
息ができない。
千春は、しゃがみこんだ。
カメラは、お腹を押さえ、頭を床につけてしゃがみこんだ千春の周りを回って、後ろに突きだされた千春のお尻で止る。
ごく普通のショーツであることが余計になまめかしい。
男が、千春の腕を取って、立たせる。
タンクトップが捲り上げられた。
千春の乳房がぷるんと飛び出す。
男の指が、千春の乳首を挟む。
「ああ!」
痛いのだ。
千春は、声をあげた。
乳首から男の指が離れる。
千春の手が乳房をかばった瞬間、男の拳が鳩尾に入った。
「うぅっ」
千春はまたしゃがみこんだ。
千春は、少し失禁した。
ショーツの股間が少し濡れている。
カメラが容赦なくそこに寄る。
「ああ」
千春は仰向けに転がされた。
目隠しを取られる。
男の拳が目に入った。
「あっ…」
千春は後ずさるが、遅い。
「ぐふぉっ」
また鳩尾に入った。
千春はお腹を抱えて横向きにくの字になった。
男は手のひらで千春のお腹を撫でる。
ときおり、強く押された。
そのたびに千春の体がくの字に曲がる。
男の指が千春の脇に突きたてられた。
千春は、身体をねじって後ろに下がる。
男の手が離れた瞬間、男の拳が千春のお腹にめりこんんだ。
「ぐをっ」
千春の身体が一瞬くの字に曲がって、また伸びた。
千春は気を失った。
「お疲れ様」
意識の戻った千春に撮影スタッフが声をかける。
控え室。
千春は、用意されたバスローブを羽織ったまままだ着替えられずにいた。
「お疲れ…様でした」
(あっ、痛)
声を出すとそれがお腹に響く。
痛いのだが、不思議な感じだ。
お腹の奥のほうにあるこの痛みは、初めてのものだ。
筋肉痛とは違った痛みだ。
重いものをお腹に乗せられたような痛み。
痛みは痛みだが、悪くは無かった。
祐二が入ってきた。
「どお?もう懲りたか?」
千春は首を振った。
「いいえ。楽しくはなかったですけど…」
恐かったのは事実だが、恐怖は思ったほど後に残っていないことに気づいた。
「いやでもなかったです」
「ほう?また、頼めるかな?」
「今日でなければ…」
千春は、もしかしたら本当にまたできるかもしれないと感じていた。
理沙の慟哭3-2
2.萌芽
数日して、また祐二に呼ばれた。
祐二のアトリエのあるビルの最上階のギャラリー。
“ドアに鍵は掛かっていない、入って待ってろ”という指示だった。
ドアは開いた。
テーブルの上に、下着とメモとヘッドホンステレオがある。
“これに着替えて、着替え終わったら、目隠しをして音楽を聞きながら待ってろ”
来たことを後悔する気持ちもないわけではない。
胸がきゅーっと締めつけられる思いだ。
淡い、ほとんど白と言っていいほど淡いピンクのブラとショーツ。
別に特別な下着ではない。
千春は、着替え終わるとヘッドホンをつけ、自分で目隠しをして、椅子に腰掛けた。
音楽のせいで、ドアの開く音も、足音も聞こえない。
それでも人の気配は感じられた。
(来た・・・)
後ろに立っている。
(ひとりだ)
大勢ではない、とりあえず、千春はほっとした。
男の手が脇に入り、千春は立たされた。
逆に男が椅子に座ったようだ。
男の手が、千春の太ももに割って入ってきた。
千春は、足を開く。
大きな手が、股間からお尻にまわり、千春のショーツに指がかかった。
千春が、腰を浮かす。
するっとショーツが膝まで降ろされた。
千春は、軽く足を浮かす。
男は、ショーツを抜き取ると、ゆっくり指を割れ目に沿って上下させ始めた。
(祐二さん?)
その手が誰の手だかは、わからない。
ただ千春は、祐二の手だと思い込むことにした。
男の行為は、ゆっくりと執拗に繰り返された。
一言もしゃべらない。
ああしろ、こうしろという注文もない。
(いつまで…?)
千春は、男とのセックスが苦手だ。
気持ちがいいと思ったことがない。
男にされるあいだ、いやがりもしないが、喜びもしない。
しかし、今日は違った。
今までの男は、まず、きまって千春の口に入れた。
しゃぶらされて、挿入される。
でも今日は、男はひたすら、執拗に弄るだけだ。
千春のお腹の奥のほうが熱くなってくる。
むずむずするものが、太ももの付け根からおへその下辺りまで、全体的に広がっている。
何かが、お尻の穴のほうから胃の上のほうまでこみ上げてくる。
「あああ・・・あああああ」
声をあげた。
演技ではなく、本当に声が出た。
それが合図であるかのように、男の指の動きが激しくなる。
「ああ・・ああ・・ああ・・・・ああああ」
立て続けに、小さな波が押し寄せてくる。
(何・・・・何、これ・・・・ああああ・・来る・・・来る・・・)
何が来るのか千春にはわからない。
いつ来たのか、もう来たのか、まだなのか、それさえも千春には分からない。
もう立っていられない。
千春は、テーブルに手をついた。
むずむずするものが、押さえようも無く子宮全体に広がる。
「いや・・・・や・・・出ちゃう・・・出ちゃう・・・・」
男の指の動きは、さらに激しくなる。
「ああ・・・あああ、だめぇー・・・」
千春は足が震え、身体を支えられない。
さらに前のめりになって、テーブルを抱きかかえるようにしてテーブルの上に乗っかった。
「ああああ・・・あああああ」
おしっこのような感覚。
それがおしっこでないことは知っているが、恥ずかしさは同じだ。
男の手も、激しく濡れた。
それでも男は、まだやめない。
千春の体は、かくんかくんと痙攣し、男の腕を挟んだまま太ももはぴったりと閉じられた。
ぐったりした千春を男は、抱きかかえ、床に仰向けに寝かせる。
いよいよだ。
千春は、勇気を出して腕を頭の上にあげて、お腹を無防備にする。
男が拳を千春の鳩尾に押しつける。
「ぐふぉぇっ」
それだけで、もう息苦しい。
急に恐怖心がこみ上げてきた。
来た。
「ぐふぉっ…」
千春は、お腹を抱えて丸まり、激しく咳き込んだ。
痛くはない。
重く、苦しい。
そして息ができない。
それだけだ。
「苦しいか?」
祐二の声だ。
千春は、ほっとして、首を横に振った。
千春の口元に祐二の肉棒が寄せられた。
千春は、それを口に入れ、先端を丸くきれいに舐める。
仰向けに寝た祐二の上に乗って、千春は、祐二のものをぐっと飲み込んだ。
それは、千春にはいやな行為の一つだ。
でも今日は千春のほうからそれをしている。
自分でもなぜだかわからなかったが、とにかく、一生懸命、それを含み、舐め、喉の奥にまでそれを飲み込む。
息苦しかったが、千春は、口をはずさなかった。
やがて祐二は、千春の口に出した。
しばらくして、祐二は、千春から離れると、ティッシュを千春の手に握らせた。
吐き出せということなんだろうが、千春は飲み込んだ。
そうするものだと思っていたし、今日は、そうしたかった。